【助産師監修】母乳の正体は血液?母乳が出る仕組みや母乳を出す方法
2019.07.30
監修 浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。
ことまま
Mama writer
2017年1月生まれの女の子を育てている新米母です。夫は単身赴任なため、フルタイムで働きながら、ワンオペ育児に奮闘しています。育児疲れは仕事で癒し、仕事の疲れは娘の笑顔で癒しながら、毎日を乗り切っています。
タグをみる
待望の赤ちゃんが産まれ、いよいよ初めての授乳。母乳が出る体に神秘を感じる方も少なくないかもしれません。
それと同時に、母乳は何からどうやって作られているのだろう…と疑問を抱く方もいらっしゃると思います。
今回は、母乳ができる仕組みや、母乳育児のためにできることをわかりやすくお話しします。
■母乳が出る仕組みとは
母乳は血液から作られる
母乳は乳房の中の毛細血管に取り込まれた血液から作られます。その際、血液が赤くなる原因の赤血球は取り込まれないため、母乳は血液のような赤色にはなりません。
作られた母乳は乳管を通り乳頭から出て、赤ちゃんのもとへ届きます。
ホルモンが母乳を作る指示を出す
出産前後のママの身体の中では様々なホルモンが活躍しています。
妊娠中から、ママの体内では母乳を作る準備がスタートしていますが、本格的に授乳仕様のホルモンバランスに移行するのは出産を終えてから。
母乳分泌のメインとなるホルモンがプロラクチンとオキシトシンです。
赤ちゃんがおっぱいを吸うことで、プロラクチンが母乳を作るように指示を出し、血液で母乳が作られます。
するとオキシトシンが、作られた母乳を出すよう働いて母乳が出るような仕組みになっています。
■母乳を出す方法
血流を良くする
母乳の原料は血液であることをお話してきました。母乳を作るためには、原料をスムーズに届けることが重要です。
血流を妨げないよう、水分摂取や冷えの改善、筋肉の凝りの解消を心がけましょう。
食事をしっかり摂る
血液を作るのは日々の食事。母乳育児中は、1日当たり、通常時+350kcalのエネルギーが必要といわれるほど、母乳を作るには思っている以上にエネルギーを消費するのです。
出産後の食事で、母乳育児も大きく変わってきます。
母乳育児にいい食べ物をバランスよく食べることができればベストですが、とてもそんな余裕がないというママが多いでしょう。
無理なくバランスのいい食事を摂るために、目安として厚生労働省・農林水産省が作成している、妊産婦のための食事バランスガイドを参考に簡単にできるものを作ってみてくださいね。
漢方薬やハーブ
古くから母乳育児をサポートするものとして漢方薬やハーブが使われています。とくにタンポポの根や、フェンネルが有名な成分です。
簡単に摂り入れる方法として、母乳育児用のハーブティーなどもありますので、「母乳が足りてないかも…」と感じる方は試してみるのもいいかもしれません。
頻回授乳をこころがける
とにかく赤ちゃんに吸わせてください、と指導を受けたことのあるママも多いかもしれません。
さきほど、母乳の分泌はホルモンが関係していることをお話ししました。実は赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激はプロラクチンやオキシトシンの分泌を向上させます。
頻回授乳を繰り返すことで、母乳を作る機能が高まるということですね。
ただ乳頭が痛い、産後の体調が思わしくない場合はその限りではありません。無理をしない事も大切な事です。
休養を取る
出産を終えたばかりなのに、赤ちゃんのお世話は待ったなし。目まぐるしい毎日と、生活の劇的な変化に、ストレスを溜めてしまうママも多いようです。
しかし、ストレスはオキシトシンの分泌を減らし、母乳が出にくくなる一因となります。
ストレスの要因はすぐに解決できるものだけではないかもしれませんが、ひとりで抱え込まず、必要な時は家族や行政の手助けを受けましょう。
家事は最低限でも大丈夫。赤ちゃんのお昼寝の時に一緒に横になったり、アロマの香りでリラックスするのもおすすめですよ。
■母乳の仕組みを知り、楽しい母乳育児を
いかがでしたか。母乳は血液からできていること、母乳の分泌にホルモンが関わっていることをお伝えしてきました。仕組みがわかれば、母乳を出すために何をすればいいかもわかりやすいですね。
でも、ママの体質は人それぞれ。思うように母乳が出ないことがストレスになってしまう人もいますから、思いつめないでください。
赤ちゃんにとってはママが笑顔でいることがいちばん大切です。ママにとっての母乳育児が幸せなものになりますように。
関連する記事:
母乳育児を諦める前に!母乳不足を解消する方法
【助産師監修】完全母乳のメリット・デメリットは?完全母乳にするには?
関連記事
■体の悩み
-
【医師監修】乳腺炎で発熱!病院に行くべき?症状・原因・対処法も詳しく解説2024.10.08
-
【助産師監修】白斑があっても、授乳して大丈夫? 取り方などを紹介2024.10.08
-
【助産師監修】生後1・2・3ヶ月ごとの授乳間隔・授乳回数の目安は?2024.09.17
カテゴリーランキング
AMOMAコラムについて
妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。
AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
その他のお問い合わせはこちらから
メールで問い合わせ