【助産師監修】産後の肌荒れ、原因は何?症状や対策は?
2016.10.17
Fumiko Shibuya
Mama writer
2015年5月生まれの男の子を育児中の三十路ママです。天然でのんびり屋の父ちゃんと、プクプク泣き虫マンの3人家族。食事もお買い物もゆっくりできないけれど、赤ちゃんに振り回される毎日も悪くないと思っています♪
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
タグをみる
産後の女性は身も心も疲れ果ててトラブルが絶えないものですが、肌荒れもそのひとつです。それまで肌トラブルとは無縁であっても、産後の急な肌荒れは珍しいことではありません。なかなか手ごわい産後の肌荒れ、どのようにケアしていけばよいのでしょうか。
産後の肌荒れ、何が原因?
ホルモンバランス
肌荒れにも深く関わりのあるエストロゲンやプロゲステロン。これらのホルモンが、妊娠中に急増し出産を終えると同時に急激に減少することでホルモンバランスが乱れてしまいます。
産後のこの不安定な状態により、産後クライシスや産後鬱を引き起こすと言われていますが、肌荒れも例外ではありません。
ストレス
初めての出産の場合、赤ちゃんのお世話は何もかもが初体験。家族にもなかなか分かってもらえない苦労やトラブルがたくさんあります。日々の積み重ねでストレスが溜まり、肌荒れにつながってしまいます。
寝不足
赤ちゃんが生まれてからから数ヶ月の間は、夜も昼も関係なく起きて大泣きする赤ちゃん。まとまった睡眠がとれないことで肌荒れを助長してしまいます。
便秘
産後すぐは子宮の痛みや会陰切開の傷跡などにより、排便自体が怖くなることがあります。また母乳を分泌することで水分不足になり、便秘から抜け出せないケースが多くあります。便秘は肌荒れの大敵、ということは言うまでもありません。
産後の肌荒れ、どんな症状?
産後の肌荒れの症状は、その人の体質や生活環境などによっても様々で、一概にこうとは断定できません。代表的な肌荒れの症状をご紹介します。
ニキビ、吹き出物
エストロゲンとプロゲステロンの放出が急激に低下する代わりに、プロラクチンという母乳を促すホルモンが急増することで、産後の女性の体内はとても不安定になります。こうしたホルモンバランスの乱れによりニキビや吹き出物ができやすくなります。
乾燥
寝不足や疲労がピークに達することで、お肌のバリア機能が低下し肌荒れを起こします。授乳期間中は水分不足になりやすく、水分を失った肌がカサカサと乾燥し、放っておくとシワの原因にもなってしまいます。
冬場だけでなく夏場もクーラーで意外と乾燥します。
シミ
ホルモンバランスの乱れやストレスにより、ターンオーバーが鈍化すると、メラニン色素が定着しやすくなります。妊娠中や産後はいつも以上の紫外線対策が必要です。
また左右対称にぼんやり大きく広がるシミは、肝斑と呼ばれます。肝斑の場合は通常のシミ対策では効果がないので、専門医の指導の下で治療していくことになります。
湿疹、かゆみ
体力や免疫力が著しく低下した産後の身体は、外からの刺激にとても弱い状態になります。元々もっているアレルギー体質や乾燥肌などが、より強く出てしまうこともあります。
湿疹はかゆみを伴うため、かきむしって傷ができ余計に悪化して治りにくい状態になりがちです。
産後の肌荒れ、予防と対策
保湿
ニキビや乾燥から肌を守るためには、日々の保湿ケアが一番重要です。とは言え、赤ちゃんのお世話が中心の慌ただしい毎日では、丁寧なケアは難しいでしょう。無理をせずちょっとした工夫で保湿を心掛けましょう。
≪時短のために出来ること≫
・洗顔後はオールインワンゲルを使う
・赤ちゃんのお肌ケアのついでに自分にも塗る
・部屋の湿度に気を付ける
紫外線対策
保湿とセットで考えたいのが紫外線対策です。肌のバリア機能が低下した今、紫外線を浴び続ければ10年後20年後に影響が出ることは避けられません。
日焼け止めを塗ることはもちろんですが、つばの広い帽子、日傘、UVカット加工がされたカーディガンを着る等、なるべく肌を紫外線にさらさないようにしましょう。
室内にいるときでも窓から入ってくる紫外線を浴びています。できるだけ低刺激の日焼け止めを毎日つけることが大切です。
食生活
良質な母乳のためにもバランスの良い食事は大切ですが、それは肌にも同じことが言えます。特にビタミンとミネラルは、シミやそばかすが気になる人は積極的にとりたい栄養素です。
また、便秘による肌荒れを防ぐためにも、根菜、豆類、海藻類などの食物繊維を摂るように心がけましょう。授乳中は脂っこいものを控えたりしますが、植物オイルも適度に摂取しましょう。
ストレス発散
ママのストレスは肌だけではなく、赤ちゃんの心の健康にも影響を与えかねません。
たまにはパパやおばあちゃんに赤ちゃんを預けて、数時間でもいいので自分ために時間を使ってみてください。
カフェでゆっくりしても、お買い物をしても、美容院やエステに行っても、友達に会っても、何でも構いません。アロマを垂らした湯船にゆっくり浸かるのも良いですね。
笑顔のママでいるために、一人で抱え込みすぎず周りにサポートしてもらうことがとても大切です。
産後のお肌ケアは今が勝負
時間がないからといって自分のケアを後回しにしていると、数年後に後悔する時がやってくるかもしれません。いつまでも若々しいママでいるために、今できる最低限のお肌ケアをしておきたいですね。
産後の生活に関連する記事:産後のイライラ、原因と解消法
関連記事
■体の悩み
-
【医師監修】乳腺炎で発熱!病院に行くべき?症状・原因・対処法も詳しく解説2024.10.08
-
【助産師監修】白斑があっても、授乳して大丈夫? 取り方などを紹介2024.10.08
-
【助産師監修】生後1・2・3ヶ月ごとの授乳間隔・授乳回数の目安は?2024.09.17
カテゴリーランキング
AMOMAコラムについて
妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。
AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
その他のお問い合わせはこちらから
メールで問い合わせ