【助産師監修】赤ちゃんの咳、原因は?病院に行く目安、家でできる対処法は?
2018.10.11
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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咳が続くと大人でも辛いですが、身体の小さな赤ちゃんにとってはかなりの負担です。赤ちゃんの咳にはさまざまな原因が考えられ、対処法もそれぞれ違います。
今回は赤ちゃんの咳の原因、病院に行く目安、家庭でできるケアをご紹介します。
赤ちゃんの咳の原因は?
咳は身体の防御反応
咳は身体の防御反応です。気管にたまった分泌物や気道に異物が侵入しようとしたときに、これらを排除しようとするために起こります。
咳の原因としては、ウイルスや細菌・アレルギー物質・のどに落ちてきた鼻水などで呼吸器の粘膜が刺激された場合、ウイルスや細菌が呼吸器の粘膜に感染して炎症を起こした場合があります。
治療の必要がない生理的な咳の場合と、重篤化すると命の危険も考えられる咳を伴う病気の場合もあるので、注意が必要です。
咳の原因となる主な病気
咳の原因となる主な病気には下記の病気があります。
小児気管支喘息
ハウスダストやウイルスなどによる気管支の炎症により起きる発作的な咳。
急性上気道炎
喉に起きる風邪。ウイルスが原因で発症し、上気道部に炎症を起こす。
急性気管支炎
痰を伴う咳が出る、気管から気管支にまで及ぶ風邪。重症化すると肺炎に至る場合もある。
インフルエンザ
主症状は高熱、関節痛だが、咳が出る場合もある。
クループ症候群
犬やオットセイが吠える声に似た「ケン・ケン」という、特徴のある咳がでる疾患群のこと。ウイルス感染で風邪から進行することが多い。
重症化することがあるため、特徴的な咳をしていたらすぐに受診を。
肺炎
風邪をこじらせて発症する事が多い肺炎。子どもがかかりやすい主な肺炎として、細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、百日咳があげられる。
咳が出て病院に行く目安は?
赤ちゃんの状態をよく観察する
月齢の低い赤ちゃんは気道が狭いため、急に咳が悪化して呼吸困難を起こすことがあります。赤ちゃんの状態をよく観察し、受診するかを判断しましょう。
受診の際に、ビデオカメラ・スマートフォンなどで咳の音を録音したものを持参して、医師に聞いてもらうのもおすすめです。
病院へ行く目安
病院を受診するかどうかは以下を参考に判断しましょう。
家で様子を見る
◻︎軽い咳が出るが、元気で食欲がある
診療時間内に病院へ
◻︎咳が長引いている
◻︎咳がひどくて眠れない
◻︎咳がひどく食欲がない
◻︎発熱や下痢、嘔吐など他の症状も伴う
診療時間外でも急いで病院へ
◻︎一日中激しい咳が出て、水分がとれない
◻︎唇が紫色になり呼吸困難
◻︎ゼーゼー、ヒューヒューという音がして呼吸困難
◻︎胸がペコペコへこむほどの呼吸困難
◻︎声が出ない
◻︎突然のどに何か詰まったように激しく咳き込む(気道内異物)
◻︎ぐったりしている
咳が出るときの家庭でできるケア
赤ちゃんが苦しそうに咳込む姿を見ると、一刻も早く鎮めてあげたいですよね。激しい咳が続くと、体力が消耗して全身症状の悪化を引き起こすこともあります。
そんな時に、家庭でできる咳を和らげるケアをご紹介します。
水分補給をしっかりと
気道が潤っていると痰が切れやすくなります。咳が治まっている時に少しずつ水分を与えましょう。
離乳食前の赤ちゃんは、頻繁な授乳を心がけて。30分~1時間に1回を目安に、いつもより多く与えるといいでしょう。
咳き込んだら縦抱きに
赤ちゃんが咳き込んで苦しそうな時は、縦抱きにするか座らせて背中をトントンしてあげましょう。痰が切れやすくなります。
寝かせるときも小さめの枕やタオルを背中に当てて上体を少し起こしてあげると、気道が通りやすく呼吸が楽になります。
部屋を十分に加湿する
乾燥は咳の大敵です。部屋の湿度は加湿器などを使用して50〜60%ほどに保ちましょう。乾燥しがちな時期は湿らせたタオルを干しておくと湿度が上がります。
また、お風呂の湯気で呼吸が楽になることもあるので、熱などなく元気があればお風呂にさっと入れてあげましょう。咳がひどいときやゼーゼーするときは避けましょう。
部屋を清潔にしてホコリをたてない
ホコリも喉を刺激して咳の原因になります。掃除の時は赤ちゃんを違う部屋に移動してあげてくださいね。こまめな換気も大切です。
また、布団を清潔に保つために天日干ししたり、ダニやほこりを掃除機で吸い取るなどしましょう。
いかがでしたでしょうか。赤ちゃんは身体の不調を言葉で伝えることができないので、咳は発熱や嘔吐などの症状と同様に体調を知るためのバロメーターといえます。
咳の状態をよく観察して、赤ちゃんが少しでも早く楽になれるように対処してあげてください。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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