【助産師監修】お腹の中での赤ちゃんの成長～妊娠週数の数え方や赤ちゃんの様子～

夏川 ユキ

Writer / 看護師

0歳2歳の姉妹を育てています。看護師ですが育児休業中で、将来はお母さんたちの支えになれるような助産師、もしくは産科の看護師として働きたいと思っています。食事や健康、育児について学ぶのが大好き。アロマやハーブティーに触れる時間が憩いのひとときです。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

今回は妊娠週数ごとの気になる赤ちゃんの成長についてお伝えしていきます。少し知っていると更に赤ちゃんへの愛情が深まりますよ。

妊娠週数の数え方がいまいち分からないという方のために、まずは妊娠週数の考え方もわかりやすく説明していきます。

妊娠に気づいた時にはもう2ヶ月？？

妊娠週数の数え方

妊娠週数は最終月経の開始日を妊娠0週0日と数えます。つまり、妊娠0～2週は妊娠までの準備期間。実際にこの時はまだお腹に赤ちゃんはいないのです。なんだか不思議な数え方ですよね。

でも、このとき赤ちゃんの始まりとなる卵子は卵巣の中で着々と成長しているのです。月経周期は人によって若干の差がありますが、平均的には28日といわれています。

妊娠成立

月経開始から14日後あたりが大体排卵日といわれますので、このあたりでパパの精子が体内に入って、受精することができたら卵子は受精卵になります。

この受精から約1週間後、つまり妊娠2週後半から3週前半には受精卵は子宮へと到達し、ママの子宮内膜に着床してはじめて妊娠成立となるのです。

妊娠に気が付くのは月経が遅れたためという方もおおいですが、月経が遅れたな、と思ったときには既に4週、つまり妊娠2ヶ月目になっているというわけです。

さて、ここからは赤ちゃんの成長についてのお話しです。

妊娠初期の赤ちゃんの様子

妊娠1ヶ月（0～3週）

約3週で妊娠成立、つまり月経予定日の約1週間前です。受精卵の大きさは約0.1㎜ですが、妊娠3週目後半には赤ちゃんの大きさは約1㎜、体重は約1gになります。

外観はタツノオトシゴのような形で「胎芽」といいます。こんな短期間に著しい成長ですね。

妊娠2ヶ月（4～7週）　サクランボ1個くらいの重さ

2ヶ月後半の赤ちゃんの頭からお尻までの大きさ（頭殿長）は約12㎜、体重は約4gです。目や耳、口、手足など器官の形がつくられはじめます。

6～7週になると、ほとんどの方が心拍の確認ができるそうです。

成長中の赤ちゃんの体内では、毎分100万個以上もの細胞が増えています。心臓の動きもとても早くて、大人の2倍の回数、1分間におよそ140～150回も打っています。

赤ちゃんの心拍を聞くと「一生懸命生きているんだなぁ。」と、とても感動するはずです。早い方は、この頃からつわりが始まります。

妊娠3ヶ月（8～11週）イチゴ1個くらいの重さ

3ヶ月後半になると頭殿長は約47㎜、身長は約75㎜ほどになり、体重は約20gになります。頭と胴体、手足の区別がはっきりとしてきます。

だいぶ赤ちゃんらしい形になりますが、脳が他の器官より早く成長するので、頭は体全体の半分を占めています。小さな小さな顔には目や鼻がはっきりみえてきて、乳歯の芽もできてきます。

泌尿器系の発達もすすみ、羊水を飲んでおしっこするようにもなります。

妊娠4ヶ月（12～15週）レモン1個くらいの重さ

4ヶ月後半の赤ちゃんの身長は約16㎝、体重約100gです。胎盤も完成して、ぐんぐん身体が大きくなる時です。赤ちゃんの手足は伸び、更に動きが活発になります。

腎臓の機能も発達して、羊水を飲んでは尿として排出するのを繰り返します。全体的に骨がしっかり発育してきて、エコーでも太ももの骨もしっかり見えてきます。

妊娠中期の赤ちゃんの様子

妊娠5ヶ月（16～19週）オレンジ1個くらいの重さ

身長約25㎝で大体出生時の半分くらいの大きさ、体重は約280gになります。3頭身になり、全体に皮下脂肪もつきふっくらしてきます。

髪の毛や眉毛がふえ、指には指紋もでき細かい部分までできあがってきます。このころの赤ちゃんは指しゃぶりを始めます。おっぱいを飲む練習をしているのです。

しっかりとしたしゃっくりや、強いキックもするようになるのでそろそろママにも伝わるかもしれません。この頃から妊娠線予防にオイルなどでマッサージを始めるといいでしょう。

妊娠6ヶ月（20～23週）メロン中玉1個くらいの重さ

身長約30㎝、体重約700gです。超音波検査画面に全身が一度にはうつりきらないほど大きくなってきます。初産婦さんもこの頃からはっきりと胎動を感じはじめます。

発育スピードは前月より遅くなりますが、その分臓器が成熟してきます。このころには、生殖器も発達してきて、エコーでも性別がはっきりみてとれるようになります。

臓器だけでなく、皮膚感覚も完成に近づき敏感になります。

妊娠7ヶ月（24～27週）キャベツ1個くらいの重さ

身長約38㎝、体重約1200g。聴覚、視覚が発達し外の世界の音や光を感じます。これまで、目は薄い瞼に覆われていたのが、上下に分かれて開けるようになります。

でも、まだまだ外の明暗くらいしかみえません。これに対し聴覚はほぼ完成してきます。身長の伸びはゆるやかになる時期ですが、体重は皮下脂肪がつき増えてきます。

妊娠後期の赤ちゃんの様子

妊娠8ヶ月（28～31週）かぼちゃ1個くらいの重さ

身長約43㎝、体重約1800g。主要な器官はほぼ完成します。万が一早産になってしまっても、大部分の赤ちゃんは問題なく成長できるくらいにまでなっています。

ですが、産まれてすぐに呼吸を始めるのに大切な器官である肺だけはまだ未熟です。これから、産まれるときまでゆっくりと成熟していきます。

エコーでもしっかりとお顔らしいものも見え、角度によっては表情もみえます。手や足をばたつかせる様子は、お腹からでてきた赤ちゃんと変わりなくとても愛らしいです。

妊娠9ヶ月（32～35週）中くらいのパイナップル1個くらいの重さ

身長約47㎝、体重約2500g。皮下脂肪もだいぶ増え、髪の毛もはえ、爪も指の先端まで出来上がってきます。外見はほぼ、新生児です。

これまでは全身を刺激からまもり、保湿するために胎毛とよばれる毛で全身が覆われていましたが、それがなくなってきます。

35週には肺がやっと完成です。これで万が一産まれても安心ですがまだ臨月までお腹の中に入れておいてください。

妊娠10ヶ月（36～39週）中くらいのスイカ1個くらいの重さ

身長約50㎝、体重約3100g。出産の予定日は妊娠40週0日とされますが、37週に入ると正産期（せいさんき）といわれ、いつ産まれてもいい時期となります。

ほとんどの赤ちゃんがこの時期には、産まれるためのスタンバイの体勢になります。頭を下にして、顎を胸にくっつけ、足も膝から曲げておなかにひっつけます。

まぁるくなったかわいい赤ちゃんの様子が目に浮かびますね。狭くないのかな？と思いますが、このような体勢でも赤ちゃんは体全体をねじったり、手足を動かしたりするんですよ。

妊娠がわかってからの約8ヶ月、出産までの期間はとても待ち遠しく早く赤ちゃんに会いたくなりますが出産してみると、あっという間に感じられます。

赤ちゃんが産まれてからはできなくなる事もたくさんありますので、色々制限はありますが今しかできないことをしてマタニティライフを楽しみましょう！

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