体の悩み

【助産師監修】妊娠初期の眠気はいつまで?原因と対策

2018.07.30

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

眠気は多くの人が感じる妊娠初期症状の一つです。どれだけ夜間にしっかり寝ても眠くなるのが特徴で、一種のつわりだといわれています。

強い眠気があるときに眠れたらいいのですが、仕事や家事があるとそうはいきませんよね。今回は、妊娠初期の眠気はいつまで続くのかとその原因、対策についてお話しします。

妊娠初期の眠気の原因と期間

眠る女性

眠気の原因はプロゲステロン

妊娠初期にとにかく眠いという経験をした方も多いと思いますが、実はその原因は、プロゲステロンというホルモンが増えるからなのです。

プロゲステロンは、黄体ホルモンと呼ばれ、排卵した後の残った卵胞から分泌されるホルモンです。役割は妊娠をしやすくしたり、妊娠を維持させたり、乳腺を発達させたりして妊娠を助けてくれています。

プロゲステロンは妊婦さんにとっては必要不可欠なホルモンですが、副反応として眠気や頭痛、浮腫み、便秘などを引き起こしてしまうことがあるといわれています。

眠気は軽度なものから強いものまで人によって様々ですが、誰しもが感じている症状です。

眠気が強いのは15週前後まで

プロゲステロンは胎盤が出来上がると胎盤から分泌されるようになり、分泌量も徐々に増加、妊娠8ヶ月くらいでピークに達し、その後低下するといわれています。

つまり、実は眠気の原因物質は妊娠中ほぼずっと分泌していることになります。

特に妊娠初期は胎盤が出来上がったり、つわりがあったりと妊娠に合わせて心と体が急激に変化するため、眠気を感じやすくなってしまいます。

しかし、ずっと眠気を感じているわけではなく、妊娠15週頃になりつわりが落ち着くと眠気が落ち着く方が多いようです。

妊娠初期の眠気の対策

眠気覚ましのストレッチをする

ストレッチをする女性

柔軟体操やストレッチをすることで、体の筋肉がほぐれ気分転換になります。眠気を感じたらまず立ち上がり、手を上に上げて上半身を伸ばす運動をしてみましょう。

次に首や手をゆっくり回して血流を改善させて体を目覚めさせます。

少し体を動かすだけでも眠気がましになることが多いので、仕事中でストレッチができない場合は椅子から立ち上がる、少し歩くなど動く動作をしてみると眠気がすっきりすることがあります。

常温~やや冷たい飲みものを飲む

飲み物を飲む女性

一息ついて疲れを取るためにも、常温〜少し冷たい飲みものを飲むなど、リフレッシュをして眠気を取りましょう。

冷たすぎる飲みものは体を冷やしてしまうので注意しましょう。また一度にたくさん飲むと体が冷えたり、気持ち悪くなったりする方もいるので、少しずつ飲んで気分転換を図りましょう。

アロマオイルで眠気を覚ます

初期眠気アロマオイル

飲み物は血液に乗って運ばれるため、ゆっくりと体に働きかけますが、すぐ眠気を覚ましたい時はアロマオイルがおすすめです。香りはダイレクトに脳に届くため即効性があるとされています。

特にレモンは妊娠初期から使え、スッキリとした香りで思考をクリアにしてくれのでおすすめです。妊娠中は使えないアロマオイルも多いので、妊娠初期から使えるアロマオイルを選びましょう。

寝る前のお風呂で熟睡を促す

お風呂に入る女性

毎日の睡眠の質が悪く眠りが浅いと、日中にさらに眠気が起こります。そのため、まずは規則正しい生活を送り、熟睡できる方法を試すとよいでしょう。

人が眠くなるのは体温が低下するときなので、寝る前にゆっくりお風呂に入って体温を上げておくと入眠がスムーズにいきます。

お風呂に入り血流が改善することで全身の凝りや疲れを取ることもできます。さらにお風呂で、柑橘系のアロマの匂いをかぐと、つわり中でも癒しやリフレッシュを助けてくれるでしょう。

風呂桶の中に少しお湯を入れて、アロマを適量入れると蒸気と一緒に香りが広がります。

無理せず眠る

眠る女性

妊娠初期はつわりや体が急激に変化することで疲労しやすく眠気が強くなります。そのため、眠気が強いときは我慢せず眠ることが一番です。

家事は必要最低限にして時々昼寝を挟んだり、用事は午前中に済ませたりして対応しましょう。日頃から車を運転する人は十分気をつけましょう。眠気がきたらパーキングに止めブレイクしましょう。

また仕事をしている方は、昼休憩のときに15分だけでも体を横にすると楽です。

午後2時~3時頃にちょうど疲れがピークになり眠気や疲労を感じやすいので、どうしても眠気が強いときは、会社に伝えて15分だけでも目をつむらせてもらうと眠気が軽くなります。

妊娠初期の眠気は休めのサイン

伸びをする女性

妊娠初期の眠気は、つわりや急激な心と体の変化に対応して起こるものです。眠気は自分の体が休んで欲しいとサインを送っていると思って、無理しないようにしましょう。

毎日のスケジュールは余裕を持って組んで、昼寝や休憩を小まめに取るようにして下さい。


妊娠初期は、寝不足でもないのに強い眠気を感じる方が多いようです。それは妊娠を継続させるためにおこる体の正常な反応なのです。

妊娠初期の眠気はいつまで続くのかとその原因と対策を知って、うまく乗り越えましょう。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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