母乳育児Q&A

【助産師監修】初乳とは?知っておきたい母乳の成分・色・栄養について

2018.09.03

Fumiko shibuya

Mama writer

2015年5月生まれの男の子を育児中の三十路ママです。天然でのんびり屋の父ちゃんと、プクプク泣き虫マンの3人家族。食事もお買い物もゆっくりできないけれど、赤ちゃんに振り回される毎日も悪くないと思っています♪

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

母乳量を気にしているママは多いと思いますが、その味や成分についてはどうでしょう?赤ちゃんが大好きなママのおっぱい、栄養満点でおいしいものを飲ませてあげたいですよね。

母乳を大きく2つに分けると「初乳」「成乳」と呼ばれることがあります。それぞれの色や成分の特徴と、おいしい母乳をつくるために気を付けるべきポイントをご紹介します。

初乳の色と成分

01赤ちゃん_初乳1

初乳とは、産後10日くらいまでの間に出る特別な母乳です。初乳が出る期間には個人差があります。通常の母乳(成乳)よりも黄色っぽくクリーム色をしており、トロっとしているのが特徴です。

また初乳には豊富な栄養と、細菌などから赤ちゃんを守るための免疫成分がたっぷり含まれています。

<初乳に多く含まれる主な成分>

・タンパク質
・ビタミンA、D、E
・IgA抗体
・コレステロール
・ラクトフェリン

上記以外にも様々な成分や栄養が、ぎゅっと詰まっています。

特にIgA抗体は、赤ちゃんの口から入り喉や胃、腸の粘膜を保護し細菌やウィルスの進入を防ぐ役割があります。赤ちゃんを風邪やアレルギーの発症から守ってくれるのです。

ラクトフェリンはタンパク質の一種で、大腸菌やカンジダ菌、C型肝炎ウィルスなどに対する免疫力を高めてくれます。

その免疫効果が注目され、ヨーグルトやサプリメントにラクトフェリンを配合した商品がたくさん流通しています。

初乳の味

03成乳1_赤ちゃん

甘みがなくほんの少し塩気があります。この塩分は胎便の排出を促すためといわれています。胎便とは羊水の不用な成分が腸に溜まったもので、赤ちゃんの初めてのうんちです。

初乳には赤ちゃんが外の世界で生きていくうえで大切なものがたくさん含まれています。初めての授乳はなかなかうまくいかず不安になってしまいますが、ほんの少しでも飲めば十分効果があります。

焦らずに赤ちゃんとスキンシップを楽しむ気持ちで授乳をしましょう。

成乳の色と成分

02初乳

成乳には乳糖(炭水化物)や脂肪が多く含まれ、初乳よりもカロリーが高くなっています。タンパク質や免疫成分は初乳と比べると少ないですが、引き続き成乳にも含まれています。

乳糖はカルシウムの吸収やビフィズス菌の繁殖を助け、体内を巡ってエネルギーを供給します。赤ちゃんが健やかに成長するための大切な成分です。

脂肪も赤ちゃんにとって主要なエネルギー源であり、脳神経の発達を助けます。

美味しくない母乳ってどんなもの?

05まずい母乳2

母乳の質が悪い場合、黄色みが強くなったり、膿が混じったような色になり、トロっとした粘りも出てきます。味の方も、甘みではなく塩気を感じたり、酸味がある場合もあります。

<母乳の質が悪くなる原因>

・食事の栄養バランス(脂っこい食事が続く場合)
・ストレス
・睡眠不足

これらは血行を悪くする要因となるので、おっぱいが詰まりやすくなってしまいます。おっぱいが詰まると古い母乳が溜まっていきます。

詰まりがひどくなると乳腺炎にまで発展してしまう危険性もあります。

またママが水分不足になるとおっぱいの出が悪くなってしまいます。1日に2リットル以上は水分補給をするように心がけてくださいね。

おすすめの飲み物はハーブティー、たんぽぽコーヒー、麦茶、ほうじ茶などです。

特にハーブティーは、おっぱいの出を良くするブレンドのものなど、ママの体調や気分に合わせて選べるのが嬉しいですね。

母乳の色や味をセルフチェックしよう

06セルフチェック_女性

赤ちゃんに栄養満点でおいしい母乳をあげるために、2~3日に1度は自分で母乳の色と味をチェックしてみてください。

最初からクリーム色でとろりとしていたり(出始めは青みがかった白色が理想)、塩気や酸味を感じたら、生活リズムや食生活を見直してみてください。

母乳が美味しくないと感じたら、溜まった分は軽く搾乳してから吸わせてあげるようにしましょう。

育児中は赤ちゃんのお世話にかかりきりで自分の事を後回しにしがちですが、食事や睡眠などママ自身の生活も大切に過ごしてくださいね。

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
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