体の悩み

【助産師監修】妊娠中に乾燥するのはなぜ?原因や肌荒れの対処法について

2017.09.26

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

妊娠してから肌質が変わって、乾燥肌や肌荒れに悩まされている方が多いかもしれませんね。
今回は妊娠中の乾燥の原因や肌荒れの対処法についてご紹介します。

妊娠中に肌が乾燥するのはなぜ?

体表面積がひろがるため

妊娠すると体重が増え、その分皮膚が伸びてしまいます。特にお腹周りは皮膚組織が伸ばされて薄くなり、表皮がひっぱられ乾燥しやすくなります。

ホルモンバランスの変化

妊娠すると、エストロゲンやプロエストロゲンなど女性ホルモンの分泌が一気に増え、逆に男性ホルモンのバランスが低下するようになります。

男性ホルモンには皮脂分泌を促進するはたらきがあるため、その男性ホルモンのバランスが低下すると肌が乾燥しやすい状態になり、肌荒れなどのトラブルを起こしやすくなります。

血行不良・貧血

おなかが大きくなることによる姿勢の変化や骨盤の歪み、ホルモンバランスの変化、運動量の低下などにより、妊娠中は血行不良になりやすいといわれています。

また妊娠すると赤ちゃんに酸素や栄養を送るためにたくさんの鉄分が必要になり、赤ちゃんには優先的にママの体の鉄分が使われ、貧血が起こりやすくなります。

栄養は血液によって全身に運ばれていくため、血行不良や貧血になると、栄養を皮膚までスムーズに行き届けることができなくなるのです。そのため、皮脂の分泌が減って肌の水分量が減り、乾燥肌になってしまうことがあります。

乾燥すると起こる症状

かゆみ

乾燥がすすむと、かゆみの症状がでてきます。体全体がムズムズしたり、チクチクと刺激感があるような強いかゆみがでる場合もあります。
特に妊娠中期〜後期になるとこのような症状が起きやすいようです。

これらの症状は「妊娠性皮膚掻痒症(にんしんせいひふそうようしょう)」と呼ばれており、全妊婦の2〜3%に見られるようです。

ほとんどの場合は出産後に治りますが、かゆさに耐えきれず掻きむしったりしてしまうと、そこから二次的に発疹や苔癬化(一定範囲のぶつぶつ)、色素沈着などの症状がでてしまう恐れがありますので注意が必要です。

かゆみがひどい時は専門機関へ受診を。妊娠中でも使用できる軟膏などを処方してもらえます。

妊娠線

乾燥は顔だけでなく、身体全体にあらわれることも。肌が乾燥していると表面のうるおいがなくなり、柔軟性がなくなります。
妊娠してお腹や胸、お尻などが大きくなることで、急激にひっぱられた皮下組織が対応しきれず、弾性繊維が裂けて妊娠線ができてしまうことがあります。

肌が乾燥して柔軟性がない状態だと、一層妊娠線ができやすくなります。また、かゆみを感じ始めた部位は妊娠線ができるサインと言われていますので早めにケアを。
妊娠線は一度できてしまうと完全に消えることは難しいので、あらかじめケアをしておくことが大切です。

乾燥・肌荒れの対処法

スキンケアは保湿を心がけて

肌の水分を補うためにも、十分に保湿ケアをおこなってください。妊娠によって肌質が変わった場合、いままで使っていた化粧品が合わなくなることも。

乾燥しているときは肌もデリケートになっているので、敏感肌用のスキンケア商品など刺激の少ないものを選ぶと良いでしょう。また、洗顔は乾燥を防ぐために熱いお湯は使わず、ぬるま湯で洗うことが大切です。

妊娠中のスキンケアは、肌をしっかり「保湿」して乾燥を防ぎ、皮膚の「柔軟性」を保つことが重要です。皮膚科医と助産師の共同研究によると、保湿力はローション<クリーム<オイルの順で増えていくと言われています。身体の保湿は、妊娠中でも安心して使える妊娠線予防オイルがおすすめです。

身体の内側からも水分補給を

スキンケアをしっかりしているにも関わらず肌がカサカサ…。
水分補給はマメにしていますか?
乾燥肌は、身体の外側からだけでなく、内側からもしっかり水分補給をすることが大切です。

人は一日最低1.5〜2リットルの程度の水分が必要で、妊娠中は赤ちゃんの分も合わせてそれ以上に飲むことが望ましいと言われています。

妊娠中はむくみやすく、水分のとりすぎがむくみの原因と誤解されがちですが、むくみの原因は塩分のとりすぎ。意識して、こまめに水分補給をするようにしましょう。

冷たい飲み物は身体を冷やして血行を悪くしてしまうので、できるだけ温かい飲み物を飲むようにしましょう。

中でも妊娠中でも安心して飲める、妊婦さん専用のハーブティーがおすすめです。特に身体を温めてくれるジンジャー、身体のめぐりを整えるクリーバーズ、鉄分やビタミンC、葉酸を含むネトルなどは、乾燥に悩む妊婦さんにぜひ取り入れてもらいたいハーブです。

肌を清潔にしていたわる

汗をかいたらタオルでふき、シャワーや入浴で体を清潔にし、肌にやさしい綿100%の肌着を着けること。化学繊維の下着は刺激が強く乾燥が進みやすいといわれていますので、できるだけ避けてください。基本的なことですが、デリケートな妊娠中は特に気を使いましょう。


いかがでしたでしょうか。
妊娠中の乾燥は、身体の外側からと内側からのケアが大切です。スキンケアや水分補給をリラックスタイムの一環として、ぜひ取り入れてみてください。

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
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メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
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日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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