【助産師監修】妊娠中にマッサージはいい?赤ちゃんへの影響は?
2018.02.21
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
タグをみる
妊娠中は心も体もデリケートになりがち。体の不調や気分転換のためにマッサージを受けたいけれど、妊娠中にマッサージは大丈夫なの?と心配になる方もいるかと思います。
今回は、妊娠中にマッサージを受ける場合や自分で行なう場合の注意点についてご紹介します。
妊娠中にエステサロンでマッサージを受けても大丈夫?
マッサージを受ける場合は注意が必要
妊娠中のさまざまな体のトラブルや気分転換のために、エステサロン等でマッサージを受けたいと思う妊婦さんもいるかと思います。
妊娠中にマッサージを受ける場合は、注意が必要です。刺激する体の部位によっては、お腹の張りを引き起こすことがあるからです。
妊娠中にマッサージを受けたい場合は、妊婦さん専用のサービスを提供しているサロンを利用することがおすすめです。
マタニティマッサージの知識や経験が豊富なサロンを選び、気になることは全て問い合わせて納得した上で、施術を受けるようにしましょう。
体調が悪い時は控えましょう
妊娠中のマッサージは経過が順調な場合のみ受けることができます。切迫早産などで安静指示を受けている場合は受けられません。
その他体調に不安のある場合は、事前に医師にマッサージを受けても良いか許可をもらってからにしましょう。
アロマオイルを使用したマッサージの注意点
精油選びには注意が必要
アロマオイル(精油)に含まれている芳香成分にはさまざまな効能があり、心身におだやかに働きかけます。不安定になりがちな妊娠中にアロマはおすすめなのですが、使用には注意が必要です。
精油の中にはホルモンの分泌に働きかけて子宮の収縮を促進させてしまうものや、通経作用(月経を起こさせる働き)のあるもの、神経刺激のあるものなどがあるためです。
精油の成分は、取り込まれることで胎盤を通してお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性もあります。そのため、精油は慎重に選ばなければいけません。
また、使用濃度は通常より少なめに、0.5〜1%を目安にキャリアオイルで希釈します。
アロママッサージは事前に確認しましょう
アロママッサージを受ける際には、サロンや医師に妊娠中に使用しても問題がないかどうか事前に確認するようにしましょう。
自分でマッサージを行う場合も専門店で確認しましょう。妊娠線専用のマタニティオイルを使用すれば安心ですね。
妊娠中に使えるアロマ・使えないアロマ
以下のリストを参考に妊娠時期に応じて精油を選ぶようにしてくださいね。
<妊娠初期から使用できる精油>
オレンジスイート、グレープフルーツ、ティートリー、ネロリ、パルマローザ、ベルガモット、マンダリン、真正ラベンダー、レモン、ローズウッド
※以下の精油は芳香浴のみ使用可
イランイラン、ジャーマンカモミール、ペパーミント、ローマンカモミール
<妊娠6ヶ月以降から使用できる精油>
サイプレス、サンダルウッド、ゼラニウム、パチュリ、マジョラム、ローズ、ローズマリーカンファー
<妊娠中使用してはいけない精油>
アニス、クローブ、クラリセージ、シナモン、ジャスミン、セージ、タイム、バジル、フェンネル、ラベンダー・スーパー、レモングラス
<出産時期に使用できる精油>
クローブ、クラリセージ、ジャスミン、セージ、タイム、バジル、フェンネル、レモングラス
マッサージ機を使用する場合の注意点
妊娠中の使用について
マッサージ機は、家にいながら手軽にマッサージが行える便利なものですが、妊娠中の使用についてはどうなのでしょうか。
多くのマッサージ機は、妊婦さんは医師に相談の上で使用することをメーカーが推奨しています。中には、妊婦さんは使用しないでくださいと謳っているものもあります。
体調に合わせて使用しましょう
妊娠中のマッサージ機の影響は明らかにはなっていませんが、マッサージをする箇所によってはツボの刺激が子宮の収縮を促してしまうことが考えられます。
長時間の使用は避け、肩や背中などの上半身中心に使用し、お腹が張ったらすぐに使用を中止するようにしてください。
妊娠中の母乳マッサージの注意点
陥没乳頭や扁平乳頭などの乳首の形状によっては、赤ちゃんが母乳を吸いづらいことがあります。
スムーズに母乳育児をスタートするために、産前に乳頭マッサージをして少しでも吸いやすい乳首に整えておくことは大切です。
しかし、乳房を刺激することによって子宮収縮が促されることがありますので注意が必要です。乳頭マッサージは、妊娠28週ごろからスタートするようにしましょう。
また、マッサージ中にお腹が張ったり痛みを感じたらすぐに中止してください。体調が悪い時も控えましょう。
いかがでしたでしょうか。妊娠中のマイナートラブルの改善にはマッサージが有効ですが、一方で十分に注意して慎重になる必要があります。
マッサージを受ける場合もセルフケアの場合も、ご自身の体調にあわせて、お腹に負担のかからないよう気を付けましょう。
関連記事
■体の悩み
-
【医師監修】乳腺炎で発熱!病院に行くべき?症状・原因・対処法も詳しく解説2024.10.08
-
【助産師監修】白斑があっても、授乳して大丈夫? 取り方などを紹介2024.10.08
-
【助産師監修】生後1・2・3ヶ月ごとの授乳間隔・授乳回数の目安は?2024.09.17
カテゴリーランキング
AMOMAコラムについて
妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。
AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
その他のお問い合わせはこちらから
メールで問い合わせ