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【助産師監修】妊活中にやっておくべき予防接種は?風疹・麻疹とは?

2019.06.11

Yoneco Oda

Yoneco Oda Mama writer

2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

妊娠中に妊婦が風疹や麻疹(はしか)にかかった場合、お腹の赤ちゃんの発達に影響が出たり、障がいを持って生まれてくる可能性があります。

風疹、麻疹(はしか)とはどのような病気なのか。妊娠前に予防接種を受けておいた方が良い理由などを、ぜひ妊活中に確認しておきましょう。

忘れないで!妊活中の予防接種

妊娠中は免疫力が低下

妊娠を希望する女性に忘れないでほしいのが予防接種を受けることです。妊娠中は免疫力が低下するため、感染症などにかかりやすく、かかった場合は重症化しやすくなります。

また、ウイルスがお腹の赤ちゃんにも感染すると重大な影響が出てしまう恐れもあります。

妊娠中のママの身体と未来の赤ちゃんを守るためにも、予防接種を受けて病気を予防することはとても重要なことなのです。

風疹や麻疹が流行

近年、成人の間で流行している風疹や麻疹(はしか)も妊娠中に気を付けたい病気の一つです。

すでに抗体を持っている人は感染を防ぐことができますが、十分な抗体を持っていない場合は風疹・麻疹ワクチンの予防接種を受けることで感染を防ぐことができます。

自分の母子手帳をみたり家族に聞いたりして麻疹や風疹にかかったことがあるか、予防接種の履歴があるかをまず確認しましょう。

不明な場合は病院で抗体検査を

不明な場合は病院に行って採血をして抗体価を測定してもらいましょう。

風疹・麻疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中はお腹の赤ちゃんへの影響を考慮し、接種することができません。そのため、妊活中に予防接種を受けて免疫をつけておくことが必要になってきます。

風疹とはどんな病気なの?

風疹とは

風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。主な症状として、感染して2~3週間すると発疹、38度前後の発熱、リンパ節の腫れが現れます。

風疹ウイルスの感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染と接触感染で人から人へと広がっていきます。過去に風疹にかかった人は抗体を持っている可能性が高いです。

また、感染しても症状が出ない不顕性(ふけんせい)感染の人もいます。

妊婦が風疹にかかると

特に妊娠初期(妊娠20週頃)に風疹の免疫が十分でない妊婦が感染した場合、お腹の赤ちゃんも風疹ウイルスに感染してしまいます。

難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの障がいを持った先天性風疹症候群(CRS)の赤ちゃんが生まれる恐れがあります。

先天性風疹症候群にかかるリスクは妊娠初期ほど確率が高く、妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%といわれています。

年代別の予防接種回数

風疹の予防接種は、現在は2回の定期接種となっていますが、昭和37年4月2日より前に生まれた女性と、昭和54年4月2日より前に生まれた男性は接種の機会がなかったようです。

また、昭和54年4月2日〜平成2年4月1日生まれの男女は予防接種を受けていても1回。平成2年4月2日~平成7年4月1日生まれの男女は接種回数が2回になりましたが、接種率が低いようです。

そのため、20〜40代の女性の約14%は風疹の感染予防に十分な抗体を持っていないといわれています。

抗体検査と予防接種を

風疹ワクチンは、妊娠中は接種することができません。接種1ヶ月前は避妊をして、確実に妊娠をしていない状態で接種をすることになります。また、接種後2ヶ月間は妊娠を避けなければなりません。

風疹はHI検査で16倍以上の抗体価があれば感染を予防できるといわれています。

予防接種が必要かどうかは、抗体検査(免疫の状態を調べるための血液検査)で分かります。

過去に予防接種を受けたか不明だったり、風疹にかかったことがはっきりとしていない方は抗体検査を受けましょう。

多くの自治体では風疹の抗体検査を無料で受けることができます。予防接種の費用を助成してくれる自治体もありますので、お住まいの地域の保健所に相談してみてください。

麻疹(はしか)とはどんな病気なの?

麻疹(はしか)とは

一般的に「はしか」と呼ばれていますが、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。

感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れ、2〜3日熱が続いた後に39度以上の高熱と発疹の症状が現れます。

麻疹ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強いといわれています。

一度感染すると一生免疫が持続しますが、一度もかかったことのない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています。

妊婦が麻疹にかかると

妊娠中に麻疹にかかると流産や早産を引き起こす恐れがあります。風疹同様に妊婦にとっては怖い感染症です。

麻疹は感染者と同じ部屋にいるだけでかかってしまうほど感染力が強く、予防が難しいといわれています。

感染を予防するためには麻疹ワクチンの接種が最も有効ですが、妊娠中は予防接種を受けることができません。

年代別の予防接種回数

麻疹は昭和53年度に1回の定期接種が導入されましたが、その後1回の接種では十分な免疫がつかないということが分かり、平成18年度から2回の定期接種になりました。

その後、1回の定期接種の世代にも追加接種が呼びかけられましたが、接種の広まりは十分ではなかったため昭和53年度〜平成2年度の間に生まれた人は免疫が弱いといわれています。

抗体検査と予防接種を

過去に予防接種を受けたか不明だったり、麻疹にかかったことがはっきりとしていない方は抗体検査と予防接種を受けましょう。

自治体によってはMRワクチン(風疹麻疹混合ワクチン)の接種費用を助成してくれる地域もありますので、お住まいの地域の保健所に相談してみてください。

パートナーも予防接種を!

妊婦だけの予防だけでは不十分

妊婦が妊娠前に予防接種を受けていれば風疹、麻疹の感染を確実に防ぐことができるかと言うと、残念ながらそうではありません。

2回の予防接種をしても抗体のつきにくい人や感染者と密接に接触すれば感染のリスクはあります。感染を防ぐためには妊婦のパートナーである男性も予防接種を受けることが勧められています。

男性も風疹・麻疹の予防接種を

最近の風疹の流行を見ると、感染者の7割が男性で、特に30〜50代の男性の感染が目立っていて子供の頃に予防接種が十分でなかった世代で多く発症しているのが分かります。(2018年調べ)

職場や電車内などでも周囲に妊婦さんがいる可能性があります。未来の赤ちゃんを守るためにも、男性も風疹、麻疹の予防接種を受けましょう。


自分が過去に予防接種を受けているかどうかは、母子手帳に記録されていますので、一度確認してみてくださいね。

麻疹、風疹はワクチン接種で赤ちゃんを感染から守ることができます。ぜひ妊活中にパートナーと一緒に予防接種の検討をしてくださいね。

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