助産師が教える!男性の精子検査とは?妊活中に受ける男性の検査。
2018.06.25
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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「妊活」という言葉が定着していますが、不妊の原因の50%は男性にあるといわれています。
男性のみなさんは、ご自身の精子の状態を知っていますか?精子の検査を行うことで、より前向きな妊活を行うことができます。
今回は、精子検査でどんなことがわかるのか、どんなことに気をつけたらよいのかをご紹介しています。
精子の検査でわかること
精子の数
1mlの精液の中に何個の精子が存在するか知っていますか?実は、1ml中に2000万個以上、1回の射精では1億個以上の精子がいるといわれています。
自然妊娠を希望する場合、そのうち50%~80%が動いていれば妊娠は可能とされています。しかし、例えば1ml中の精子が100万個しかいなかったとしても、妊娠できるケースもあります。
精子の数が少なかったとしても、総運動量が活発であれば可能性はゼロではありませんが、自然妊娠しにくいケースもあるようです。
精子の形
精子の中には、頭が大きすぎたり尾が切れていたりという「奇形」のものがあります。精子の数が多くてもそのほとんどが奇形であれば、受精が困難になってしまいます。
精子が通る路はスムーズか
健康な状態の精子が多くいても、卵子にたどり着かなければ妊娠はできません。精子が射精に至るまでの路に何らかのトラブルが起こることを精子通路障害といいます。
先天性の場合もありますが、多くは精管近くに静脈瘤ができ塞いでしまったり、事故やケガなどの手術が原因で起こったりします。
フーナーテスト
性交後の精子の状態を検査するフーナーテスト
フーナーテストとは、性交後の子宮頚管粘液の中にある精子の状態を調べる検査のことです。
どのくらい自然妊娠の可能性があるのかを知るために、射精後の精子が多く死滅していないか、正常に運動しているかを見ます。
検査方法としては、検査の12時間前くらいに性交を行い、その後子宮頚管から採取した粘液を顕微鏡で調べます。
先述の、精液検査で精子の状態が良かったとしても、女性の体に入った時の子宮頚管との相性が良くなければ、妊娠しにくい状態となってしまいます。
不妊の原因となる「抗精子抗体」
まれに射精が行われた後、膣内へ侵入しようとする精子に対して、女性側が間違えた判断でそれを外敵とみなしてしまい、免疫を作り攻撃してしまう「抗体」が存在します。これを抗精子抗体と言います。
また男性側も、精子を作り出す段階で、抗精子抗体を生み出してしまい、自滅しやすい精子を増やし、結果的に乏精子症になってしまうことがあります。
実は、不妊の原因の数%がこの抗精子抗体ではないかと考えられています。明確な原因は不明ですが、アレルギー体質の人に多いといわれています。
結果を踏まえての日常生活の過ごし方
食事に気をつけましょう
忙しさを理由に、3食摂らなかったり、暴飲暴食をしてしまったりでは、精子の質を下げてしまいます。ビタミンC、D、Eや亜鉛、カルシウムを多く摂ると良いでしょう。
インスタント食品などの加工されたものはなるべく控えるようにしましょう。
飲酒・喫煙を控えましょう
嗜好品はなかなか止められないかもしれませんが、妊活をしている間だけでも控えてみてはいかがでしょうか。実際のところ飲酒や喫煙は、乱れた食生活よりも精子に悪影響を及ぼすことがわかっています。
また、大量のカフェインもよくありません。頻繁にコーヒーを飲む場合は、カフェインレスのタンポポコーヒーなどに変えることをオススメします。
温めすぎないようにしましょう
精子は熱に弱いものなので下半身を温めすぎるような行為は避けましょう。
サウナに長時間入る、太ももの近くでPC作業をする、ブリーフなどの蒸れやすい下着をつけているなど、男性の日常生活を見直す事も必要です。
二人で協力し、ストレスフリーな妊活を
女性の生殖機能とくらべると、男性は幾分シンプルな構造になっています。その分、精神的なストレスがダイレクトに影響しやすいといわれています。
男性は精子を検査することで、結果によってはネガティブな感情が生まれるかもしれません。しかし、妊活とは本来、前向きなものです。
不妊の原因が男性であれ女性であれ、お互いを思いやることができなければ妊娠は遠のいてしまいます。
妊活自体がストレスとならないように、二人で過ごす空間は、アロマを焚いたり音楽を聴いたり、互いの趣味を一緒に楽しんでみたりと、リラックスした時間を過ごすことが大切です。
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管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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