【助産師監修】妊娠後期のむくみの原因と解消法5つ
2018.07.18
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠後期になると多くなるマイナートラブルにむくみがあります。足がパンパンにむくんで辛い思いをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は妊娠後期にはむくみが起こりやすい原因があります。むくみの原因には生理的なものと病気が隠れているものがあるので、ご自身がどのタイプかを知って正しい対処法を理解しておきましょう。
妊娠後期のむくみの原因
血液量の増加によるもの
妊娠中は赤ちゃんにたくさん栄養や酸素を送らなければいけないので生理的に血液量が増加します。
さらに妊娠中の血液は、赤血球などの血球を除いた血漿成分だけが増えるので血が薄くサラサラとした血液になります。
サラサラした血液になることで赤ちゃんにたくさん栄養を届けやすくしているのですが、血が薄くなることで血管の外に染み出てしまい、むくみが起こりやすくなるのです。
特に妊娠32週頃に血液量のピークになるので妊娠後期はむくみやすくなるといわれています。
大きくなった子宮によるもの
妊娠後期になりお腹がさらに大きくなってくると、足の付け根を圧迫してリンパの流れが悪くなり、足がむくみやすくなります。
長時間立ったままの姿勢を続けたり、疲れが溜まったりすることで、よりむくみが強くなります。座りっぱなしも股関節が曲がるのでむくむ原因になります。
また元々運動不足で足の筋肉が弱いと、溜まった余分な水分を心臓に戻す筋肉ポンプがないため、むくみやすくなるのです。
妊娠高血圧症候群によるもの
妊娠後期に起こりやすいむくみで一番注意しないといけないのが妊娠高血圧症候群です。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降、産後12週までに高血圧やむくみ、蛋白尿などの症状が起こることをいいます。
特に妊娠後期になると今まで正常だった血圧が上がりやすくなり、むくみや蛋白尿が出たりすることがあります。
妊娠高血圧症候群になると、血管が収縮するため赤ちゃんへの血流が妨げられて様々な弊害が起こるため、早期発見と早期対処が重要になってくる病気です。
むくみが急に強くなってきた、足だけでなく手や顔もむくみが出てきた、急に体重が増えた、頭痛があるなどの症状があれば、妊婦健診を待たずにすぐに受診し、血圧測定と医師の診察を受けましょう。
妊娠後期のむくみの解消法5つ
塩分を控える
塩分が多い食事を摂ると血液中の浸透圧を調整するため体内の水分量が増えてむくみやすくなります。毎日の食事が塩分過多にならないよう注意しましょう。
妊娠中は8g/日以下が望ましいといわれています。ちなみに一般の女性は10g/日が目安です。
わさび、しょうが、酢など味にアクセントがつくもの、大葉やねぎ、かつお節、昆布など風味や旨みが増すものをうまく利用すると塩分を控えめても物足りなさを感じません。
お醤油も減塩醤油にしたり、だし汁と割ったりするだし醤油にするにもよいでしょう。
また外食などで塩分が多くなってしまったときは、塩分の排出を促してくれるカリウムを多く含む食品を食後に摂るとよいでしょう。
バナナやトマトジュース、りんご、干し柿、グレープフルーツなど果物に多く含まれています。
着圧ソックスを利用する
足のむくみには、着圧ソックスがおすすめです。苦手な方は出かけるときや立つ動作が多くなるときだけでも利用すると効果的です。
着圧ソックスは、ドラッグストアにも売っていますが、病院でも専用のものを紹介してくれることが多いので相談してみるとよいでしょう。日頃から五本指の靴下をはいたりするのもむくみの予防になります。
ハーブティーを試してみる
温かいハーブティーを飲むと体が温まります。体が温まり、体の巡りがサポートされるとリラックスできます。リラックスして疲れが取れるとむくみが改善することが多いです。
また、シャワーではなく湯船につかって体を温め、ゆっくり疲れを取りましょう。お腹が大きくなってくると動作の一つ一つが大変になりますが、湯船の中では浮力がかかるのでとても体が楽ですよ。
マッサージをする
不要な水分が滞ることでむくみが起きているので、外側からマッサージをしてリンパの流れをよくするとむくみが改善します。
マッサージオイルを利用すると心地よい匂いと保湿効果で、リラックスや妊娠線予防にもよいでしょう。
マッサージの方法は足のつま先から太ももの付け根にかけてゆっくり下から上へ滑らすようにマッサージします。あまり強く押さないようにします。
お腹が大きく行いづらい場合はイスに座りながらするか、ご主人にやってもらいましょう。毎日のマッサージで自分のむくみが急に強くなっていないかをチェックすることも大切です。
スケジュールをゆったりにする
仕事を持たれている方や産休に入られた方も毎日のスケジュールを見直してみてください。むくみが強くなる日は無理をしていませんか?むくみは体が疲れているサインです。
きちんと受け止めて、あまり無理のないスケジュールに見直しうまく休憩を取りましょう。
マタニティスイミングをする
積極的なむくみのケアでおすすめなのが、マタニティスイミングです。バタ足をしたり泳ぐことで、水圧や水流の効果により、あっという間にむくみは改善されます。医師の許可があれば積極的に泳いでみましょう。
妊娠後期のむくみは体のサイン
いかがでしたか?きちんと対処するとともに無理のない生活を送るようにしましょう。
むくみが続く場合や強い場合は必ず妊婦健診で医師や助産師に相談して、異常がないか診察してもらうことが大切です。
出産まであとひと息、赤ちゃんと楽しいマタニティライフが送れるようにしましょう。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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