【助産師監修】もうイライラに振り回されない!子育てにおすすめのマインドフルネスとは?
2018.12.12
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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育児中にイライラしてつい感情的になってしまったり、子どもを目の前にして不安でいっぱいになってしまったり…。そんな悩みを持つ方にぜひ取り入れてほしいのが、マインドフルネスです。
今回は子育てにマインドフルネスを取り入れる方法をご紹介します。
マインドフルネスとは?
最近になってマインドフルネスという言葉を耳にするようになりました。マインドフルネスとは、仏教の「瞑想」を元に考案された心のあり方です。
瞑想と聞くとスピリチュアルなもののように感じる方もいるかもしれません。
しかし、マインドフルネスは宗教的要素を廃したもので、現在では効果的なストレス削減法として世界中の企業や医療機関、教育機関などでもその方法が取り入れられています。
マインドフルネスの心のあり方とは、「いま」「ここ」に意識を集中させ、客観的に捉え、怒りや不安などの感情に振り回されないでありのままの状態を見つめることをいいます。
子育てにおいてもマインドフルネスを取り入れると親子どちらにも大きなメリットがあるとされています。
マインドフルネス子育てのメリット
イライラする感情をコントロールできるようになる
自分の気持ちを客観的に見つめることを意識することで、怒りやイライラなどの感情に振り回されないようになります。
例えば子どもに対してイライラしてしまったときに感情をぶつけてしまいそうになることもあるかと思います。
その時に子どもが本当は何をしようとしていたのか、自分が子どもに何を伝えたいのか、どのように伝えたら効果的なのか。
自分の気持ちを客観的に見つめる事で、冷静に行動を選び、余裕を持った対処ができるようになります。
また、感情に任せて叱ってしまったとしても自分でその状況に気づき、自己嫌悪に陥ることがなくなります。
先のことを案じて不安にならない
子育てをしていると、「このままでは将来が心配」などと先のことばかりに目が向き心配になりがちです。しかし、子どもは今この瞬間を一生懸命に生き、毎日成長し続けていますよね。
マインドフルネスでは「いま」「ここ」に意識を向け、未来については「現在が作るものである」という考え方を取り入れます。
見えない先のことばかり考えるのではなく、今この瞬間の子どもの姿をしっかりと見つめ、成長や頑張りを認めてあげることが、子どもの明るい未来に繋がると言えるでしょう。
子どもの気持ちや必要としているものが見えてくる
目の前の子どもの言動を「良い」「悪い」などと評価せず、あるがままを見つめるように意識するようにします。
溢れる大量の情報や価値観、思い込みなどに振り回されないようになり、子どもの気持ちや子どもが必要としているものが見えるようになります。
そのような親の前では子どもが安心でき、親子関係がとてもいいものになります。
親子共にストレスが減り愛情を感じられる
親子で一緒に過ごしていても、心の中で違うことを考えながら話していたり、何か他の事をしながら対応してしまうことがあるかと思います。
このような親の態度が頻繁にあると、子どもは本能的にそれを感じ、「もっとこっちを見て!」と奇声をあげたり、望ましくない行動に出てしまうことがあるといいます。
心と感覚を子どもの身体に集中させて、しっかり抱きしめてあげると、親子双方に良い効果が。
脳内から幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌され、リラックスしてストレスが減り、深い愛情を感じることができます。
マインドフルネスの取り入れ方
毎日やらなくても、日常動作の中でできる時にやるよう意識すると◎。週2回程度続けるだけで効果があります。基本のトレーニングをご紹介します。
呼吸に意識を向けるトレーニング
① 背筋を伸ばして椅子に座るか、仰向けになる。
② おなかに手を当て、おなかが大きく膨らむまで、約7秒かけて息を吸う。
③ 次に約11秒かけて、おなかがへこむまで息を吐く。
④ ②③を繰り返す。
*最初は3分程度から、慣れてきたら10分ほど続けられるようにしましょう。
*雑念が浮かんできても呼吸に意識を集中させ、「いま」「ここ」の感覚を掴みましょう。
レーズンを味わうトレーニング
①レーズンを一粒手に取り、そのかたちや感触をじっくりと観察する。
②レーズンの匂いを嗅ぐ。
③レーズンを口に入れ、舌の上にのせて味を感じた後、噛んで歯ごたえや喉越しを味わう。
④一粒を手に取ってから飲み込むまでが7〜8分ほどになるように行う。
*レーズンでなくても、食べ物であれば何でもOK。
*五感を存分に使って食べるという行為に集中すると、これまで気づかなかった食感や味わいなど沢山の情報が得られます。この感覚がマインドフルネスな状態です。
実況中継のトレーニング
①子どもから少し離れて、心の中で子どもの様子を具体的に実況中継する。
例)「いま、絵本を開きました」「いま、足を動かしました」「いま、頭をかいています」
②何か感情が湧いてきたら「私はいま怒っている」「私はいま微笑んでいる」などとその気持ちも実況中継する。
*繰り返しトレーニングすることで、目の前の出来事を客観的に見る力がついてきます。
*日常の自分の動作を実況中継してみるのも◎。
マインドフルネス・タッチ
①子どもの肌のやわらかさ、温かさ、匂いを存分に感じながら触れる。
②手のひら全体を使って触る。
指先だけで触ると不安感を増してしまうことも。
③適度な圧をかけて触る。
軽く触るより適度な圧をかけた方が、リラックス効果がアップします。
④ゆっくりした速度を心がけてさする。
1秒間に5cm程度の速度が最も心地よい速度といわれています。
*違うことを考えながら触れるのでは効果が半減してしまいます。心からきちんと向き合って、抱きしめてあげる時間を取りましょう。
いかがでしたでしょうか。マインドフルネスを実践すると、これまでいかに「いま」「ここ」に集中できていなかったのかということに気づきました。
決して難しく考えず、少しずつ取り入れるだけで子育て中のストレスが減り、幸せ度が増すというマインドフルネスを、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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