【助産師監修】妊娠29週目(妊娠8ヶ月)のママと赤ちゃんの様子
2018.10.22
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
タグをみる
妊娠29週目、妊娠8ヶ月の2週目に入りました。ますますお腹が大きくなって、これまで気にも留めなかった生活動作のしづらさに戸惑う方もいるかもしれませんね。
今回は、妊娠29週目(妊娠8ヶ月)のママと赤ちゃんの様子についてご紹介します。
妊娠29週目(妊娠8ヶ月)のママの様子
お腹がせり出す
お腹の赤ちゃんの成長と共にママの子宮もぐんと大きくなりお腹がせり出すようになってくる頃です。
足元が見え辛く動きにくいと感じることもあるので、特に段差がある場所などはゆっくりよく確認しながら行動するようにしましょう。大きなお腹で動くと疲れやすく、身体に負担がかかります。
下腹部や足の付け根に痛みや重苦しさを感じたら、身体に負担がかかっているサインです。無理をせず、ゆっくり休んでくださいね。
動悸や息切れを感じる
この時期の子宮底長は25〜28cm前後。子宮のてっぺん(子宮底)がみぞおちまで上がるほど大きくなり、子宮が心臓や肺を押し上げるようになって動悸や息切れを感じることも多いです。
同時に胃も圧迫されるようになり、胃もたれしやすくなったり、一度にたくさん食べられなくなってしまうこともあります。
そのような時は何回かに食事を分けて、トータルで一日の必要量となるように摂るようにしてみてください。
むくみが増える
むくみも増えてくる頃です。夕方からむくみを感じても翌朝になったら治っている程度なら生理的な範囲内なので心配ありませんが、一日中むくんでいる時は要注意です。
医師の診察を受けましょう。寝る時には足を高く上げたり、加圧ソックスを履くなど予防も大事です。
お腹がはる回数が増える
お腹の張りも頻繁になってきます。夕方から夜にかけて張りやすくなりますが休めば治ることが殆どです。休んでも頻繁に張る時は早産の可能性もあるため早めに受診をしましょう。
妊娠29週目(妊娠8ヶ月)の赤ちゃんの様子
赤ちゃんの大きさ
この時期の赤ちゃんは、身長約40cm、体重約1500gほどにまで成長しています。身体が大きくなって子宮内が狭くなり、動き回ることが少なくなってきました。
頭位の姿勢をとる
足を曲げて抱え込むような姿で、重くなった頭を下にした「頭位」の姿勢をとる赤ちゃんが増えています。現時点で逆子になっていても今後、頭位に変わることが多いので、過度な心配は不要です。
皮下脂肪が増え、体重増加が目覚ましい時期です。シワシワで透明だった皮膚は少しふっくらして白っぽくなってきています。
生存に必要な機能がほぼ完成する
脳の発達も著しく、細胞の数が増加して脳のシワが増えてきています。また、聴覚が完成しているので、ぜひたくさん語りかけてあげてください。
心臓や肺、腎臓などの生存に必要な器官の機能はほぼ完成しました。万が一早産になってしまっても、適切な医療措置を受ければ育つ可能性が高まる時期ではありますが、まだ呼吸は未熟な状態です。
呼吸の練習を始める
誕生に備えて、定期的に肺を膨らませて呼吸の様な動きをして呼吸の練習をしている頃ですので、もうしばらくはお腹の中で育つ必要があります。
この時期に気をつけたいトラブル
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降、身体への負担が大きくなるにつれ発症しやすくなる血管の病気です。診断基準は高血圧がみられるかどうかで、たんぱく尿が伴う場合もあります。
発祥すると胎盤の血流が悪くなり、赤ちゃんに十分な酸素や栄養素が送れなくなってしまい、赤ちゃんの発育が遅れてしまう恐れがあります。
早産や常位胎盤早期剥離のリスクも高まり、重症化すると脳出血を起こすなど重篤な状態に陥る危険もあります。
妊娠高血圧症候群を防ぐためには、規則正しい生活を送ること、適切な体重管理、ストレスを溜めない、適度な運動など健康的な生活を心がけることが大切です。
また、以下に当てはまる方は、身体への負担が大きく妊娠高血圧症候群のリスクが高まりやすいので特に気をつけましょう。
高齢出産/初産婦/肥満/もともと血圧が高め/多胎妊娠/持病がある
貧血
妊娠中の全期間を通して起こりやすい貧血ですが、後期になるほど悪化する傾向があります。
妊娠すると鉄分が優先的に赤ちゃんに送られるようになるため貧血が起こりやすくなります。
加えて後期になると、体の水分量が増えて血液の濃度が薄くなるため、さらに症状が進むことがあります。
主な症状は、疲れやすさや息切れ、動悸、めまい、頭痛などがあげられます。また、血液によって赤ちゃんに送り届ける酸素や栄養素が不足してしまう可能性もあります。
貧血が強い妊婦さんから生まれた赤ちゃんは低体重児が多いという報告もあります。貧血を予防するには、鉄分を意識したバランスの良い食事を摂ることが基本です。
偏った食事にならないようにし、また体内に吸収されやすいヘム鉄を含む肉や魚などの動物性たんぱく質の食材を積極的に取り入れましょう。
一緒に摂りたいのが鉄の吸収を促すビタミンC。ネトルが入ったハーブティーは鉄分とビタミンCが含まれているので特におすすめです。
いかがでしたでしょうか。赤ちゃんの存在感がますます強くなり、会える日が待ち遠しいことだと思います。
大きくなったお腹で身体に負担がかかりやすい時期でもので、決して無理をせず、赤ちゃんを迎える準備をしていきましょう。
関連する記事
助産師が教える!おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)の仕方
【助産師監修】赤ちゃんは大丈夫?妊娠中期・後期のお腹の張り
関連記事
■体の悩み
-
【医師監修】乳腺炎で発熱!病院に行くべき?症状・原因・対処法も詳しく解説2024.10.08
-
【助産師監修】白斑があっても、授乳して大丈夫? 取り方などを紹介2024.10.08
-
【助産師監修】生後1・2・3ヶ月ごとの授乳間隔・授乳回数の目安は?2024.09.17
カテゴリーランキング
AMOMAコラムについて
妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。
AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
その他のお問い合わせはこちらから
メールで問い合わせ