【助産師監修】陣痛の痛みや兆候は?出産前の心構え
2018.07.25
Keiko Sakai
Mama writer
2016年7月生まれの男の子のママです。息子の笑顔がパワーの源!!色んな日があるけれど『毎日笑顔で』をモットーに、大好きなヨガを楽しみながら日々の育児も楽しんでいます。息子の成長を見守りながら、私自身も日々成長していきたいと思います♪
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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「陣痛は痛い」とはいいますが、その痛みについては色々な表現があります。
個人差があるとはいえ、ほとんどの妊婦さんが陣痛に未知の不安を感じていることだと思います。
特に初めての妊婦さんは、臨月が近づいてくると陣痛の痛みや兆候とはどんなものかとても気になることでしょう。
今回は、出産を控えている妊婦さんに少しでも参考になるよう、「陣痛の痛みや兆候」「出産前の心構え」についてご紹介したいと思います。
陣痛の痛みとは?
そもそも陣痛とは、赤ちゃんが子宮から産道(膣)を通って出てこられるように、赤ちゃんを子宮外に押し出そうと子宮が収縮することによって感じる痛みのことをいいます。
出産の痛みの表現として一般的にいわれているのが「鼻からスイカ」ですよね。出産時の痛みよりも陣痛の方が辛かったという声も多いようです。では、陣痛の痛みとはどのような痛みなのでしょうか?
「陣痛」を例えるならどんな痛み?
・ものすごく強い生理痛のような痛み
・お腹や腰を車で引かれているような痛み
・腰や尾てい骨あたりをハンマーで打ち砕かれているような痛み
・体が引き裂かれそうな正気ではいられないほどの痛み
・ひどい下痢の痛みを必死に我慢しなければならない苦しみ
陣痛の痛みにはとても個人差があります。今まで人生で味わったことのないような痛みと表現する人が多いですが、なかには想像していたほどではなかったという人もいるようです。
陣痛の兆候とは?
妊婦さんが陣痛に関して不安に思うことのひとつとして、よく耳にするのが「陣痛に気付けるかどうか」ということがあります。
妊婦検診やマタニティ教室などで陣痛について説明されますが、いざその時がきた時に自分がちゃんと気付けるのかどうか不安に感じてしまいますよね。
陣痛は、「なんとなく痛みを感じる」といった程度の弱い痛みから始まることがほとんどです。
痛みの強さにも個人差はあり、実際その時が来ないと分からないものですが、陣痛の兆候などを事前に知っておく事で心の準備ができ、安心ですね。
陣痛の兆候
陣痛が起こる前ぶれとして、どのようなものがあるのでしょうか。
おしるし
医学用語で「産徴」といわれます。出産が近づくと子宮が収縮して子宮口が開き始め、赤ちゃんを守ってくれている卵膜と子宮口との間にズレがおきます。
このズレによって少量の出血が起き、それが子宮頸管から分泌される粘液と混ざり合ったものがおしるしと呼ばれるものとなります。
おしるしがあったからといってすぐに病院に行き出産になるわけではなく、数時間後に陣痛が始まる人もいれば1週間以上陣痛がこない人もいます。おしるしの色や量にも個人差があります。
前駆陣痛
陣痛には「本陣痛」と「前駆陣痛」があり、一般的に陣痛と呼ばれるものは本陣痛です。
出産にそのまま繋がる本陣痛の前に、お腹の張りや弱い生理痛のような痛みが不規則に起こるものが前駆陣痛です。
前駆陣痛は夜から明け方に起きることが多いようです。痛みや感じ方にも個人差がありますが、本陣痛のリハーサルと思うと気分も楽になるでしょう。
本陣痛の場合は、前駆陣痛と違い痛みの波が規則的で、徐々に痛みが増していきます。
破水
破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて羊水が体外に流れ出てしまうことをいいます。
陣痛が強くなり子宮口が開くと破水する場合が一般的ですが、陣痛が始まる前に破水してしまう場合も多くあります。
生温かく尿漏れのようなものと感じる人が多く、自分の意志では止められないのが破水の特徴です。
破水してしまうと外の世界と赤ちゃんが繋がることになるため、菌による感染を防ぐ意味でもすぐに病院に連絡しましょう。通常すぐに病院に向かうよう指示され、そのまま入院となります。
便秘、下痢、腰痛
出産が近づくと、プロゲステロンというホルモンの分泌が減少するなどの影響により下痢になることが多いといわれています。
逆に便秘になる場合もあり、そういった体の変化も陣痛の兆候の一つといえます。
また、赤ちゃんも下がってくるので骨盤にも負担がかかり腰痛を感じる人も多くいます。もともと腰痛持ちの妊婦さんは強い痛みを感じる場合があるようです。
陣痛の兆候も個人差がとても大きいものです。
「おしるし」「前駆陣痛」があってから「破水」という流れが一般的であるといわれますが、その順番も妊婦さんそれぞれ違います。
どの順番できても慌てずに行動できるよう、それぞれの陣痛の兆候について再度確認しておきましょう。
なかでも「破水」はすぐに病院に行く必要があるので注意しましょう。
出産を控えている妊婦さんは、特に臨月に入ってからはこういった兆候を見逃さないよう、体の少しの変化にも注意してみて下さいね。少しでも異常や気になることがあれば病院に連絡しましょう。
出産前にしておく心構え
落ち着いた気持ちで出産を迎えられるよう、出産前にしっかりと出産準備や心構えをしておくことはとても大切です。以下のような心構えをして出産を迎えるようにしましょう。
出産前の心構え
・こころにゆとりを持ちリラックスして過ごす
・体調の変化にいつも以上に気を付ける
・出産に向けてしっかり体力をつけておく
・急な破水、陣痛時でも病院に行ける流れを作っておく
・陣痛、出産の流れをイメージしておく
・出産準備をしっかりしておく
出産に向けて大切なことは、気持ちを落ち着かせてリラックスしておくこと。
そして出産にはとても体力を使います。出産後もなかなかゆっくりとはできないため、出産前からしっかり食事、睡眠をとって体力をつけておくことも大切です。
臨月に入るとお腹も大きくなり動くのも一苦労です。いつ陣痛が始まるかも分からないので、出産準備はできる範囲で早めにしておきましょう。
陣痛を乗り越えるための自分なりのグッズなどもあれば一緒に準備しておくと安心ですね。
出産には必ず「ゴール」がある
出産は誰しも不安や怖さを感じるものです。陣痛や出産の痛みのことを考えると恐怖心ばかり出てきてしまうかもしれませんが、出産には必ず「ゴール」があります。
その「ゴール」の先には待ちに待った「赤ちゃん」との素晴らしい出会いがあります。陣痛が痛くて辛い時も、必ずゴールがあると思えば気持ちも強く持ち続けられるものです。
出産は母子共に命がけといわれるほど大変なものです。
だからこそ、それを乗り越えて赤ちゃんの姿を見た瞬間に、きっと今までの壮絶な痛みさえも忘れてしまう程の喜びや嬉しさが込み上げてくることでしょう。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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