【助産師監修】妊娠12週目(妊娠4ヶ月)のお腹の中の赤ちゃんの様子について
2018.01.25
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠12週目は妊娠4ヶ月の最初の週にあたります。妊娠12週目の頃は、ママの体と赤ちゃんの状態が安定し始める時期といわれています。
胎盤が完成に近づくので、母体や赤ちゃんの状態にも変化があらわれてきます。今回は、妊娠12週目のお腹の中の赤ちゃんは、どのように成長していくのかを詳しく紹介します。
妊娠12週目の赤ちゃんの大きさ
妊娠12週目の赤ちゃんは、頭からお尻までの長さが6cmくらいで、だいたい成人女性の中指の第二関節くらいの大きさです。
妊娠12週目の頃になると、今までは活発に細胞分裂を繰り返して、急成長を続けてきた赤ちゃんの成長が少し緩やかになります。
手足の骨や筋肉の発達が進むので、赤ちゃんはママの子宮の中で体を曲げたり、伸ばしたり、キックをしたりして元気に動いています。
妊娠12週目では、胎動を感じるのはまだ先になりますが、超音波検査ではそんな様子を見ることができるかもしれませんね。
妊娠12週目の赤ちゃんの発達
・内蔵や消化器官が機能し始める
すでに機能し始めている心臓、肺、腎臓、脳に加えて、消化器官や肝臓、脾臓も機能し始めます。肝臓は胆汁を作り出し、脾臓は尿を作って膀胱に送っています。
消化器官が発達することにより、この時期の赤ちゃんは口から羊水を飲み込んでおしっことして排泄するという動きを繰り返しています。羊水を飲み込む時にまるで呼吸しているような動きを見せます。
酸素は胎盤から取り入れているので実際に呼吸はしていませんが、鼻・口から肺などの気官が完成し、口をパクパクし横隔膜を上下させます。
見た目がさらに人間らしくなる
このころ産毛が生え始め、まつげや眉毛も生えてきます。透明だった皮膚も分厚く硬く成長することで保護機能が高まるので、赤ちゃん自身はどんどん丈夫になり、健康な状態で生まれる可能性が高まります。
顔のパーツもできあがり始め、目や鼻のつくりも細かくなってきます。妊娠12週目の頃はまだ音は感じられませんが、耳の形も整ってきます。
聞こえるようになる時期は妊娠24週目過ぎといわれていますが、今からでもやさしくお腹に触れて話かけてあげる習慣があると母性の成長に役立ちます。
また、この時期に咽頭(のど)の声帯が発達を始めます。生まれたときの産声の準備がすでに始まっているのですね。
胎盤が完成に近づく
胎盤はだいたい妊娠12〜16週目の間にできあがりますが、早い人だと妊娠12週目頃に完成します。胎盤が完成すると、赤ちゃんは胎盤から酸素と栄養をもらい、二酸化炭素や老廃物を胎盤に排出します。
胎盤は、まさに赤ちゃんにとって大切な命綱なのですね。
胎盤が完成すれば、胎盤からも妊娠に必要なホルモンが分泌されるようになるので、ママの体内のホルモンバランスが安定してきて、つわりの症状が和らいできます。
また、基礎体温も徐々に下がってきますので、熱っぽさやだるさも解消されてきますよ。
ママの体の状態
お腹周りを締めつけないように
妊娠12週目の子宮のサイズは、グレープフルーツくらいの大きさになります。おなかのふくらみが大きくなり、これまでの衣類がきつく感じ始める方もいるでしょう。
きつい衣類でお腹周りの血流をさえぎらないようにしましょう。マタニティブラの着用を開始したり、マタニティパンツ、マタニティジーンズなどのゆったりとした衣類を着るように工夫してみてくださいね。
急激な体重増加に注意
妊娠12週目頃は、つわりが落ち着いてくる時期ですね。つわりが治まる時期には個人差がありますが、多くの方は妊娠12~16週目頃につわりが治まってくるといわれています。
つわりが治まると、しだいに食欲が増加していきますが、食べ過ぎには注意しましょう。急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群や糖尿病などの妊娠中のさまざまなトラブルを招くリスクが高まります。
正常な体重増加の範囲はだいたい7〜12kgです。バランスの良い食事をとるように心掛けて、体重管理を始めましょう。
マイナートラブルに気をつけて
つわりが治まってくることで、今度はマイナートラブルを意識し始める方が増えるかもしれませんね。大きくなった子宮に膀胱や腸が圧迫されるので、尿漏れ、便秘などの症状に困らされるようになります。
また、腰痛が起こることもあります。これは、出産に向けて分泌されるリラキシンというホルモンの作用で骨盤やお尻の筋肉が緩みやすくなる為、それを腰の筋肉で支えようとするからです。
胎盤が完成すると、酸素や栄養が十分に赤ちゃんに届けられるようになり、子宮内膜も安定してくるので、流産の危険性は低くなります。
安定期が近づいてきたとはいえ、まだまだ体調には用心してご自身の体をいたわりながら過ごすようにしてくださいね。
以上、妊娠12週目のお腹の中の赤ちゃんは、どのように成長していくのかを紹介しました。
この時期になるとつわりも緩和され、心身共に落ち着いてくるかと思います。体調に余裕のある時に、出産に必要なものを準備したり、安定期に入ってやってみたいことの計画を立てるのもいいかもしれませんね。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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