出産準備

【助産師監修】分娩にかかる時間は?初産婦と経産婦の分娩所要時間

2018.08.03

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

お産が近づくと安産を願うとともに、「分娩にかかる時間が長くなったらどうしよう。」「どんな分娩になるのかな。」など、不安に思う方もいらっしゃると思います。

今回は基本的な分娩の流れとかかる時間についてお話しします。

分娩の流れと時間

分娩の始まりとは

分娩の流れ

日本産科婦人科学会の定義では、「分娩の開始時期は陣痛が規則正しく発来し、胎児娩出まで続く陣痛で、陣痛の周期が10分以内または1時間に6回の頻度となった時点」と定めています。

10分以内にお腹の痛みがあっても、だんだんと不規則になったり10分以上あいてしまったりする場合は前駆陣痛となります。

ときどき2人目以降は分娩の日が早くなると思っている方もいらっしゃいますが、初産婦と経産婦に差はなく、経産婦さんでも予定日から遅れて出産することもあります。

分娩は進み具合によって分娩第1期~分娩第4期にまで分けられています。

分娩第1期

横になる妊婦さん

分娩第1期とは分娩の始まり~子宮口が全開するまでで、初産婦で10時間~12時間、経産婦で5時間~6時間くらいかかります。

この時期が一番長く辛いと感じる方が多く、この時間をどう過ごすかがスムーズに分娩を進めるポイントでもあります。

子宮口は、閉じた状態から10cm開くまで同じスピードで開くわけではありません。一番長くかかるのが、子宮口が4cm開くまでです。

4cm以降はスピードが上がって、どんどん進むことが多いので、まずは子宮口が4cm開くまで頑張りましょう。

<微弱陣痛に注意>

時間が長くかかってしまう原因で一番多いのが疲労による微弱陣痛です。そして疲労がおこる最大の要因が緊張です。

陣痛がきた時点から過緊張状態がずっと続いていると、10時間以上の長丁場に耐えられず、子宮が疲れ陣痛が弱くなってしまうのです。

分娩第2期

分娩第2期

分娩第2期は子宮口が全開してから赤ちゃんが生まれるまでで、初産婦で1時間~2時間、経産婦で30分~1時間くらいです。

この時間は陣痛室から分娩室に移り、お母さんにとってはクライマックスの時間ですね。今までに比べもうすぐ赤ちゃんに会える喜びで辛さを感じる方は少なくなります。

助産師の声に合わせていきんだり、力を抜いたりしながら赤ちゃんを少しずつ出してあげます。

陣痛には波があり、起きるときと治まっているときがあります。リズムに合わせてうまく力を抜くことで会陰が切れずにすみます。

妊娠後期からオイルで会陰マッサージをしておくと、たとえ会陰切開しても切開部分が小さく済んで、産後の傷の回復も早くなります。

妊娠8ヶ月からラズベリーリーフティーを毎日飲むと、分娩第2期が9.6分短くなったというヨーロッパの臨床結果が報告されています。こうしたハーブティーをティータイムに取り入れるのもいいですね。

分娩第3期~分娩第4期

分娩にかかる時間分娩3期、4期

分娩第3期は赤ちゃんが生まれてから胎盤が出るまで、分娩第4期は赤ちゃんが生まれて2時間までの時間です。初産婦と経産婦で時間に差はありません。

この時間はたくさんの血液が流れていた胎盤が娩出するときなので、出血に一番注意しなければいけない時期です。

産婦さんにとっては会陰縫合があったり、赤ちゃんと対面したりする時間です。起き上がることはできませんが、力を抜いて赤ちゃんとご家族とゆっくりすごしましょう。

関連記事:「助産師に聞く!会陰切開の痛みや傷跡Q&A」

分娩時間をスムーズに進めるには

マッサージ

分娩が滞ってしまう最大の原因が疲れによる微弱陣痛です。そのため、分娩時間をスムーズに進めるためにはリラックスすることが一番です。

ところが人は恐怖感や痛みがあるとなかなかリラックスできません。慣れない分娩室ではなおさらです。

おすすめのリラックス方法

妊娠中から自分の分娩がどのような経過を辿るのかをイメージし、自分がリラックスできるスイッチを探しておきます。

例えば、自分なりのリラックス法を毎日繰り返し練習しておくことで、本番でも落ち着いて過ごすことができます。

また、最近では妊婦さんのリラックスを促すために、アロマを利用する産院も増えています。妊娠中からお気に入りの香りを嗅いでおくことで、アロマの香り=リラックスと体に覚えさせましょう。

ご主人に腰のマッサージをしてもらうのも妊婦さんにとってリラックスにつながります。

分娩にかかる時間はそれぞれ

分娩のかかる時間分娩にかかる時間はそれぞれ

分娩は人によって所要時間が違います。赤ちゃんの大きさ、ママの身長などで変わります。

短ければいいというものでもありませんが、妊娠中に積極的に運動したり体重をコントロールした人は割とスムーズに進みます。

赤ちゃんとママにとって一番必要な時間をかけてゆっくり赤ちゃんは生まれてきてくれます。一番大切なことは赤ちゃんとママが無事であるということと、自分らしい分娩ができたと思えることですよ。

関連記事:「安産にいい!?ラズベリーリフティーの効果・効能・飲み方」

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妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士
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■資格・免許
管理栄養士・幼児食アドバイザー
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メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
心理カウンセラー
佐々木明子
■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
■専門分野
心理カウンセラー
産婦人科医
牛丸敬祥
■資格・免許
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
■専門分野
産婦人科医

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