体の悩み

【助産師監修】妊婦さんが歯医者さんに行った方がいい理由!~主なトラブル・ケア方法など~

2018.05.01

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

妊娠すると、ママの身体やおなかの赤ちゃんのことにとても気を遣いますよね。意外に忘れがちなのが、お口の中のこと。歯や歯肉のトラブルも、妊娠すると起こりやすいので注意が必要です。

妊婦さんが歯医者さんに行った方がいい理由をさっそく見ていきましょう。

妊娠中に起こりやすい口内トラブルは?

虫歯

唾液には、自浄作用と抗菌作用、お口の中の健康を助ける大切な役割があります。妊娠するとホルモンバランスの影響で唾液の分泌が増減したりするため、細菌が繁殖しやすい状態になります。

その上つわりで歯みがきが不十分になってしまったり、食事のリズムが乱れたりすると、口の中の汚れが溜まりやすくなり、虫歯になるリスクが高くなります。

歯周病(妊娠性歯肉炎)

妊娠中は女性ホルモンが増加します。女性ホルモンが増加することにより、妊娠中は歯肉の炎症反応が増え、少しの汚れでも歯肉炎が起きやすくなります。

また、歯周病の原因菌を増加させることも分かっており、妊娠中は歯周病のリスクが非常に高いといえます。

親知らず

妊娠中は免疫力が落ち、歯肉の炎症が起こりやすく、親知らずの周囲のトラブルが起こりやすい時期です。妊娠前に親知らずが安定していた人でも、妊娠中に痛み出したという例もあるそうです。

親知らずがある妊婦さんは、注意が必要です。

口内トラブルが赤ちゃんに与える影響は?

ママの虫歯が赤ちゃんにうつってしまう!

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は無菌状態です。パパやママに虫歯があると、顔を近づけたり赤ちゃんとスキンシップを取るだけでも虫歯の原因菌がうつってしまうことがあります。

歯周病は早産のリスクを高める!

歯周病の妊婦さんは歯周病でない妊婦さんに比べて、約5倍も早産になりやすいという研究結果もあります。

これは、歯周病になることで、自分の体を守ろうとする細胞から出産を引き起こす物質や、子宮収縮を促進させる物質が過剰に分泌されるためです。重度の歯周病になる前に、早めのケアが必要です。

妊娠中でも治療を受けられる?

妊娠中でもほとんどの治療を受けることができます。つわりの症状が重い初期や、お腹が大きくなり仰向けの姿勢が取りにくい後期になると治療を受けるのが大変なので、安定期(妊娠5~7ヶ月頃)が治療に適した時期といえます。

ただし、麻酔やレントゲン、投薬などが赤ちゃんに影響を与えることがあるので、歯医者さんには妊娠している旨を必ず伝えて判断を仰ぎ、治療を受けるようにしてくださいね。

抜歯は妊娠中は避け、痛みを和らげる治療で様子を見ることが多いようです。

妊娠中に一度は歯科健診へ!

自治体の無料妊婦歯科検診

妊娠中は口内トラブルが起きやすいことから、多くの自治体で無料の妊婦歯科健診を行なっています。自覚症状がなくても健診で分かることもあるため、ぜひこの機会に受けましょう。

受ける時期はつわりが落ち着く4~5ヶ月頃がおすすめ。この時期に検査を受ければ、もし悪いところが見つかったとしても安定期の間に治療を終えることができる場合がほとんどです。

かかりつけの歯医者さんで検診

自治体指定の歯科以外を受診したり、健診の内容によっては有料となることがあります。事前にお住まいの自治体に詳細を確認しておくと良いでしょう。

自治体で健診を行なっていなかったとしても、ぜひかかりつけの歯医者さんで健診を受け、健康なお口で出産を迎えてください。

妊娠中に自宅でできるオーラルケア

つわりがひどい時のケア

つわりがひどい時期は、歯ブラシを口の中に入れるのも一苦労ですよね。歯みがきは食後にこだわらず、体調の良い時にリラックスして行いましょう。

下の方を向いて前かがみになり、歯ブラシを舌に当てないようにすると嘔吐感を避けることができます。歯ブラシはヘッドの小さいものを選んで、歯みがき粉は香料や味の強いものを避けると良いでしょう。

フッ素配合の歯みがき粉は、虫歯の予防におすすめです。どうしても歯みがきができない時は、ブクブクうがいを。

つわりがひどかった私は、洗口液を使ったうがいが、口の中をさっぱりさせ不快感を和らげるのに効果てきめんでした!

また、緑茶に含まれるカテキンには歯垢をつきにくくする効果があるため、緑茶うがいもおすすめです。

正しい歯みがきを

一箇所を20回以上、歯ブラシの毛先が広がらない軽い力で小刻みにブラッシングしましょう。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の間、歯と歯の間にきちんとあてるように意識するときれいにみがけます。

デンタルフロスを併用すると、歯ブラシだけでは落とせない歯間の歯垢も除去することができるのでおすすめです。

自宅でのオーラルケアと併せて、歯医者さんでクリーニングしてもらうと、虫歯や歯周病のリスクがぐんと減り、その後のケアも楽になりますよ。


いかがでしたでしょうか。産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、ついついママ自身のことは後回しになりがちです。

出産準備の一つと捉えて、できればパパも一緒に歯医者さんで健診を受け、健康なお口で赤ちゃんを迎えましょう!

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
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