【助産師監修】卵子や卵巣にも年齢がある?妊活への影響は?
2019.01.09
Keiko Sakai
Mama writer
2016年7月生まれの男の子のママです。息子の笑顔がパワーの源!!色んな日があるけれど『毎日笑顔で』をモットーに、大好きなヨガを楽しみながら日々の育児も楽しんでいます。息子の成長を見守りながら、私自身も日々成長していきたいと思います♪
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊活をするうえで「卵子」と「卵巣」について知っておくことはとても重要です。知っているつもりでも詳しくは知らないという女性も多いかもしれませんね。
例えば、卵子と卵巣にも年齢があるということをご存知ですか?そして卵子や卵巣の寿命や老化が妊活にどのような影響を与えてしまうのでしょうか?
妊活中、もしくはこれから妊活を始めようとしているみなさん、まずはしっかりと「卵子」と「卵巣」についての知識を深めておきましょう。
「卵子」 の年齢とは?
卵子の年齢は自分と同じ年齢
卵子は産まれた時からすでに女性の体内に存在しています。女性が年齢を重ねるとともに卵子も年をとり老化してしまいます。
卵子の年齢は自分と同じ年齢であると覚えておきましょう。卵子の老化は妊娠にとても大きな影響を及ぼす原因の一つとなります。
卵子の数は決まっている
女性は胎児の頃から卵子の元である原始細胞を約700万個持っていて、産まれてくる頃には約200万個あるといわれています。
女性の卵子は男性の精子のように何度も新しく作られるということはありません。産まれた時点でその女性の一生分の卵子の数はすでに決まっています。
50歳前後の女性に「閉経」があるのも卵子の数には限りがあるからなのです。
卵子は日々減っている
卵子は「排卵したら消える」と思っている方もいるのではないでしょうか。実際は、卵子は日々自然消滅しています。
産まれてくる頃にあった約200万個の原始細胞も、思春期に入り成人する頃には約20~30万個に減少してしまいます。
毎月約1000個の原始細胞が自然消滅していくので、1日約30~40個ずつが消えていることになります。
排卵で消費するのは毎月1個の卵子です。排卵する卵子の数は、女性の一生のうちで約400~500個しかありません。
排卵した卵子の寿命
排卵時に成熟した卵子が選ばれ放出されますが、その寿命はとても短く、その間に精子と出会わなければなりません。
排卵した卵子の寿命は約24時間程度といわれています。しかし、その短い時間の中でさらに受精可能な時間は約6時間程度とごく限られた時間しかありません。
妊娠するということが実はすごい確率であると感じさせられますね。
「卵巣」 の年齢とは?
卵巣年齢で分かる「残りの卵子の数」
自分の年齢=卵子の年齢であることは先ほどお伝えしましたが、卵巣にも年齢があり現在は「卵巣年齢検査」というものがあります。AMH(アンチミューラリアンホルモン検査)とよばれるものです。
卵巣年齢検査といっても、実際の年齢が分かるわけではなく、検査をすることで「残りの卵子の数」を知ることができるというものです。
最近は妊活をする人が増えて、この検査を行う女性も多くなってきているといわれています。
卵巣年齢が若ければ妊娠しやすいわけではない
年齢が若く卵子の残りの数もまだあるからといって妊娠しやすいかといえばそうではありません。卵子の数ももちろん大切ですが、妊娠には「卵子の質」がとても重要となります。
毎月1個ずつちゃんと卵巣から卵子が放出されていることはもちろん、その卵子が健康で質の良い卵子でなければ、たとえ精子と出会えても妊娠には至りません。年齢よりも質がポイントになります。
「妊活」への影響は?
卵子と卵巣の年齢・寿命やそれぞれの特徴が分かったところで、これらが「妊活」にどのような影響をもたらすのでしょうか?
卵子の老化
女性が高齢になると妊娠しにくくなる大きな原因の一つが「卵子の老化」であるといわれています。
卵子は新しく生まれ変わることはなく年をとる一方のため、自身の加齢と比例しどんどん老化していくのです。
卵子が老化することで次のような問題が起き、妊活に大きな影響を与えてしまいます。
・卵子自体が未成熟
・正常な排卵ができなくなる
・受精する生殖能力がなくなる
・受精卵が成長できない
・流産しやすくなる
卵巣機能の低下
女性の体はホルモンの影響をとても受けやすいとされています。
「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンは特に重要なもので、これらのホルモンは卵巣で作られます。
卵巣機能が低下してしまうと、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れてしまいます。
その乱れが「卵巣機能不全」を引き起こし、排卵障害や月経周期の乱れなどの原因となり妊活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
卵巣機能不全は精神的なストレスが大きく影響しており、若い女性に多く見受けられるといわれています。
ストレスを抱えることで卵巣機能が低下し、その結果妊娠しにくい体になってしまう恐れがあります。
「妊娠」に向けて大切なこと
妊活に悪影響を及ぼす大きな原因として卵子と卵巣の状態が関係していることが分かりました。
では今妊活を頑張っている女性、またこれから妊活を頑張ろうとしている女性へ「妊娠」に向けて大切なことを3つご紹介します。
質の良い卵子を作る
卵子は老化して質が下がってしまうと、それから質が上がるということはありません。しかし、卵子の老化を止めるということは残念ながらできません。
質の良い卵子を作るというのは、すなわち少しでも卵子の老化を遅らせるということです。
卵子の老化を遅らせて質を保つためにまず必要なのは「保存環境」です。つまり「保存環境」=「健康な体」ということになります。
精神的ストレス、体の疲労、偏った栄養バランス・・・このような要素が健康な体をどんどん遠ざけてしまいます。
卵子も卵巣も年齢はもちろんポイントになりますが、まずは「卵子の質」をあげること考えて健康な体を目指しましょう。
排卵のタイミングを把握しておく
排卵した卵子の寿命は約24時間程度、そして精子の寿命は約72時間程度です。その中で卵子の受精時間は約6時間程度ですので、そのタイミングで卵子と精子が出会わなければなりません。
一般的には、排卵の1~2日前が妊娠しやすいといわれています。
基礎体温をつける、排卵検査薬を使うなどしてしっかりと排卵のタイミングを把握しておきましょう。
生活習慣の改善
生活習慣は卵巣にも大きく関わっています。ストレスやタバコ、体の冷え、不規則な生活は特に女性の体には大きな影響を及ぼします。
ホルモンに左右されやすい女性の体だからこそ、生活習慣の乱れはしっかりと整えておきましょう。
妊娠を考えるのであれば以下の点に注意しましょう。妊活中の人に限らず、女性の健康的な身体づくりに大切なことになります。
・タバコを吸わないようにする
・ストレスを溜めすぎない
・体を冷やさない
・栄養バランスを考えた食事を心がける
・適度な運動をする
・しっかりと休息、睡眠をとる
妊活には、卵子と卵巣の状態がとても大きく影響してきます。
卵子も卵巣も自分の体の一部であると思うと、同じく年齢を重ねていることも理解できますよね。
妊活を頑張るためにまず一番大切なのが「健康な体」であることです。妊娠に向けてしっかりとその土台を作ることからぜひ意識してみましょう。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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