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【助産師監修】妊活の悩み。友達の妊娠を喜べない…

2018.12.05

ことまま

Mama writer

2017年1月生まれの女の子を育てている新米母です。夫は単身赴任なため、フルタイムで働きながら、ワンオペ育児に奮闘しています。育児疲れは仕事で癒し、仕事の疲れは娘の笑顔で癒しながら、毎日を乗り切っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

赤ちゃんに会える日をイメージしながら、日々妊活を頑張っている方がたくさんいます。思うような結果が出なくて落ち込み、涙する日もあるかと思います。

自分たちの妊娠についてはもちろん、同時に周囲の妊娠・出産に必要以上に敏感になってしまう、という悩みを持つ方はとても多いようです。

妊活中のカップルにとって、周りの妊娠・出産はナーバスになってしまう話題のひとつです。

おめでたいことなのに、なんだかもやもやしてしまう…。友達なのに、素直に喜んであげられない…。そんな声をよく耳にします。

この記事では、そんなときはどんな風に対処していけばいいのかを一緒に考えていけたらと思います。

友達の妊娠で悲しんだり複雑な気持ちに


筆者も、期間は比較的短かったものの意識的な妊活を経て、子どもを授かりました。

妊活中は生理が来るたびに落ち込んでいましたし、友達から妊娠報告を受けると、祝福する気持ちの反面「どうしてうちはスムーズにできないんだろう」と落ち込んでしまうこともありました。

「落ち込んでいる矢先にSNSで友達の妊娠報告を見てしまい、喜んであげたいのにドス黒い気持ちになってしまった」

「何も知らずに参加した女子会で、お腹の大きな友人を見て途中で帰りたくなってしまった」

このような悩みを打ち明けられたこともあります。

妊活中に周囲から妊娠報告を受けると、悲しい、悔しい、憎い、落ち込むなど複雑な気持ちになる方が多いようです。

中には「友達なのに心から喜べないなんて、自分は最低だ」と、自分を強く責めてしまう方もいます。

自分はなんて冷たい人間なんだろう、と自分の感情にショックを受け、自己嫌悪に陥ってしまうケースも多いようです。

どうして複雑な気持ちになるの?


今まで、人を羨んだり嫉妬するなどあまり経験がなかったのに、妊娠に関してはどうしても嫉妬してしまう、という声をよく聞きます。

それはなぜなのでしょうか。

結婚前は、「結婚したらそのうち当たり前に妊娠するだろう」、という考えを持っていた方も多いのではないでしょうか。

それが現実では、思い描いていた結果につながらず「みんな当たり前にできることが自分にはできない」「自分は女性としてダメなんだ」という気持ちにさいなまれてしまうようです。

また、妊娠は努力だけではどうしようもないものです。

これまで、部活や試験・就職など、自分の努力次第で乗り越えてこられたものが、妊娠といういくら努力しても実らない状況に直面し、それが行き場のないイライラや嫉妬につながってしまいます。

そして、本当は友達を祝福してあげたい・思いやりを持っていたいと思うのに、そうできない自分を情けなく思ってしまうのです。

妊活中の複雑な気持ち、悲しさへの対処法


そんな時、このように対処してみてはいかがでしょうか。

当たり前のことなんだ、と自分を認めてあげる

「毎日必死に頑張っているんだから、いくら友達であっても、妊娠を妬んでしまうのは当たり前の感情」。そんな風に自分を認めてあげることで、かえって楽になったと感じる方がいます。

心に余裕がないときは誰にだってあります。「今は自分のことだけで精一杯だから、全力で喜べないのも仕方がない」と割り切ってしまいましょう。

自分が妊娠できたら、と想像する

誰しも人を傷つけようと思って妊娠報告はしませんが、報告の仕方や伝え方で傷ついてしまう人がいることも事実です。

自分が妊娠できた時は、周りにデリケートな状況の人もいるかもしれないと想像し「SNSはやめて周囲の近しい人にだけ報告しよう」、「相手を傷つけないような振る舞いはどうすればいいだろう」

そんな風に考えることで少し気分をそらすことができたという方もいました。

相手の状況を想像する

突然妊娠の報告を受けると、「簡単に妊娠できて羨ましいな」という感想を持ってしまうかもしれません。

しかし友達も、妊活を経てやっとの思いで妊娠できたのかもしれません。自分と同じように、これまでつらい思いを重ねてきていたのかもしれません。

そう想像してみると「妊娠できて良かったね!」、という祝福の気持ちが自然と湧いてくることもあるでしょう。

SNSは見ない・距離を置く

SNSで心の準備ができないままに突然知り、深く傷ついてしまうこともあるようです。

SNSをシャットダウンすると、普段実生活で会わない人からの「不意打ちのお知らせ」は避けることができます。不便なこともありますがどうしても辛いときは試してみてもいいかもしれませんね。

また、妊娠報告や赤ちゃんの話を聞くのがつらいと感じる時期は、思い切って友達と少し距離を置いてみましょう。

妊娠報告を受ける可能性のある友達、妊娠・出産した友達との集まりはしばらく断ったり、連絡も最低限に控えるのもいいでしょう。

時間が経つと、自分の気持ちや考え方が変化しまたいつも通りに接することができる、ということも意外とあるのです。

相手に妊活中であると伝える

正直に「妊活中」と申告した、という方もいました。友達であれば、この一言でこちらの気持ちを察してくれるかと思います。

勇気がいりますが、これを伝えることでそれ以降こまめな経過報告が届かなくなって良かった、という体験談もありました。

つらい気持ちを吐き出してみる

「今は、祝福してあげられなくても仕方ないんだ」「こんな気持ちになるのは当たり前なんだ」と、自分を責めないで、ありのままの自分を受け入れましょう。

相手を傷つけなければ、心の中でどう思うかは自由だと、筆者は個人的に思います。

ただし、妊娠した友達のことを周りを巻き込んで愚痴を漏らしたり、悪口を言うのはやめたほうがいいでしょう。今だけの不安定な気持ちで、大切な友情が壊れてしまうかもしれません。

つらい気持ちを吐き出したいときは、パートナーや家族、友達と関係のない相手だけに留めておくようにしましょう。

自分の素直な気持ちをノートに書き出してみるのもおすすめです。何にイライラし、どういうときに悲しくなるのか。どういう状況を希望しているのか。

文字にしてみると、もやもやした自分の気持の原因が明確になり、スッキリしますよ。

妊活中の複雑な気持ち、悲しさにも意味がある

いかがでしたか。正解がないだけに、特効薬もないのがこの問題の難しいところかもしれません。

今、友人の妊娠を喜ぶことができなくても、それはあなたのとても「人間らしい部分」なのだと思います。

自分にとって、一番しっくりくる気持ちの落としどころを見つけ、ストレスのない生活を送っていただけたらいいなと思います。

嫉妬やイライラ、悲しみの経験も、自分たちが親になるときの糧になることでしょう。

悲しい思いをした分、自分たちが授かったときにはきっと、いろいろな気持ちに寄り添える素敵なママ・パパになられることと思います。

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