運動・生活

【助産師監修】体外受精・顕微授精の体験談~合格発表待ちのような日々~

2018.09.21

Shun

Mama writer

お調子者でわんぱくな息子の育児奮闘中の30代ママです。育児や家事に協力的な夫に助けられながら、毎日楽しく過ごしています。仕事で疲れた日も、保育園にお迎えに行くと駆け寄ってきて抱きついてくる姿に癒されています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

現在、2歳9ヶ月の息子が一人います。2人目がなかなか授からず、体外受精に挑戦しています。

同じように悩んでいる方、体外受精に挑戦してみようと考えている方の参考になればと思い、体験談を書かせていただきました。

前回の記事(1度の採卵で25万円。体外受精の高額な費用と、妊娠までの遠い道のり)では、1回目、2回目の採卵について書いています。

今回は3回目の採卵。日程がようやく決まりホッとすると、ちゃんと成熟した卵が取れるだろうかという不安が出てきます。

そして卵が取れたら、今度は受精するのか、受精したら育つのか、と次から次へと不安とドキドキは続き、合格発表待ちのような日々の連続。祈ることしか出来ませんでした。

第1の関門:採卵。成熟した卵はとれるのか?

女医

朝早くに子供を親に預け、主人とともに病院へ。手術着に着替えて順番を待ちます。ベッドが10個位あり、1人終わったら次の人が呼ばれていきます。

緊張が高まっている一方、早く採卵したいというワクワクした気持ちも出てきて不思議な感覚でした。

やっと呼ばれ、採卵が始まります。私が受診した病院は、基本的に1つの卵を大事に育てて行くスタイルのため、私のように沢山の卵を育てるケースはまれでした。

そのためか、先生が内診を始めた時に「こりゃ、すごいな」と驚いていました。

無麻酔採卵の予定でしたが、量が多いので局部麻酔に変更。麻酔が入った時にズンとした痛みがあった程度で、その後の採卵では痛みを感じませんでした。

頭の上のモニターに卵が映し出され、刺されては吸われていきます。こんな光景を見られるのは治療をしているからなんだ、と貴重な経験をしていることに喜びを感じてしまいました。

結局、30個以上採卵したとのこと。そのうち成熟していて使えるものは10個程度でした。それ以外のものは小さかったり大きすぎたりで使えないとのこと。

それでも見えるものは全て取っておかないとお腹が腫れてしまうので、全部取るのだそうです。

第2の関門:体外受精と顕微授精。卵子は受精している?

顕微鏡

次の関門は受精です。採卵後、体外受精(ふりかけ)にするか顕微授精にするかの選択を迫られます。

体外受精とは、卵子の入っている培養液の中に選んだ元気な精子を入れて自然に受精させる方法のこと。

一方、顕微授精は人の目で選んだ元気な精子を1個針に吸い込み、卵子に刺して注入する方法です。人の手が加わるので「受精」ではなく「授精」というそうです。

顕微授精の方が授精率は若干良いといわれていますが、その後、胚盤胞にまで育つ確率はふりかけの方がいいといわれています。

男性側に問題がある場合においては、悩むまでもなく顕微授精を勧められることが多いです。しかし、どちらも確実100%ではないのです。だからこそ、どちらにするか悩むのですよね。

私の場合は、使える卵の数が多めにあったことと、主人の精子に問題がないことから、ふりかけでも充分だとのお話でした。

それでも1個の卵子も無駄にしたくないという気持ちがあり、半分ずつにすることにしました。

採卵の翌日、受精確認の電話をしました。合格しているか緊張の瞬間です。

前回、別の病院だった時は3個採卵して3個とも受精しなかったので、今回も全滅だったらどうしよう、とばかり考えてしまっていました。

結果10個とも受精していたとのこと。また1つ関門クリアです!

第3の関門:凍結。受精卵は胚盤胞まで育つのか?

シャーレを見る人

私はたくさん卵を育てていたため卵巣が腫れていて、今周期には子宮に戻せないとのことで全て胚盤胞まで育てて凍結することになりました。

卵巣が腫れている状態で戻してしまうと、着床した際にさらに腫れを起こし、ひどくなると入院しなければならなくなるからのようです。

初期で戻すのか胚盤胞まで育てるかという選択がなく、悩むことがなかったのは気持ち的に楽でした。

凍結できるかどうかはとても大きな関門。約1週間は、またもドキドキの日々でした。意味がないと分かっているのに、ついついネットを検索してしまったり…。

そして、凍結確認の日。なんと、8個の卵が胚盤胞になり凍結出来たとのことでした!とにかくホッとしました。

注射に通った日々は無駄ではなかったのだ、という気持ちが一番強かったかもしれません。そして、当分採卵をしなくていいという安堵の気持ちでしょうか。

採卵までの道のりが、私にとって思ったより大変だったのだと思います。そして、今までは普通に過ごしていた家族との時間も、大事な時間なんだと再確認させられました。

そして今:胚移植、着床という次のステップに向けて

家族

今は凍結している卵を戻すために準備しているところです。私の場合は自力で排卵することが難しいので、ホルモンを補充して戻す環境を充分に整えてからとなります。

何回かチャンスがあると思うためか気持ちにも余裕があり、まだ終わってもいないのにマラソンを走り終えたような妙な達成感を感じているのでした。

関連記事:「不妊治療ってどんなことをするの?治療の流れと費用について」

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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