取材させていただいた
浅沼美貴さん
伊純くん(1歳3ヶ月)
■「止まっちゃった?」突然の母乳ストップ
AMOMAスタッフ安:
浅沼さんはお二人の出産を経験されていますよね。初めて出産されたとき、授乳はスムーズにいきましたか?
浅沼さん:
私、産前からプレママ向けの雑誌などで育児情報をチェックしていたんですけど、授乳は何とかなるって軽く考えていたんです。でも、いざ出産してみると想像以上に大変でした。助産師さんからの授乳指導でマッサージを受けた翌日、朝起きたらおっぱいがもうガチガチに張って変形!「何、これ…」って驚きました。痛くって、うまくあげられないし、息子もうまく飲めなかったんです。
AMOMAスタッフ安:
産後の体の変化って急にくるので最初は戸惑いますよね。どう乗り切ったんでしょう…?
浅沼さん:
抱っこの仕方も分からなくて、もう見よう見まねで何とかやってました。不思議なのが、助産師さんと一緒にやるとできるのに、一人だとなぜかできないんですよね(笑)。病院にあった搾乳機を使うとすっきりするので、何も考えずたくさん搾乳して、搾乳したおっぱいを哺乳瓶で飲ませて、安心していたんです。搾乳分をまず先に飲ませて、おっぱいを咥えさせるのは後回し。退院して実家に移ったあとも、搾乳に頼っていたらどんどん母乳の分泌が少なくなっていきました。息子も哺乳瓶に慣れたのか、おっぱいを咥えさせようとすると、のけぞって嫌がるようになっちゃって…。ショックでしたね。そのうちに完全に母乳がストップしてしまったんです。
■「私、ダメだな」って自分を追い詰めたことも
AMOMAスタッフ安:
完全にストップ!それは驚かれたことと思います。ご実家には、たまたま同時期に二人目のお子さんを出産されたお姉さんがいらっしゃったとか。
浅沼さん:
姉は二人目だったので余裕で。授乳も順調だったのでプレッシャーに感じてしまいました。何気ない会話の中で「おっぱい出るならあげなきゃ」「ミルク面倒くさいでしょう?」なんて言われるたび、心が不安定だったので落ち込んでしまいました。周りの人が、悪気なく「おっぱいなの?ミルクなの?」って聞いてくることさえ、辛く感じて…。そうそう、落ち込んでいた時期に、道端にいた親猫が授乳をしているところを見たんですよ。そして周りを見まわして「私、だめだな」って自分を追い詰めたこともありましたね。
AMOMAスタッフ安:
悩んでいる最中に、周りからの声に敏感になったり比較してしまう気持ち、わかります。いろんなママから、「母乳じゃないとだめ、と思い込んで苦しかった」という話をよく耳にします。
浅沼さん:
そうですよね。その時期に完全ミルクにするか迷って、ネットで検索したんです。母乳の良い効果について書かれた記事や、真偽のわからない情報を目にするたびに気持ちが揺らぎました。でも、いろんなことを考えたうえで「母乳を諦めない」という選択をしました。
ミルクを哺乳訓練用の飲み口がついた哺乳瓶で飲ませたり、おっぱいを咥えさせてみたりを繰り返していて、そんな時に、姉から“ミルクアップブレンド”を譲ってもらったんです。母乳は一旦ストップしてしまったけど、まだ産後1ヶ月しか経ってない―「これさえ飲んでいれば、まだ諦めなくて大丈夫」と信じて飲んでみることにしました。その甲斐あって分泌が少しずつ再開し、息子もだんだん飲んでくれるようになって、3ヶ月で完全母乳に移行できたんです。
■断乳を決意した、ツラい乳腺炎。
AMOMAスタッフ安:
母乳が復活でき、本当に良かったですね。その後の経過は順調だったのですか?
浅沼さん:
授乳は順調だったんですが1歳を過ぎてすぐ、乳腺炎を経験しました。ごはんの量も増え、時間の間隔があくようになってきたある日、授乳後に「飲み残しがあるかも…」と感じて。また次の授乳で飲ませればいいかなって軽く考えていたんですが、疲れていたのでそのまま寝てしまったんです。夜中に、温かくして寝たのに全身に悪寒がし、冷や汗は出るし震えが止まらない。おっぱいがカチカチに固くなっていて発熱もあったので夜中の3時に病院に駆け込みました。とりあえず点滴を打ち、体調は落ち着きましたが、おっぱいがとにかく痛くて、すぐ母乳外来を予約してマッサージをしてもらい、救われました。
AMOMAスタッフ安:
その出来事のあと、しばらくして断乳に成功。一人目のお子さんの授乳期を終えた浅沼さんですが、お二人目の産後はどうでしたか?
浅沼さん:
最初からおっぱいについての知識があったので、万全の体制で臨みました。一人目のときに比べると断然、気持ちの余裕がありましたね。「どんとこい!」って感じで(笑) 。上の子とは5歳離れているので、産後の育児に集中することができています。
■二人目は知っているからこそ、リラックスして
AMOMAスタッフ安:
よかったです。一度ご経験されていると、自分の産後の傾向が分かりますよね。
浅沼さん:
そうですね。一人目のときは何もわからないから不安で大変でしたけど、二人目のときは自分の身体を理解したうえで知識もあったので「最初から完全母乳で」と決めリラックスできました。1ヶ月検診の日を迎えるまでは、本当に母乳だけで足りるか不安だったので、赤ちゃんの様子を見ながら、日中はいくらでもおっぱいをあげて、夜は少しミルクを足すようにしていました。
先生から「母乳だけで大丈夫」と言われ、ほっとひと安心しましたね。退院してすぐはミルクアップブレンドで、母乳の量が安定してからは、詰まりやすい体質なのでミルクスルーブレンドを飲んでいました。そして8ヶ月になったころ、だんだん間隔があくようになったのでミルクスルーブレンドとマッサージで乳腺炎の対策をし、一度も炎症になることもなく、そのまま断乳を迎えることができました。
■適当に手を抜いてって言われるけど、なかなか難しい
AMOMAスタッフ安:
特に初めての出産では、浅沼さんのご経験と同じように不安を抱えたママがたくさんいます。人によってケースが違い、正解がないからこそ、むずかしいんですよね。
浅沼さん:
初めての出産って“適当に手を抜く”って出来ないですよね。私も最初は、全てのことが気になって仕方なかったです。当時の育児日記を見ると「いつからうんちが出てない」とか「皮膚のこの状態って?」「体重が増えない、何が悪いのかな?」とか書いてあって…何もかも疑問だらけだったなって。いろんな情報に触れて「これは大事、これはきっと違うな」って分けて、自分なりのマニュアルをつくっていった感じです。情報の取捨選択ってむずかしいですが、試行錯誤しながら自分なりの答えを見つけていくうちに、息子はどんどん成長していき、不安も少しずつ小さくなっていきました。
■「このセットがあれば、安心」って妹にすすめました
AMOMAスタッフ安:
今、二人のお子さんの授乳期を振り返ってのお話を聞いて、産後には心の準備(いろんなケースを想定しておくこと)ってとても大切だなと思いました。
浅沼さん:
そうですね。私は軽く考えていたけど、産まれたら当たり前に母乳が出て、当たり前に飲めるわけじゃない。だってお互い初めて、なんですもんね。
実は先日、妹が初めて出産したんですよ。「きっと同じように不安な気持ちを抱えてしまうかもしれない」そう考えて、私が2人の授乳期を通して大活躍したものを詰め込んだギフトを贈ったんです。ベビーワセリン、哺乳トレーニング用の哺乳瓶、それと、AMOMAのハーブティーセットも。
「最初が肝心。このセットさえあれば、あとは頑張るだけだよ」ってエールを込めて。
■一日の授乳スケジュール
私と子どものお気に入り
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授乳クッション
上の子の産後すぐ必要性に気付いて慌ててネットで注文しました。
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おもちゃ
長男の出産祝いで主人の会社の同僚にもらってずっと使っています。下の子はお兄ちゃんが遊ぶのを見て楽しんでいるようです。
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ミルクセーブブレンド
日中飲むお茶の代わりにずっとミルクセーブブレンドを飲み続けていました。
お話を終えて
出産祝いに贈ってくださってると聞いて嬉しかったです!
「自分なりにマニュアルを作っていきました」そうお話してくださった浅沼さん。その中にAMOMAを入れていただいて、そして妹さんに贈っていただいているなんて本当にありがたい‼と感動してしまいました。私も出産前に浅沼さんのようなお姉さんがいたら本当に心強かっただろうな…とうらやましく思うと共に、AMOMAがそういう浅沼さんのような困っている方の相談相手になれることを願っています。実はAMOMAでは去年の夏から“母乳なんでも相談室”を開設。もちろん相談は無料!です。授乳経験のあるママが相談にのっていますので、ぜひお話ししたくなったらご利用くださいね。
AMOMA STAFF安 真梨子
AMOMAにはホームページのリニューアルから参加。今後はリニューアル前にはお伝えできなかったAMOMAの隠れた魅力を皆さんに伝えていきます! また家では3歳の子供のママです。ちょっとお口が達者な娘に振り回され、時におままごとの相手をさせられたりとバタバタと過ごしていますが、とても充実した日々を送っています。
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