助産師が教える!妊娠中に良い食べ物・食べ方
2018.06.22
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
タグをみる
妊娠すると、食事をする時もできるだけ添加物や着色料、保存料が入っていないものを摂りたいと思いますよね。
すべて自然のものに変えるのは大変なので、調味料・小麦粉・お米などから取り入れてみることをオススメします。
妊娠中に良い食べ物
1.主食を未精製のものに変える
精製していないものには、ミネラルが沢山含まれています。ミネラルは神経を鎮めたり、肌の伸びをよくしたりする、とても大事な成分です。
お米で栄養があるのは胚芽の部分のため、「胚芽米」をオススメします。多くのミネラルやビタミンが入っていてとても栄養があります。玄米や雑穀米も良いですね。
また、パンも白くて柔らかいパンより、全粒粉やライ麦などで作った雑穀パンがよいでしょう。今の日本の食卓は精製しているものが多く、それがアレルギーの要因になっているともいわれています。
食物繊維が多い物を食べると、食物の有害なものも一緒にとりこんで外に排出してくれるので体に良いのです。毎日だと負担に感じる人は、無理せずまずは週末だけからでも始めてみましょう。
妊婦さんは便秘になりやすいので、ミネラルのある食事を心がければ、快腸になってお肌の調子も良くなります。
便秘対策については、妊婦さんのお悩み-便秘の原因と解消法-に詳しく書いていますので合わせてご参照ください。
2.異種タンパクを取り過ぎない
一昔前は「妊娠したら二人分食べましょうとか、カルシウムの補給には牛乳を多めに飲みましょう。」といわれた時代もありました。
しかし、外食することが多くなった今の妊婦さんの状況を考えると、改めて食生活を見直さなければなりません。
人間のタンパク質とは組成が違う他の動物のタンパク質を異種タンパク質と言います。
アレルギー予防上からも、妊娠8ヶ月~生後8ヶ月は、特に異種タンパク質の過剰摂取には気をつけましょう。(8の法則と言います。)
牛乳、卵はとりすぎないようにし、お魚やチキン・赤身のお肉・豆腐などをバランスよく摂取しましょう。毎日単一のタンパク質だけだとアレルギーになりやすいようです。
たとえば今日は豚だったら、明日は鶏肉、次の日は魚、というように回転させましょう。
私はアトピー体質なので、妊娠中は牛乳・卵を控えて、小松菜やじゃこ・植物性蛋白(湯葉や豆腐・大豆・厚揚げ・油揚げなど)からカルシウムをとり、毎日青汁を飲みました。
そのおかげか、息子達の肌はアトピーもなくノンアレルギーです。
3.調味料に気をつける
毎日使う塩と砂糖もまずは精製していないものを選びましょう。煮物などにはきび砂糖や黒砂糖のほうがコクがでてとても美味しいものです。
塩も沖縄のにがりやミネラルたっぷりの塩がオススメです。美味しい塩だと、牛肉のステーキも甘みを引き出してくれるのでお肉本来の旨みがわかりとても美味しいものです。
市販品のマヨネーズやソース・ドレッシングも低塩分や低カロリー・ハーフカロリーのものを活用しましょう。しょうゆは「減塩しょうゆ」を使うと良いでしょう。
4.ビタミンKをとる
納豆などに含まれるビタミンKは赤ちゃんの出血傾向を抑えるビタミンです。狭い産道を通ってくる時の頭蓋内出血や、消化管出血の予防にもなります。臨月にはできるだけ毎日食べましょう。
苦手な人は薬味を多めにいれ、溶けるチーズと一緒にパンにのせてトースターでピザ風にすると意外に食べられるようです。
▼ビタミンKが多く含まれる食材
パセリ・かいわれだいこん・かぶ(葉)・だいこん(葉)・モロヘイヤなど。
妊娠中に良い食べ方
1.サプリメントに頼りすぎない
母親学級でもサプリメントの質問が最近増えてきており、特に多いのは「鉄分、カルシウム、葉酸をたくさん摂ったほうがよいか?」という質問です。
今はマタニティ用のサプリも出ているので手軽に効率よく取れるようですね。ただし、これらのサプリに頼るのは悪阻(つわり)が続いて食事が取れないときや、外食が多い時などの一次的な場合にしましょう。
基本は食事から栄養やミネラルを摂るべきだと産婦人科のドクターは言います。食事から摂るのが難しい場合は、ハーブティーから栄養を摂取するのも手です。
ハーブの中には鉄分や葉酸、ビタミンなど妊婦さんに嬉しい栄養を豊富に含むものがあります。
ホットで飲むと水分補給と同時に保温効果も得られるので、普段のお茶の代わりにハーブティーを飲むと良いでしょう。
2.分割食にする
最近多いのが妊娠性の糖尿病です。一度に沢山食べると血糖値が上がり、インシュリンが沢山でます。それが糖尿につながります。
悪阻の時だけでなく、安定期でも臨月でも、3食を5食に分けるようなスタイルにしてみるとよいでしょう。また旦那さんの帰りを待って、夜遅くまで食べないという生活もよくありません。
夜も20時までにはなるべく食べ終えるようにすると胃もたれなどもおきにくいでしょう。
いかがでしたか?いきなり全部を完璧に行う必要はありませんので、少しづつ改善して頂ければと思います。以下の関連記事も合わせて参考にしてくださいね。
<関連記事>
・妊娠初期
「助産師が教える!つわりを軽減する方法」
・妊娠中のお悩み
関連記事
■体の悩み
-
【医師監修】乳腺炎で発熱!病院に行くべき?症状・原因・対処法も詳しく解説2024.10.08
-
【助産師監修】白斑があっても、授乳して大丈夫? 取り方などを紹介2024.10.08
-
【助産師監修】生後1・2・3ヶ月ごとの授乳間隔・授乳回数の目安は?2024.09.17
カテゴリーランキング
AMOMAコラムについて
妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。
AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
その他のお問い合わせはこちらから
メールで問い合わせ