出産準備

【助産師監修】難産になる原因って何?難産にならないために

2018.07.24

Yoneco Oda

Mama writer

2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

大切な赤ちゃんの出産を控えているママなら、誰しも難産は避けたいですよね。

難産と聞くと、赤ちゃんがなかなか生まれてこなかったり、ママが長い時間陣痛で苦しむ、というイメージがありますが、実際、難産とはどのような出産のことを指すのでしょうか?

今回は、難産にはどのような出産が含まれるのか?難産になる原因、難産にならないための対処法をご紹介します。

難産とは?


難産については明確な定義はありませんが、一般的には人の手助けなしでは出産が難しい状態や出産までの分娩所用時間が長くかかる状態をいうとされています。

分娩の経過のポイントが3つあり、「産道(赤ちゃんが降りてくる通り道のこと)」、「娩出物(赤ちゃんや胎盤などのこと)」、「娩出力(陣痛やいきむ力のこと)」

この3つのうち1つ、もしくは2つ以上になんらかの問題があって出産が困難な状態を難産としているようです。

また、出産に長時間かかると難産というイメージがありますが、こちらも何時間以上だと難産という定義はありません。

陣痛が始まって出産を終えるまでにかかる時間は、一般的には初産婦は12〜15時間前後、経産婦は6〜7時間前後と言われていますので、これ以上長くかかると難産だと言えるかもしれませんね。

難産になると分娩の時間が長くなるだけではなく、ママやお腹の赤ちゃんにリスクが生じるおそれもあります。

医師の判断で陣痛促進剤を使用したり、鉗子分娩や吸引分娩になったり、緊急帝王切開に切りかえる場合もあります。

難産になる原因は?ママ側が原因の場合

骨盤が狭い

赤ちゃんの頭の大きさよりもママの骨盤の間が狭いと、赤ちゃんが産道を通り抜けるのが困難になります。これは児頭骨盤不均衡(CPD)といい、この場合の多くは帝王切開での出産になります。

太り過ぎている

妊娠中に太り過ぎてしまうと、産道に脂肪がついて狭くなってしまい、赤ちゃんが降りてくる際に回旋に異常が生じる可能性があります。

20kg以上太ってしまうなど妊娠中の急激な体重増加は妊娠高血圧症候群などのトラブルを招くリスクもあります。

やせ過ぎている

出産は体力勝負とよくいわれますが妊娠中に適度に体重が増えず、やせ過ぎていると分娩時の体力不足につながります。

体力がないと、陣痛の痛みや長さで体力を消耗してしまうので途中で十分にいきめなくなったり、微弱陣痛を引き起こしてしまうおそれがあります。

微弱陣痛


微弱陣痛とは、陣痛は始まったものの陣痛の間隔が縮まらず分娩が進まないことをいいます。赤ちゃんを押し出すための子宮の収縮する力が弱いため分娩に長時間を要します。

これが続くとママは体力を消耗し、赤ちゃんにはストレスがかかって健康状態に影響が出る可能性があるので、陣痛促進剤を使ったり、帝王切開での出産が必要になります。

高齢出産

初産が35歳以上の場合は、20代に比べると難産になりやすい傾向があるといわれています。

子宮頸管が硬かったり軟産道が伸びにくいなどの理由のために微弱陣痛につながったり、陣痛が強すぎる過強陣痛を引き起こしてしまい赤ちゃんが降りにくくなるからです。

赤ちゃん側が原因の場合

胎位の異常

赤ちゃんが逆子だと産道を通りにくくなってしまいます。そのため、赤ちゃんが頭を下にして降りてくるのを時間をかけて待つ必要があり、分娩に時間がかかります。

自然分娩が難しいと判断される場合は、帝王切開での出産になることが多いです。

赤ちゃんが大きい(巨大児)

妊娠予定日を過ぎて過産期になったり、ママが妊娠糖尿病の場合に赤ちゃんが巨大児になる可能性があります。赤ちゃんが大きすぎると産道を上手く通り抜けられなくなるので分娩に時間がかかります。

回旋の異常

赤ちゃんは産道を通る際、体の向きを上手に変えて回りながら狭い道を通り抜けて降りてきます。この動きを回旋といいます。

回旋に何らかの異常があったり、どこかで引っかかってしまったりすると産道を通るのに時間がかかってしまいます。

難産にならないための対処法は?


残念ながら、難産を防ぐための確実な方法はありません。しかし、妊娠中から健康的な生活を心掛けることで難産を防ぐことができるかもしれません。

体重管理を行う

太り過ぎは産道を狭くしたり、妊娠高血圧症候群を招くおそれがあります。妊娠中に体重が増え過ぎてしまうことを防ぐために、自分の妊娠中の適正体重を知り、体重管理を行いましょう。

食事は塩分、糖分の過剰摂取に気を付けてバランスよく摂るように心掛けましょう。

適度な運動をする


疲れやすかったり、体力や筋力がないと、出産時に十分いきめなかったり、微弱陣痛につながり分娩時間が長くなってしまいます。

体力づくりのためにマタニティスイミングやヨガ、ストレッチ、ウォーキングなどの適度な運動を行いましょう。

流産や早産の心配のあるママは、事前に担当の産婦人科医に確認の上、行うようにしてくださいね。

出産への不安を解消・やわらげる

ママの精神状態と娩出力は深く関わっているといわれています。

出産や陣痛の痛みへの不安感や恐怖心を強く感じていると、それらがストレスになり、陣痛の痛みをより強く感じてしまう過強陣痛になることがあります。

不安を解消しリラックスするのに、ハーブティーを飲むのもおススメです。

また、体に力が入り過ぎて産道を狭めてしまい赤ちゃんが降りにくくなることも。

出産に対しての疑問や不安がある時は、担当の産婦人科医や助産師さんに相談して、少しでも不安な気持ちを解消して出産に望むようにするといいでしょう。

難産の原因や対処法を紹介してきましたが、どんなに難産の対策をしていても、ママの体質的なものやお腹の赤ちゃんの状態によって、難産が避けられないこともあります。

ですが、妊娠中の健康的な生活を心掛けることや積極的に体力づくりを行うことで、難産を回避できる場合もあります。

妊娠中は難産への不安感を抱えて過ごすよりも、日々健康的な生活を心掛けて、できるだけリラックスした穏やかな気持ちで出産の日を迎えられるといいですね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士
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日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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牛丸敬祥
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