AMOMA natural care
赤ちゃんと母乳育児の専門ブランド

産後の
心と身体を
いたわって

東郷麻妃子
聞き手:東郷麻妃子
産後の心と身体をいたわって

取材させていただいた

産前産後家事サポート事業
「てのひらのゆりかご」
かどたにまいさん

心身の負担が大きくなる産前産後。そんなママの不安に寄り添いたいと、産前産後家事サポート事業「てのひらのゆりかご」を5年前に立ち上げたかどたにまいさん。母乳育児の不安に寄り添うAMOMAスタッフの東郷が、サービスの根本にある想いを伺いました。実際にサービスを利用したことがあるAMOMAスタッフ榊も交えて、ご紹介します。

#プロフィール
19歳、17歳、5歳の3人の母。デザイン科の高校を卒業後から3人目を出産するまで、デザインの仕事に従事。赤ちゃんと接することを仕事にしたいと思い始め、2015年に産前産後家事サポート『てのひらのゆりかご』を立ち上げ。

産前産後は心や身体を大切にしたいときなのに

AMOMAスタッフ 東郷:

「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
以前より『てのひらのゆりかご』に関心があり、AMOMAスタッフの榊も利用したことがあってお話を聞いていました。産前産後のママをサポートする『てのひらのゆりかご』のサポートは、AMOMAが心がける“ママに寄り添う”ところと通じると感じていたので、取材をお願いさせていただきました。
早速ですが、サポートを始めたきっかけから教えてください」

かどたにさん:

「私自身、10代、20代、30代と出産を経験した3人の母親です。一番下の子はまだ5歳ですが、この子が生まれて4ヶ月検診に行ったとき、周りの赤ちゃんを見て“どの子もかわいい〜”と感じたんです。私、赤ちゃん好きなんだ、と自覚するようになって、赤ちゃんと接する仕事をしたいと考え始めたのがきっかけです。

33歳で3人目を生んだとき、周りには初産の友人も多くいました。そんな友人たちから聞くのは、頼りたい親も高齢であるとか夫婦二人のみで育児をしている、実家でも休まらないなど、サポート不足の問題。特に産後の心身は大切にしなきゃいけないときなのに、赤ちゃんと向き合うだけでなく、やることがたくさんですよね。
私の場合、妊娠中から年の離れた上の子たちがいたわってくれて、生まれてからもお世話してくれました。実母と同居しているので心身の負担も軽く、家事は家族に任せて赤ちゃんと向き合える、そんな恵まれた環境でした。
産後すぐから上の子のお世話や家事、親の介護(子育てとのダブルケア)もしなくちゃならないなど、産後なのにゆっくりできないママが多いことに疑問を感じて。私自身、産後をサポートしてくれる人がいるのは本当にありがたかったので、赤ちゃんとママのために自分でやれることをやってみようと思ったんです。そこではじめたのが産前産後の家事サポート事業でした。」

AMOMAスタッフ 東郷:

「今は夫婦二人の生活で、産む年齢も昔に比べて上がっています。すぐに頼れる人がいないという現実がありますよね」

AMOMAスタッフ 榊:

「2人目のこの子が生まれたとき、お世話になりました。ありがとうございました。来てくれるはずだった母が体調を崩して、急遽依頼したんですよね。本当に助かりました。
最初は、なんとか自分の力だけで育児も家事もできるかも、依頼するのは贅沢かな、などと思ったんですが、1人目のときにきつかったことを思い出し、無理をするのはやめてお願いしました。
サポート前に事前ヒアリングにいらっしゃるのですが、お会いして話を聞いてもらえるだけで、なんとかしてくれる人がいるんだという安心感がありましたね。気が張っている中、気持ちに寄り添ってくれて、本当に泣きそうになって。温かい言葉とサポートのおかげで、産後すぐの不安がなくなり、いい意味で力を抜いた育児がスタートできたのはとてもよかったと感謝しています」

かどたにさん:

「榊さんのように頼りにしていた母が来られなくなったから、自営の仕事も抱えているから、里帰り先で親に負担をかけたくないからサポートしてほしいなど、利用の理由は人それぞれ。おばあちゃん世代も、娘たちのために頑張ろうと気持ちはあるんです。けれど、ご自身も仕事をしている、年齢も重ねている、そんな中での娘たちのサポートはやはり大変です。
そしてママ自身も、みんな大変だから自分も頑張らなきゃと無理してしまうんです。客観的に見るととても大変な状況や環境にある方も、周りはちゃんと子育てや家事をしているからしっかりしなきゃと頑張りすぎて…」

AMOMAスタッフ 榊:

「話を聞いてくださって“大変ですね”と言われたとき、私の甘えじゃなかったんだとホッとしたんです。私、大変だったんだと自分が認めることができたのが、その後の育児に対する余裕につながったのかもしれませんね」

かどたにさん:

「産後はちゃんと体を休めて、ゆっくり赤ちゃんと向き合える時間があるのが理想。あとのことは周りがしてあげられる環境が整っていると良いですよね。ただ、依頼してこられるママが、こういったサービスを利用すると、子育てができていないんじゃないか、贅沢なんじゃないかと罪悪感を持たれることも。でも実際に利用すると、本当に楽になったし、我が子に対する声がけが変わったという声をいただきます。親・親戚や地域に頼りづらい現代で、周りに頼ることが当たり前にできるように、国全体でケアできる社会になればと思いますよね」

サポートは“余力があるときに”のスタンス

AMOMAスタッフ 東郷:

「利用される方々が『てのひらのゆりかご』のことを知るきっかけって何でしょう?」

かどたにさん:

「始めた当初は口コミからがほとんどでしたね。今はホームページも作っているので、ネット検索からたどり着く方も。
現在※、月に約50〜60件の依頼があり、『てのひらのゆりかご』の産前産後ケアサポーター(以下サポーター)数は7名で運営しています。
ただ、サポーターの方々には、行けるときにしか行かないでくださいねと伝えています。“余力があるときに”というスタンスです。ゆとりがないままママのところに行ってしまうと、不安感が伝わってしまい、安心できなくなってしまいます。大切なお金をいただいて、ゆっくり休んでいただくのが私たちの仕事ですから。
満足いただけると周りに話してくださったりして、友人からの紹介で私たちのことを知ってくれる方も多いです。実際、ママたちにも口コミしてくれたら嬉しいと素直に伝えています。というのも、このサービスを知る・利用することで楽になるママが増える、未来のママたちのためにもなると考えるからです。短時間の利用でも、赤ちゃんへの声がけがやさしくできるようになったと喜ばれると、私たちもうれしい。このサービス事業を潰すことなく、これから先もママを助けたいんです」

AMOMAスタッフ 東郷:

「産前産後は心身が不安定になるので、この時期に寄り添ってくれるのは、本当に有難いこと。サービスは産前産後に限りますか?」

かどたにさん:

「産前産後ケアを重点に置いていますが、限定していないので利用いただけます。赤ちゃんと接していたいからと始めたサービスですが、実際にやっていて痛感するのは、ママの支援の大切さです。困る状況は産前産後に限らず、これから先の育児の途中にも周りの環境が変わったり、体調の変化があったりさまざま。大変かどうかを判断するのはママ本人です。日々の暮らしが滞ってツライと感じるのであれば、その状況を少しでもサポートしたいと思っています」

AMOMAスタッフ 東郷:

「産院で1ヶ月検診が終わったら次は小児科へと、頼る先が変わっていくのは不安ですよね。公的な支援も以前より増えていますが、まだまだ十分でないように思います。育児は手探りですよね。少しでいいから誰かの力を借りたいと願うママにとって、『てのひらのゆりかご』のようなサポートは欠かせないと思うんです」

かどたにさん:

「はい、どんなママでも、いつでも、辛い時は私たちを頼ってくださいね、という気持ちでいます。」

“あなたのことを気にかけていますよ”と言葉に

AMOMAスタッフ 東郷:

「ご自宅に訪問される時はお互いほぼ初対面ですよね。緊張をほぐすための工夫や、サポートで心がけていることはありますか?」

かどたにさん:

「ママに寄り添うためには、過度に近すぎず、笑顔で挨拶を心がけています。周囲は赤ちゃんをかわいがってくれますが、頑張っているママ自身をいたわってくれる人は少ないんですよね。だから、“あなたのことを気にかけてますよ”と、ちゃんと言葉にするようにしています。
それから、 “否定しない”“肯定しない”“アドバイスしない”という『サポーターマインド』で接すること。つまり、サポーターがジャッジをしないということです。赤ちゃんは日々成長していて、昨日できなかったことが今日できたとか、その逆もあります。これじゃないとダメという子育てはなく、これが難しかったら他の選択肢をやってみる、探すということの繰り返しですよね。その思考回路をママ自身が身につけるためにも、私たちが否定や肯定をしないようにしています。
“目の前のママは子育てをしっかりやりきる力を持っている方”と、私たちはとても信頼しているんです。自身の経験談を話すことはありますが、アドバイスをする立場にありません。赤ちゃんのことや家のことを決定するのは、ママとその家族なんです」

AMOMAスタッフ 東郷:

「なるほど! AMOMAの母乳育児相談室と似ているかもしれません。私たちも育児雑誌やネットの情報を見た相談者の方から、何がいいの?と尋ねられることもあります。でもいろいろな選択肢の中から、実際に聞いて、見て、探して、自分に合う方法を見つけるのはやっぱりママ自身なんですよね。安心していただきつつママ自身の判断を促すため、社内でもミーティングを重ねています」

かどたにさん:

「妊娠や出産は命がけですよね。子育ても100人100通りのやり方があって、正解はない。経産婦でも生まれたばかりの目の前の赤ちゃんを育てるのは初めて。上の子の時は母乳が出たのに出にくい、上の子は寝つきが良かったのにこの子はよく泣く、など一人一人向き合い方が違って当然なんです。私自身も、“三人目だから大丈夫でしょ?”と言われましたが、11年ぶりの出産だし、この子に会うの初めてだし!という感じでした(笑)」

AMOMAスタッフ東郷:

「そう、私も長女が10歳になる今でも、日々あれこれ迷いながら子育てしています。正解はないんですよね」

かどたにさん:

「ママは本当に頑張っています。状況や環境は一人一人異なるし、そもそも周りと比べることでもない。産後はゆっくり過ごせるのが理想ですが、そうできない状況のママが多いのも事実。でも、痛いとかキツいとか感情をスルーせず、自分の気持ちに正直であってほしいと思います。スルーが積み重なると、望む環境と現状とのギャップが生まれ、辛さが続くとうつ状態を引き起こしやすくなるそうです。感情にフタをして乗り越えようとせず、パパにその感情を伝えて休みを取ってもらう、ファミサポの予約をしておくなど、別の解決法があることを知っていてほしいんです」

AMOMAスタッフ東郷:

「赤ちゃん中心の生活だから我慢は当たり前と自分の感情を閉じ込めてしまいがちですが、我慢ではなく解決の仕方が選べる世の中であってほしいと思います。
例えば、母乳育児にナイーブになり、食事は手作りの和食中心でなきゃと思ってしまう。でも乳腺炎などの母乳トラブルは、ストレスや環境も影響していると言われていて。毎回手作り、毎回和食でなくても、たまには冷凍食品やレトルトを頼ったっていいと思うんです」

かどたにさん:

「母乳が出やすい食事を摂るだけでなく、母乳が出やすい環境づくりが大切ですよね。母乳は赤ちゃんにとって命をつなぐものだからこそ、母乳が出ないとママは辛く感じてしまう。でもそれはママだけの責任ではないと思うんです。
育児のパートナーであるパパも、パパが育児参加する環境をつくるという点でパパの会社も、社会全体が子育てをサポートするのが当たり前になるように。
役割を果たしたいと頑張るママたちをサポートするためにも、社会を巻き込んで育児ができる世の中になってほしいですね」

AMOMAスタッフ 東郷:

「長い時間、貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました!」

私のオフショット

  • AMOMAのハーブティー

    AMOMAのハーブティー

    撮影中に飲んでいただいたのは「産後バランスブレンド」。出産後や生理の再開時など、ホルモンバランスが崩れやすくなるときにおすすめです。

  • ゴロゴロ?

    ゴロゴロ?

    料理が美味しいと評判のかどたにさんですが、ご自宅でも家事は万能かと思うと、実はそうでもないようです(笑)。「家ではゴロゴロしていますよ。料理も作るより食べる方が好き笑。産後のママを助けたいという思いがお仕事スイッチを入れるんでしょうね」

お話を終えて

ママの笑顔のためにママの笑顔のために

ママの笑顔のために

「赤ちゃんってかわいい!」と思えたご自身の経験から、「赤ちゃんを育てるママの力になりたい!」と事業をはじめたかどたにさん。今までたくさんの色々なママに接してきて感じているご自身の想いやお仕事の中でママにかける言葉など、ママのための商品とサービスを提供している私たちと相通ずるものが多くあり、お話ししている間、「そうですよね~」がたくさん出た楽しい時間を過ごすことが出来ました。
ママの笑顔のために頑張っているかどたにさんの笑顔はとびっきり素敵で、私たちも同じように素敵な笑顔でママたちに接したいなと改めて思いました。

※2020年1月現在

東郷麻妃子

AMOMA STAFF東郷麻妃子

10歳・7歳・3歳(取材当時)の3姉妹の母であり、AMOMAの代表も務める。
母乳不足や乳腺炎で悩んだ経験を持ち、AMOMAを通して、授乳期ママが笑顔で授乳期を過ごすことができる様にするには?と日々奮闘中。

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