【助産師監修】妊娠35週目(妊娠9ヶ月)のママと赤ちゃんの様子
2019.02.18
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠35週目は妊娠9ヶ月の4週目です。次週から始まる臨月を控えて、ママの子宮の高さはピークを迎えています。お腹の中の赤ちゃんは成長が進み、発育、発達が最終の段階に入っていますよ。
今回は、妊娠35週目(妊娠9ヶ月)のママと赤ちゃんの様子をご紹介します。
妊娠35週目(妊娠9ヶ月)の赤ちゃんの大きさ
妊娠35週目の赤ちゃんの身長は45〜46cmくらい。体重は2000〜2700gくらいです。
赤ちゃんの身長や体重にはかなり個人差がありますので、平均より小さかったり大きかったりしても、特に医師から問題があると言われなければ気にすることはありません。
赤ちゃんはこれから1ヶ月で体重が1kgくらい増加しますし、エコー検査は実際の体重数値と誤差が出る場合もありますので、あまり不安に考えすぎないようにしましょう。
妊娠35週目(妊娠9ヶ月)の赤ちゃんの成長
肺の機能が成熟する
妊娠35週目頃には、これまで発達を続けてきた肺の機能が整います。
赤ちゃんは毎日、横隔膜を上下させて呼吸の練習を続けてきたので、この時期に外の世界に出たとしても、問題なく自力で肺呼吸ができるようになっていますよ。
ふっくらとした体つきに
妊娠35週目の頃、赤ちゃんの体にはさらに皮下脂肪が蓄積されて体脂肪率は8%くらいになります。ふっくらとした赤ちゃんらしい体つきになっていきますよ。
手足や手首にはくびれが出てきて、ひじやひざにはくぼみも見られます。これまで羊水の刺激から赤ちゃんを守っていた胎毛が抜け落ちて、見た目は新生児と同じになります。
脳の発達が進む
妊娠35週目頃になると、脳神経の発達がさらに進みます。しかし、まだ神経系の連携は全ては整っていませんし、脳内物質も十分ではありません。
脳が完成するまでには、赤ちゃんが生まれてからも、これから数年間がかかります。
なぜなら、脳が完成するまでに発達してしまうと、頭が大きくなり過ぎてしまい出産時に産道を通れなくなってしまうからです。
そのため、赤ちゃんの脳は子宮内で必要最低限の発達をして出産に備えているのです。
妊娠35週目(妊娠9ヶ月)のママの様子
めまいやふらつき、貧血の症状に注意
妊娠35週目の頃、ママの血液量は妊娠前の約1.5倍に増加します。これは出産時の大量出血に備えるためなのですが、赤血球の数自体はそれほど増えないので血液が薄まります。
また、赤ちゃんに酸素や栄養を運ぶために、血液の6分の1が子宮に優先的に送られるのでママの脳に送られる血液量が減り、めまいやふらつきといった貧血の症状がでやすくなります。
貧血による転倒を防ぐために、特に立ち上がる時や座る時は、ゆっくりと動くようにしましょう。
妊娠中の貧血はよく見られる症状ですので、血圧が極端に高すぎることがなければ心配はいりません。
赤身の肉や魚介類、小松菜などの鉄分を多く含む食品を摂ることで貧血を改善することができますよ。
体重管理に気をつける
妊娠35週目は臨月を前に子宮底長が30cmほどになり、ますますお腹が前にせり出してきます。
出産まで残り1ヶ月で赤ちゃんは体重が約1kg増加しますので、ママの体重も今後1kg以上増えることになります。
妊娠35週目で体重が10kg以上増えてしまっているママは、安産を迎えるためにも体重管理に気を配りましょう。
妊娠9ヶ月は出産まであと少しという大切な時期なので、身体に負担になるような無理な食事制限を行うのではなく、栄養バランスのとれた食事や適度な運動をして体重管理を行いましょう。
逆に、大きくなった子宮に胃腸が圧迫されて食欲がなくなってしまうママもいます。
体重の増加が小さくやせ気味のママは、赤ちゃんに栄養を送るためにも、少量でも高カロリーな食事を心掛けてみてください。
一度にたくさん食べられない時は、食事量を小分けにして食事回数を増やして食べるようにするといいですよ。
前駆陣痛が始まるママも
妊娠35週目に入ると、前駆陣痛が始まるママもいます。前駆陣痛とは、本陣痛の予行演習のようなもので、ママの身体が出産に向けての準備をしていると考えてください。
本陣痛とは異なり、直接出産につながる陣痛ではありませんが、生理痛のような本陣痛よりも弱い痛みを伴います。不規則に痛みが現れて、痛みを感じる間隔はバラバラです。
姿勢を変えたり、温めたり、安静にしているとやがて痛みはおさまっていきます。辛い時はお風呂に入ると楽になります。
前駆陣痛だと思っていたら本陣痛だったいうこともありますので、お腹の痛みが前駆陣痛か本陣痛なのか判断がつかない時は、以下のことに注意してみてください。
・痛みが規則的にあり、徐々に増していく
・出血や破水がある
・下腹部に痛みがある
・安静にしてもお腹の張りがおさまらない
このような症状がある場合は早産や切迫早産の兆候かもしれません。すぐに病院へ連絡しましょう。
本陣痛の一番の特徴は、痛みの感覚が規則的になることです。陣痛が始まったら、まずは痛みの間隔を計って前駆陣痛かどうかを確認しましょう。
会陰マッサージを始めましょう
出産時の会陰切開や会陰の裂傷を防ぐために会陰マッサージを始めましょう。マッサージをすると会陰が柔らかく伸びが良くなるので安産にもつながるといわれています。
妊娠35週目の頃は、週に2,3回のペースで体調の良い日を選んでマッサージをしてみてください。
カレンデュラオイルを使えば産後の不快症状や疼痛、違和感が少なくなるというデータが出ているのでオススメですよ。
会陰マッサージの詳しい方法は 助産師が教える!会陰マッサージの方法・やり方 をご参照ください。
妊娠35週目の頃は、身体が重く動きづらくなりますね。臨月を前に出産、育児への不安も増して心身ともにストレスを感じやすくなってくるかもしれません。
お腹の赤ちゃんは成長が最終段階に入って、出産に向けての準備を進めていますよ。もうすぐ会える赤ちゃんを楽しみにして、リラックスした気持ちでこの時期を過ごせるといいですね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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