【助産師監修】卵子に寿命はある?妊活への影響は?
2018.09.25
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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女性の体内でおよそひと月に一回排卵される卵子。妊活する上で知っておきたいことの一つに、卵子の寿命があります。ポイントをおさえて、妊娠への近道を目指しましょう!
卵子とは
卵子のもととなる原始卵胞
卵子とは女性の卵巣内で作られる生殖細胞で、新しい命のもとです。女性は卵巣に200万個の原始細胞をもって生まれてきます。原始細胞は卵子のもととなる細胞です。
原始細胞は自然に減少していき、思春期を迎え原始卵胞が活動を始めるころには20〜30万個ほどになります。その後も閉経を迎えるまで1日に30個から40個減少していくといわれています。
月経が始まると原始卵胞は活動しはじめる
月経が始まると、原始卵胞は活動を開始します。1周期ごとに10数個の原始卵胞が成長します。その中で一番良質に育った卵胞から卵子がはじけ放出されます。これが排卵です。
排卵された卵子は卵管へと進み、その中で精子を待ちます。ここで精子と卵子が出会い受精すると受精卵となり、子宮の内側にある子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。
卵子の寿命はどのくらい?
およそひと月に一個排卵される卵子。その寿命はとても短く、排卵後約24時間です。
また、実際に受精能力があるのは排卵後約6時間から8時間であるともいわれており、この時間内に精子と上手く受精できないと妊娠は成立しません。
一方で精子の寿命は長く、平均2〜3日、長くて1週間ほどといわれています。射精後5~6時間後から受精可能となり、受精能力は1日半ほど持続するようです。
卵子の寿命から考える妊活
前述したとおり、卵子の寿命は約24時間で、その中でも受精可能な時間は排卵後約6時間から8時間の間です。
そして精子は射精後5~6時間後から1日半ほど受精能力が持続することを踏まえると、排卵日の前日がもっとも妊娠しやすいタイミングであるといえます。
排卵日は基礎体温をつけたり、市販の排卵日チェッカーや超音波検査などによって推測することができますが、特定することは非常に難しいといわれています。
そのため、排卵日前日にしっかりタイミングを合わせるというよりも、排卵日前後になるべく多くのタイミングをとりましょう。
「タイミングを多くとったら排卵日にあたった」という感じを目指すことが妊娠への近道といえそうです。
卵子の寿命を短くしないためにできること
卵子には寿命があり、またその数は年々減少する一方です。その上、年齢とともに卵子の質が低下するため、受精能力が低下して妊娠しにくくなってしまうことが分かっています。
それは、もともと短命な卵子の寿命を更に縮めてしまうことを意味するといえるでしょう。また、卵子の質の低下の原因は加齢だけでなく、むしろ生活習慣による影響の方が大きいともいわれています。
卵子の寿命を短くしないために、生活習慣を見直してみましょう。
卵子の質の改善のためのポイント
食生活を見直す
脂質や塩分を摂り過ぎないように、バランスのとれた食生活を心がけて。和食中心の食生活がおすすめです。また、抗酸化作用の高い食べ物が、卵子の質を向上させるといわれています。
<積極的に摂りたい食べ物>
ナッツ類、かぼちゃ、アボカド、ほうれん草、サンマ、カツオ、玄米など
また活性酸素は、増えすぎると健康な細胞まで酸化させ、老化が促進したり健康に影響を与えるといわれています。活性酸素の発生を抑える働きがあるフラボノイドを多く含むハーブティーもお勧めです。
胃腸の調子を整え消化吸収をよくする
食生活を改善しても、消化吸収が良くないと栄養が体内に届かないということも。腹八分目を心がけ、よく噛んで食べることを意識しましょう。
また、消化吸収に大切な胃液の分泌は、感情に影響されるともいわれています。ストレスを溜めないようにすることも大切です。
血流を良くする
血流が悪いと卵胞の毛細血管が消え、卵子に栄養が行き届かず質が低下してしまいます。赤ちゃんのゆりかごとなるお腹や下半身は特に温めておきたいものです。
リラックスして入浴したり、冷たいものを飲み過ぎないようにしましょう。
また、体を温めてくれるジンジャーや、体のめぐりを良くするネトルなどがブレンドされた妊活専用ハーブティーもおすすめです。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、ホルモンバランスを整えること、そして正しい生理周期になり卵子の質を高めることに繋がります。
三食きちんと取り、適度な運動をして、質の良い睡眠をとる、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。
免疫力をアップさせる
体温が1℃上昇すると、免疫力が30%上昇するといわれています。逆も然り、免疫力アップは体温を上げることに繋がります。前述のとおり、冷えは妊活にとって大敵です。
免疫力をアップさせて卵子の質を高めましょう。子宮や卵巣は身体の奥底にありますので、夏場でも靴下や腹巻を使用したり、ゆっくり入浴する事で深部体温をあげましょう。
免疫力アップには、ビタミンDが重要な役割を果たします。妊娠力を高めるビタミンであることでも知られています。食べ物ではきのこ類や魚に含まれています。
また、ビタミンDは紫外線に当たることで活性化されるため、1日30分ほど日光を浴びると良いでしょう。紫外線対策をしすぎると、不足気味になってしまうのでご注意を。
卵子の寿命は短命であり、数にも限りがあります。妊活の際には卵子の寿命を考えてタイミングを合わせることが大切です。
また、寿命を少しでも短くしないよう、紹介した方法を参考に、卵子の質を高めることを心がけてみてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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