
【助産師監修】妊娠中の乳がん検診。検査方法や費用について
2019.01.21

Keiko Sakai
Mama writer
2016年7月生まれの男の子のママです。息子の笑顔がパワーの源!!色んな日があるけれど『毎日笑顔で』をモットーに、大好きなヨガを楽しみながら日々の育児も楽しんでいます。息子の成長を見守りながら、私自身も日々成長していきたいと思います♪

浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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年々増加傾向にある「乳がん」。女性特有のがんの中で一番発症率が多いとされています。
妊娠中であっても乳がんになる可能性はあり、早期発見のためにも定期的に乳がん検診を受けておきたいものです。
今回は、妊娠中でも乳がん検診は受けられるのか?検査方法や費用は?通常の検査と違うのか?など、妊娠中の乳がん検診についてまとめてみました。
乳がんについて
女性特有のがんの中で、一番発症率が多いといわれている「乳がん」。乳がんは乳房の中にある乳腺にできるがんのことです。
30代から徐々に発症率が高くなり始めて、40~50代前半がピークであるとされています。しかし、最近では20代~30代の発症例も増え始めているみたいです。
女性が乳がんになる割合は、現在14人に1人の割合といわれています。50年前はこれが50人に1人の割合であったことから、近年の乳がん発症の増加傾向にとても不安を感じてしまいます。
女性であれば誰もがなりうる乳がん。妊娠中であっても乳がんになる可能性はあります。妊娠中に胸にしこりを感じ、診察してもらうと乳がんであると診断された方も実際にいらっしゃいます。
定期的に乳がん検診を受けることはとても大切ですし、普段から自分の胸の状態を確認しておき、何か少しでも異常や気になることがある場合は検査を受けるようにしましょう。
妊娠中に乳がん検診は受けられる?
妊娠中に乳がん検診は受けられるのでしょうか?とても気になりますよね。結論からいうと、妊娠中であっても乳がん検診は受けることができます。
しかし、妊娠中は通常の検診と少し違う点があり、いくつかの注意が必要です。注意点をまとめてみました。
超音波検査(エコー検査)が原則
超音波検査は、妊娠中にお腹の中にいる赤ちゃんを確認するために使用されているものと同じです。被ばくの心配がないので妊娠中でも安心して受けることができます。
マンモグラフィは避ける
妊娠中にX線を受けてしまうと、お腹のなかの赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。
妊娠初期の赤ちゃんが、奇形や異常などの悪影響を受けるとされるX線量は100ミリグレイ以上といわれています。
マンモグラフィ検査によるX線量は1~3ミリグレイほどであり、また範囲も乳房のみとされています。
お腹にいる赤ちゃんに直接的に悪影響を及ぼすほどではないものの、やはり妊娠中は被ばくの影響のない超音波検査が良いとされています。
妊娠中は乳がんの発見が遅れやすい
妊娠中は乳腺が発達しているため異常が見えにくく、乳がんの発見が遅れやすいといわれています。少しでも何か気になることがあれば早めに検査してみましょう。
検査方法や費用
超音波検査(エコー検査)の検査方法
超音波検査は人間の耳には聞こえない特別な音を用いて行う検査です。機械から超音波を発して乳房内部に音を当てて、音が反射した様子を映像化しています。
検査方法は、お腹の中の赤ちゃんの様子を見るときと同じように、ジェルを乳房に塗ってプローブとよばれる機械を当てて乳房内部を確認します。痛みもなく体への負担は特にありません。
超音波検査(エコー検査)の費用
超音波検査の費用は約4,000円程度といわれています。しかし、自治体やまた職場の保険などによって変わる場合もあります。
詳しい費用は自分が検査を受ける病院に問い合わせてみることをおすすめします。
検査を受けられる時期は?治療はできるの?
妊娠中に乳がん検診を受ける場合、受けられる時期はいつなのか?そして、もし乳がんだと診断された場合に、妊娠中に治療は受けられるのでしょうか?この疑問について簡潔にまとめてみました。
妊娠中に乳がん検診を受けられる時期は?
超音波検査であれば妊娠時期に関わらず受けることができます。
(※超音波検査以外の検査の場合は赤ちゃんに影響を与えてしまう可能性があります。特に妊娠初期は、赤ちゃんに奇形や異常を起こす可能性や流産の危険もあるといわれています。)
妊娠中に乳がんの治療はできるの?
乳がん治療は、妊娠中のどの時期でも赤ちゃんに影響を与えてしまうものと、妊娠初期のみ影響があるものがあります。
妊娠15週までは、赤ちゃんへの影響や流産の危険性があるため治療は行わないのが基本となります。妊娠初期で乳がんが発覚しても、妊娠中期まで治療は待つとされています。
妊娠16週以降の中期になれば、抗がん剤治療や手術を行うこともできるようになります。
抗がん剤も妊娠中期ではまだ使えないものもあるため、安全性のある抗がん剤を使用して治療を進めていきます。放射線治療やホルモン療法は、妊娠中は時期に関わらず行いません。
乳がんであると診断された場合は、担当医や家族と十分に相談していくことが必要となります。
女性にとって妊娠はとても特別なもの。しかし、その妊娠中であっても乳がんになってしまう可能性はあります。
お腹の中の赤ちゃんを第一に思うママにとって大切なことは、ママの体も同じくらい大事に思わなくてはいけないということ。母子共に健康で元気であることが大切です。
妊娠中でも、何か胸にしこりや異常を感じた場合は、早めに病院へ行き検査を受けてみましょう。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般

管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど

日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー

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