【助産師監修】妊娠6週目(妊娠2ヶ月)―エコー写真、心拍確認やつわり、出血について―
2018.09.27
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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予定日を過ぎて1週間以上たっても生理がこず、もしかして?と思って妊娠検査薬を使ってみたら妊娠していた!という女性の話をよく耳にします。
実は、そのくらいの時期だと、すでに妊娠6週目を過ぎている場合が多く、お腹の中で赤ちゃんもかなり成長しています。
妊娠が判った後、ママとしてどのように過ごすべきか、心構えなどについてご紹介します。
■まずは産婦人科の受診を
妊娠6週後半までに一度受診を
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、前回の生理から数えて何日経っているかを調べてみます。検査薬が正確に判断し始めるのは妊娠5週目、つまり生理予定日を過ぎたころくらいからです。
6週目も後半になると、病院で赤ちゃんの映像や心拍を確認できることがほとんどですので、この頃までに産院を決めて、診察に行くようにしましょう。
胎嚢と心拍が確認できたら、妊娠が確定
産婦人科を受診し、超音波検査で胎嚢(たいのう)と、その中にいる赤ちゃんの心拍が確認できたら、正式に妊娠が確定されるのです。胎嚢とは、着床すると作られる赤ちゃんを包んでいる袋のことです。
妊娠6週目には、妊娠検査薬で陽性反応が出るものの、卵管などに着床してしまう子宮外妊娠である場合が稀にあります。
これは産婦人科で検査をしてもらわないと判らないものですので、妊娠6週目を過ぎていれば、一度は必ず産婦人科に行く必要があります。
■超音波検査で赤ちゃんの状態を確認
だんだんと器官が形成されていく時期
妊娠5週目の段階で、卵型だった赤ちゃんが、頭と胴体があるような形に変わり、心臓の原型が作られます。
そして、妊娠6週目には、耳や目・鼻や、心臓から延びる血管などが作られ、超音波検査でも、顔のようなものが見えるようになっていきます。
この頃の赤ちゃんは胎芽と呼ばれ、ママから巡ってくる血液をどんどん体中にいきわたらせながら、成長していきます。
赤ちゃんの大きさは1㎝弱くらい
妊娠6週目ころの赤ちゃんの大きさは1㎝に満たないくらいに成長するのですが、この頃の胎芽の大きさにより、出産予定日が算定されます。
産婦人科で出産予定日を伝えられ、「本当に私はママになるのね」と、妊娠から出産までの意識がぐっと高まった女性は多いと思います。
■つわりが始まる
つわりの症状
この時期にはつわりの症状を感じる妊婦さんが多くなります。主なつわり症状には、以下のようなものがあります。
・吐き気や嘔吐
・食欲がでない
・いつも眠い、だるい
・空腹時にムカムカ
・においに敏感になる
・唾液が口にたまる
つわりを乗り切るには
つわりがある間は、無理せず食べられるものだけを食べましょう。ローカロリーのあめやガムを携帯し、お腹がすいたら食べます。
また、1回の食事量を減らして小分けにして食べるようにするとよいでしょう。料理を冷やし、においをやわらげて食べやすくするのも効果的です。
他にもグレープフルーツやレモンなどのアロマオイルは、妊娠初期のムカムカをサポートしてくれる働きがあるといわれています。
匂いが気になる時やムカムカする場合は、マスクやハンカチに垂らして芳香浴をするのもおすすめです。
つわりの原因は
つわりの原因は諸説ありますが、医学的にはっきり解明はされていません。
将来胎盤になる絨毛から分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が消化器系の働きに影響したり、父親由来の遺伝子を持つ赤ちゃんを母体が異物として認識してつわりを引き起こすなどです。
ただ言えるのは、体がつわりを引き起こすことで、ゆっくりしてほしいというサインを送っているということです。
赤ちゃんのためにと無理に食べようとしたり、パパに申し訳ないからと頑張って家事をしようと考えず、できればゆっくり横になって過ごしましょう。
■妊娠6週のママの心構えと注意点
働きすぎ・動きすぎなど、無理は禁物
産婦人科を受診し妊娠が判ったのであれば、無理は禁物です。もう、自分一人の体ではないのですから、赤ちゃんのためにゆっくりと過ごしましょう。
働いている女性の場合は、転ばないようにヒールのない靴に履き替え、貧血にならないように、座り仕事の場合はこまめに立ったりストレッチをしたりなど、血液を巡らせるようにしましょう。
妊娠6週目にしてはいけないこととは?
赤ちゃんの心拍が確認できても、ちょっとしたことが赤ちゃんに大きく影響することがあります。以下のことに気を付けましょう。
・お酒やタバコは控える(喫煙場所に近寄らない)。
・常用している薬があるなら、医師に相談する。
・体を冷やさない、薄着をしない。
・食べ過ぎや急激な体重増加に気を付ける。
・ストレスを感じる場所や人に接しないようにする。
・イライラや憂鬱な気持ちを切り替えられる方法を見つけておく。
・生魚や生肉を食べ過ぎない。
■出血したら病院へ
妊娠初期は出血が起こりやすい時期です。出血すると流産してしまったのではないかと心配になりますよね。
内診や性交による刺激で出血する子宮膣部びらんや、子宮内にできた血腫が外に出る際に出血する場合など、さまざまな原因があります。まずは病院を受診しましょう。
お腹の張りや痛みを伴う場合は、切迫流産(流産の始まりの症状)として、出血している可能性もあります。
切迫流産と診断されても、無事に分娩できた方もたくさんいますから、出血の色や量を確認し、病院で診てもらいましょう。
妊娠6週目になると、嗜好品が制限されたり、つわりなど体調の変化があったりして、辛い思いをすることもあるかと思います。また、女性ホルモンの影響で、イライラしたり憂鬱になることも。
しかし、これは妊婦さんならだれでも経験することで、赤ちゃんが元気に成長している証拠です。
自分なりのリラックス法を見つけて、マタニティライフを楽しんでくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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