赤ちゃん連れの避難生活、食事編~ミルクや離乳食がないとき~
2020.07.09
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
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避難生活における大きな不安要素の一つが「赤ちゃんの食事」だと思います。
そこで、今回は、大切な赤ちゃんの命を守るために重要な「避難生活における赤ちゃんの食事」について、様々な状況に合わせて取り上げたいと思います。
母乳を与える場合
母乳育児を行っているママの場合は、ストレスで母乳の出が悪くなることがありますが、これは一過性のものです。できるだけ、リラックスした状態で、母乳を与えるようにしましょう。
母乳が出ない場合でも、赤ちゃんに吸われる刺激で母乳が作られるため、できるだけ母乳回数を減らさないようにしましょう。
しかし、避難生活でお母さんも疲れやストレスがたまりますので無理は禁物です。赤ちゃんの尿の回数が1日に5~6回以上あれば、母乳は足りていますので安心してくださいね。
ミルクを与える場合
液体ミルクを与える
日本でも2019年春に液体ミルクが製造・販売されるようになりました。
液体ミルクは、紙パックと缶の2種類のタイプがあります。
調乳の必要がなく、殺菌した哺乳瓶に移し替えるだけで常温で赤ちゃんに飲ませることができるので、災害時に役立ちます。
哺乳瓶がない場合
災害時には、哺乳瓶がないことが多いと思いますが、実は、赤ちゃんでも紙コップで飲むことができます。以下のようなやり方で、飲ませてあげましょう。
1.ミルクを紙コップの半分以上入れる
2.赤ちゃんはちゃんと目が覚めているときに、たて抱っこをする
3.紙コップを赤ちゃんの下唇にあてて、少量ずつ飲ませる
赤ちゃんのペースに合わせて、ゆっくり時間をかけて飲ませるようにしましょう。
ミルクがない場合
災害時の赤ちゃんの栄養補給において大切なことは、水分補給と低血糖を防ぐことです。そのため、どうしてもミルクが手に入らない場合は、手元にある糖分と水分がとれるものを飲ませましょう。
・砂糖水:100㏄の白湯にスティックシュガー1本または小さじ1杯分の砂糖を溶かす
・重湯 :ご飯を炊くときに、湯呑みに水を入れて一緒に炊く
砂糖水や重湯を作ることができない場合は、果汁や果物ジュース、薄めたスポーツドリンクなどが身近にあれば、それらで水分と糖分を補うようにしましょう。
離乳食を与える場合
離乳食がない場合
離乳食がないときには、基本的に大人と同じものに工夫を加えて食べさせて大丈夫です。お湯を入れて味を薄くしたり、潰したりすることで食べやすくしましょう。
缶詰は加熱殺菌されていて安全なため、月齢に合わせて与えるようにします。しかし、以下のような菌がある可能性があったり、歯に影響を与える食べ物は、食べさせないように注意が必要です。
・脂っぽいもの
・魚介類
・ネギ
・はちみつ
・黒糖
できれば、ご飯を中心とした柔らかい食べ物を食べさせるようにしましょう。
食器が洗えない、足りないとき
東京都が作成した「東京防災」より、食器の作り方をご紹介します。
災害時は、水不足になることが多いため、食器を洗うことが難しくなります。しかし、赤ちゃんが直接口にするものであるため、できるだけ清潔に保ちたいものです。
そんな時に役に立つのが「ラップ」です。紙皿などの上に敷いて使えば、洗う必要もなく、汚れたらすぐ捨てられて衛生的です。
ラップを敷けば同じ食器や紙皿を何度も使えるので、食器が足りなくなるのを防ぐこともできます。また、以下のような方法で、身の回りのもので食器を作るという方法もあります。
「東京防災」という防災ブックには、他にも役に立つ情報が載っていますので、ご覧ください。
避難生活は、ママにとっても赤ちゃんにとっても、不安なものだと思います。
しかし、ママがそばにいてくれることが赤ちゃんにとって、一番の安心を与えます。その場でできる食事とママの愛情で赤ちゃんを守ってあげてください。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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