助産師に聞いた!妊娠中の静脈瘤、原因・治療法・予防法
2018.05.25
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠中になりやすい静脈瘤とはどんな症状でしょうか?またその原因や治療法、自分でできる予防法とは?助産師の浅井先生にお伺いしました。
■妊娠中の静脈瘤の原因・症状とは?
妊娠すると分泌される黄体ホルモンには、赤ちゃんが育つ子宮を柔らかくするだけでなく、血管を硬くする働きがあります。
そのため、静脈にある弁の働きも鈍くなり、足に溜まった血液が上の方に戻りにくくなります。これがこぶ状になったものが「静脈瘤」です。
中には会陰や膣の中にまで静脈瘤ができる人もいて、出産時の会陰切開や破裂で出血することがあるので注意が必要です。
妊娠初期から兆候が現れる人もおり、ひざの裏側からふくらはぎ、ふとももにかけて赤紫、青紫色で細い血管が糸状に見えるものや、血管が非常に太くなり、皮膚から突出しているものまであります。
ひどくなると、「だるい」「重たい」「ピリピリする痛み」「熱い」などの症状を伴います。
■静脈瘤の治療法
静脈瘤は悪化すると皮膚の栄養状態が悪くなり色素沈着や潰瘍ができたり、血栓静脈炎を併発する人もいます。
一般的な治療には、包帯による圧迫療法、硬化療法(膨らんだ静脈瘤内に血管を固めるための薬を注射する方法)、手術療法があります。
出産後に改善する人がかなり多いので、妊娠中は主に圧迫療法という保存的な治療で様子を見て、産後の症状の改善具合でその後の治療方針を決めることが多いです。
■自分でできる静脈瘤の予防法
静脈瘤を予防するために、また、できてしまった静脈瘤を悪化させないために、日頃から血流が良くなる対策を行いましょう。
足の血行を良くする
だるいと思ったらすぐフットマッサージや足浴をして足全体の血流を良くしましょう。足先を締め付けるような靴は履かず、ゆったりとした幅の広いサンダルなどを着用するとよいでしょう。
四つ這いになって足の裏をパートナーに踏んでもらうのも効果的です。
足を圧迫し、高く上げる
包帯やサポートストッキングなどを着用して足を強く締め、血液の塊を少なくし、流れがよくなるようにしましょう。
長時間同じ姿勢が続く人は1時間に5~10分ほど足を高くしたり、就寝時は必ず横に寝て、足をクッションなどで高く保ちましょう。
水中ウォーキングをする
水中に入ると浮力と水圧があるので、水中にいるだけでサポートストッキングを履いているのと同じ効果があります。またプールの水温は体温よりも低く、冷却効果もあります。
自治体の公共プールでもウォーキングコースが設けられている施設も多いので、主治医と施設側の許可があれば始めるとよいでしょう。
■静脈瘤のマッサージ方法
1.まず太もものリンパの流れを良くするために、内ももから心臓の方へ手のひら全体で押し上げます。
2.手のひらを使って、ふくらはぎや静脈瘤のできている下方から上に押し上げるように交互にマッサージします。ゆっくり丁寧に行うのがポイントです。
3.次は指の関節を使い、細かくクリッピングするような手技でふくらはぎの筋肉をマッサージします。
4.包帯かサポートストッキングで固定し、足を上に上げて休みます。
いかがでしたでしょうか。妊娠して初めて静脈瘤になり、びっくりされた方も多いかもしれません。たいていは産後に改善しますので、まずはできることから試してみてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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