【助産師監修】妊娠中にサプリメントは必要?葉酸やおすすめの栄養について
2019.02.20
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
タグをみる
妊娠中はお腹の赤ちゃんの成長のために、体にとってより良い栄養を摂れるよう心掛けたいですね。よく妊娠中に必要といわれる葉酸もその一つです。
葉酸は母体やお腹の赤ちゃんにどのような効果をもたらすのでしょうか?また、サプリメントで栄養を摂取することは必要なのでしょうか?
今回は、妊娠中におすすめの栄養素の中から、特に葉酸についてと葉酸のサプリメントについてご紹介します。
妊娠中に摂りたい栄養素は?
葉酸、カルシウム、鉄分は、妊娠中、特に意識的に摂りたい栄養素です。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で植物に多く含まれています。葉酸は細胞の増殖に必要なDNA合成に関わっていて、細胞の産生や再生に欠かせない栄養素です。
また、赤血球の産生にも関わっているので、造血のためにも大切な栄養素です。
妊娠初期に葉酸が不足すると、お腹の赤ちゃんの発育が阻害される、先天異常が起こることがある、流産などのリスクが高まるといわれています。
葉酸は、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、納豆などに多く含まれています。
水に溶け出しやすいので、サラダなどにして生で食べるか、加熱する場合は蒸したりスープで食べることをおすすめします。
カルシウム
カルシウムはお腹の赤ちゃんの骨や歯を形成するために必要な栄養素です。不足するとママの骨から溶け出して、赤ちゃんの発育のために使われるようになります。
このため、ママがカルシウム不足になり、骨粗しょう症になる、歯が弱くなる、血圧が下がりにくくなるなどの症状が出ることもあります。
カルシウムは、牛乳、チーズなどの乳製品、小松菜、木綿豆腐、煮干し、ししゃもなどに多く含まれます。ビタミンDやたんぱく質、クエン酸と一緒に摂ると吸収率がアップします。
鉄分
妊娠中は、お腹の赤ちゃんに栄養や酸素を、血液を通して送るためにママの血液量が増加します。
ママの体内では血液が薄まりヘモグロビン値が低下するので、酸素を十分に送れなくなったり、体内に蓄えていた鉄分が使われるようになるため鉄分不足になって鉄欠乏性貧血になりやすくなります。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄は非ヘム鉄より体内に吸収されやすいので積極的に摂るとよいでしょう。
【ヘム鉄を多く含む食品】
赤身肉、かつお、まぐろ、あさり
【非ヘム鉄を多く含む食品】
ひじき、大豆、小松菜
非ヘム鉄の食材は、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収率がアップします。
お腹の赤ちゃんの健やかな成長を育み、ママの健康を保つためにも、妊娠中はいろいろな食材をバランスよく食べて栄養を摂取することが大切です。
葉酸の効果、摂取量、摂取期間は?
栄養素の中でも特に、妊娠初期に積極的に摂りたいのが「葉酸」です。
葉酸の効果
葉酸には細胞の正常な分裂・増殖を促し、赤ちゃんの脳神経の発育を助ける効果があります。
妊娠初期(排卵日〜妊娠11週頃)は胎児の細胞分裂が盛んに行われ、器官が形成される時期であるため、妊娠中の女性は必ず摂りたい栄養素です。
妊娠前〜妊娠初期に十分な葉酸を摂取することで、赤ちゃんに神経管閉鎖障害が起きるリスクを低減させることができるといわれています。
神経管閉鎖障害とは、脳や脊椎(せきつい)などの神経管の癒合不全(ゆごうふぜん)による先天異常です。日本では脊椎に癒合不全が生じる二分脊椎症の発生が最も多いといわれています。
発症率は1万人に6人前後といわれています。筋肉の麻痺による歩行障害、運動障害、排尿、排便障害が起こります。
神経管閉鎖障害の発症には、葉酸不足だけではなく、妊娠中の環境や遺伝的要因も関係していますが、一定量の葉酸を摂取することで発症リスクを大幅に減らすことができるといわれています。
また、葉酸には造血作用もあるので、妊娠中の貧血予防に効果が期待できます。
摂取量
葉酸の1日あたりの摂取量は、非妊娠時は200μgですが、妊娠中は+200μgと2倍の量が必要とされています。
(厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2015年版」より)
摂取期間
お腹の赤ちゃんに先天異常が起こる時期は、神経管が形成される妊娠4〜5週頃とされています。
このため厚生労働省は、神経管閉鎖障害のリスクを低減させるために、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までに十分な量の葉酸を摂取することを推奨しています。
(厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適正な情報提供の推進について」より)
また、葉酸には造血作用があるので、ママの貧血予防のためにも妊娠中全般を通して積極的に摂りたい栄養素です。
不足しがちな葉酸はサプリメントで!
葉酸は緑黄色野菜などに多く含まれていますが、天然成分における葉酸は水に溶けやすく熱に弱いため、調理損失しやすいという特徴があります。
また、消化吸収されるまでの代謝過程で様々な影響を受けるため、食品から摂取した場合の体内吸収率は50%といわれています。
一方、サプリメントなどに使われる合成葉酸は、天然葉酸と構造が異なるため安定性が高く、体内吸収率は85%と見積もられています。
厚生労働省は、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性のある女性は、食品からの葉酸の摂取に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から1日あたり400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。
ただし、葉酸の1日あたりの摂取上限量は1,000μgとされていますので、摂りすぎには注意しましょう。
普段の食事だけで十分な量の葉酸を摂取することは難しいため、足りない分を補うためにサプリメントなどを利用することをおすすめします。
ハーブティーで栄養補給
AMOMAのマタニティブレンドには、葉酸を含む植物のネトルが使われています。
ネトルは鉄分、ビタミンC、葉酸など妊娠中に必要な栄養分を豊富に含んでいることから、ヨーロッパでは妊産婦の栄養補給に用いられ「妊婦のためのハーブ」とも呼ばれています。
マタニティブレンドは妊娠中も安心して飲むことのできるハーブのみ厳選してブレンドしています。もちろんノンカフェインなので、栄養補給を兼ねたリラックスタイムのお供にいかがでしょうか。
いかがでしたか。妊娠中はお腹の赤ちゃんとママ自身のためにも、より良い栄養を摂取したいものですね。
葉酸は緑黄色野菜や果物に多く含まれていますので、なるべく調理損失しないように調理方法を工夫して摂取できるといいですね。
足りない分は、サプリメントなどの栄養補助食品を上手に活用して摂取することもおすすめします。
関連記事
■体の悩み
-
【医師監修】乳腺炎で発熱!病院に行くべき?症状・原因・対処法も詳しく解説2024.10.08
-
【助産師監修】白斑があっても、授乳して大丈夫? 取り方などを紹介2024.10.08
-
【助産師監修】生後1・2・3ヶ月ごとの授乳間隔・授乳回数の目安は?2024.09.17
カテゴリーランキング
AMOMAコラムについて
妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。
AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
その他のお問い合わせはこちらから
メールで問い合わせ