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【助産師監修】不妊治療ってどんなことをするの?治療の流れと費用について

2018.09.21

Fumiko shibuya

Mama writer

2015年5月生まれの男の子を育児中の三十路ママです。天然でのんびり屋の父ちゃんと、プクプク泣き虫マンの3人家族。食事もお買い物もゆっくりできないけれど、赤ちゃんに振り回される毎日も悪くないと思っています♪

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

なんとなく痛そう、お金がかかるというイメージが強い不妊治療ですが、実際はどのような治療が行われるのでしょうか。

不妊治療の具体的な流れや費用を事前にチェックして、「不妊かな?」と思ったらまず専門の医師に相談するところから始めてみましょう。

不妊とは?

1_不妊検査

日本産科婦人科学会によると、「不妊」とは妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態をいいます。

「不妊かもしれない」と思ったらまずは基礎体温を測り病院を受診しましょう。

婦人科や産婦人科でも診てもらえますが、高齢の場合や基礎疾患がある場合は不妊治療を専門とする病院や大学病院の方が、よりグレードの高い検査や処理が受けられます。

病院では不妊治療の前に、不妊の原因を特定するための不妊検査を受けることになります。

不妊の原因は?どんな検査をするの?

1_不妊検査_ホルモン検査

不妊の原因は女性側だけでなく、男性側の原因も十分考えられます。不妊治療は夫婦両輪で行うのが最近の考えです。病院ではまず不妊の原因を調べるため様々な不妊検査を行います。

初期に行うことの多い検査には、次のようなものがあります。

<女性側>

経膣超音波
プローブを膣内に挿入し子宮を内部から撮影します。子宮や卵巣に異常がないかどうかを確認し、卵胞の数や大きさも画像から確認することができます。

この検査では、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどが見つかる場合があります。小さなものであれば日帰りで手術することが可能です。

ホルモン検査
血液や尿を採取し、ホルモンバランスが正常であるかどうかを調べます。主に調べるホルモンは以下の6種類です。

エストロゲン(卵胞ホルモン)
プロゲステロン(黄体ホルモン)
FSH(卵胞刺激ホルモン)
LH(黄体形成ホルモン)
AMH(抗ミュラー管ホルモン)
プロラクチン

それぞれのホルモンが、排卵や受精卵の着床を助けたり基礎体温を上げるなど、妊娠しやすい環境をつくるという重要な役割を持っています。

子宮卵管造影検査
子宮口からカテーテルを入れ、子宮内に造影剤や空気を注入してレントゲン写真を撮る検査です。子宮の形態を確認し、卵管の通過性を調べます。

子宮の中で管を固定する時と、造影剤を卵管に流す時に痛みが伴う場合があります。この検査をすることにより、軽度の詰まりであれば卵管の通りがよくなることがあります。

<女性・男性共に>

クラミジア検査
クラミジア感染症による卵管炎は卵管の閉塞や癒着を引き起こします。検査結果が陽性であった場合は、パートナーである夫も検査をして一緒に治療していくことになります。

治療自体は抗生物質を数日飲むだけで済みます。

1_不妊検査_男性不妊

<男性側>

不妊症で悩む夫婦の50%程度は男性側に原因があるとされています。女性に比べると身体の負担が少ない検査で済むので、積極的に検査を受けてもらうようにしましょう。

精液検査
2~3日の禁欲期間の後、病院の採精室で精液を直接専用の容器に入れ採取します。すぐに運べる環境であれば自宅での採取も可能です。

この検査では、精液の量、濃度、精子の数、運動率、奇形率を測定します。検査結果から男性不妊が疑われる場合は、泌尿器科でさらに詳しい検査をすることになります。

検査により不妊の原因が見つかった場合は早急に治療を開始します。

特に原因が見つからないものの妊娠を急いでいない場合には、体質改善をしたり排卵検査薬を使いながら自然妊娠を目指すことになります。

年齢の問題等により妊娠を急ぐ場合には、そのまま不妊治療をスタートさせます。

初期の不妊治療の方法と費用

2_不妊治療_タイミング

初期の一般不妊治療(保険適用範囲)としては下記のような治療方法があります。

タイミング法 3,000〜8,000円

超音波検査やホルモン検査などで排卵日を正確に予測し、その前後に夫婦生活を持つことで妊娠を目指します。もっとも自然妊娠に近い形の治療方法です。

自分で基礎体温をつけてタイミングをとっている方でも、実は予測した排卵日がずれていて妊娠できない場合があります。

そういったケースでは、病院で正確な排卵日を知ることによりすぐに妊娠できる可能性が高いです。

排卵誘発剤(注射) 1,000〜3,500円

タイミング法と合わせて使われることが多く、一度に複数の卵子を排出させたり卵胞を成熟させることで妊娠の確率を上げる治療方法です。

ただし排卵誘発剤には副作用もあり、双子が生まれやすくなったり、子宮内膜が薄くなる場合もあります。医師とよく相談をして進めるようにしましょう。

高度な不妊治療の方法と費用

2_不妊治療_体外受精

高度生殖医療(自由診療)には下記のような治療方法があります。自由診療のため各医療機関によってかかる費用に大きな差があります。

人工授精 10,000~30,000円

採取した精液を排卵のタイミングに合わせて、医師が子宮内に注入する方法です。精液は洗浄・濃縮され元気の良い精子だけを選別して注入されます。

その後の受精と着床は自然妊娠と同じ流れになります。

体外受精 200,000~600,000円

体内での受精が難しい場合に行われる方法です。卵巣から卵子を採取し、培養液の中で受精させ2日ほど培養した胚を子宮内に移植します。

5~6日培養し胚盤胞という段階まで生育したものを移植する場合もあります。その後は着床しやすいように、注射や服用により
黄体ホルモンを補充します。

顕微授精 250,000〜500,000円

おおまかな流れは体外受精と同じですが受精の段階で方法が分かれます。

体外受精では精子の力で卵子の細胞内に入っていくのをサポートしますが、顕微授精では顕微鏡で見ながら卵子に針を刺し精子を細胞内に注入します。

いずれの方法も肺移植から2週間後に尿検査をして妊娠判定を行います。


子どもが欲しいと思いながらも妊娠に至らないカップルは、10組に1組ほどいるといわれていますが、他人には口外しにくい問題であることからその割合はもっと多いと考えられます。

女性が妊娠しやすい年齢は25歳前後とされていますが、30代後半になるとどんどん妊娠しにくくなります。

「不妊かもしれない」と思ったらまず基礎体温を測り、専門の医師に相談し、早急に体質改善や治療を進めることが妊娠への近道となります。

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浅井貴子
■資格・免許
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