出産準備

【助産師監修】出産にかかる時間。初産の場合はどれくらいかかる?

2018.07.10

Yoneco Oda

Mama writer

2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

出産予定日が近づいてくると、分娩はどのように進むのか?出産までにどれくらいの時間がかかるのか?などが気になってくるのではないでしょうか。

出産未経験の初産のママならなおさら心配になるのでは?そんな気持ちは、出産までの流れやお産にかかる時間などをあらかじめ知っておくことでやわらげることができるかもしれないですね。

今回は、陣痛から出産するまでの時間や、またそれが初産の場合は経産婦とどれくらい時間が違うのかなどをご紹介します。

陣痛から出産までにかかる時間は?


分娩開始の目安は「陣痛が規則正しく発来し、胎児娩出まで続く陣痛で、陣痛の周期が10分以内または1時間に6回の頻度となった時点」と定められています。(日本産科婦人科学会より)

初産婦さんの出産までにかかる平均的な時間は12〜15時間、経産婦さんは6~7時間前後といわれています。

かかる時間だけを聞くと「そんな長時間も産みの苦しみに耐えないといけないの・・・」と不安になるかもしれません。

しかし実際のところ、分娩は段階的に進んでいくものなので、始まりから終わりまで同じレベルの痛みが継続して続くわけではありません。

また、陣痛には周期がありますので、陣痛が引いて次の陣痛が来るまでの間は痛みがなくケロッとしていることもあります。お産が進むと、次第に痛みが大きくなってきて間隔が縮まってきます。

出産はどのように進んでいくの?


出産の経過は分娩第1期〜分娩第4期と大きく4つの段階ごとに進み、徐々に赤ちゃんが子宮内を降りてきて、産道を進み子宮口を通って生まれてきます。

分娩第1期(開口期)

陣痛が10分間隔になってから子宮口が10cmほどの全開になるまでです。お産にかかる時間は、この分娩第1期が約8割を占めます。かかる時間は、初産婦は10〜12時間、経産婦は5〜6時間です。

はじめのうちは、おしゃべりをしたり食事をとったりする余裕がありますが、徐々に陣痛が強くなってきます。痛みのためにいきみたくなりますが、この時はまだ、いきみ逃しをしながら乗り切ります。

分娩第2期(娩出期)

子宮口が全開大になって赤ちゃんが生まれてくるまでです。かかる時間は、初産婦は1~2時間、経産婦は30分〜1時間くらいです。

医師や助産師の指示に合わせていきみ始めます。子宮口が全開になると、多くの場合、破水も同時に起こります。

ママがいきむことで、赤ちゃんが産道を通り抜けて生まれ出てくることができます。

この時、耐えがたい激しい痛みに襲われますが、赤ちゃんに対面できる瞬間が近づいてきていると思って、出産の山場を乗り越えましょう。

分娩第3期(後産期)

赤ちゃんが生まれ出た後に胎盤が出てくるまでです。

赤ちゃんが産まれた後に「後産陣痛(後陣痛)」という陣痛と同じような痛みを伴う子宮収縮が起こり、ママがいきむことなく胎盤が自然に体の外に押し出されます。

胎盤が出た後は、会陰切開の縫合や出血のケアが行われます。生まれたての赤ちゃんとのカンガルーケアをさせてくれる場合もあります。

分娩第4期

赤ちゃんが生まれてから2時間くらいのことです。出産後は、子宮が収縮して出血量が落ち着いてくるまで2時間くらい安静にします。

初産は出産までどれくらいかかるの?


初産婦さんの出産にかかる時間は12〜15時間といわれ、経産婦さんの倍近くの時間がかかる傾向があります。

初産婦さんの分娩時間が長くなる要因としては、産道が伸びにくい、子宮口が開きにくい、初めての出産のため体に力が入り過ぎて産道を狭めてしまい赤ちゃんが降りにくくなるなどが挙げられます。

徐々に強くなってくる陣痛に長時間耐えなければならず、多くのママは辛く苦しいと感じるようです。赤ちゃんを産む瞬間よりも、この時間の方が辛かったというママの声もあるほどです。

しかしながら、出産への不安感や陣痛への恐怖心が強すぎると、ママの体が過緊張状態になり、早くから疲労してしまいます。

そして、疲労により微弱陣痛を招くことで分娩時間が長引いてしまいます。

過度の緊張状態を防ぐためには、妊娠期間中にアロマや呼吸法、音楽などの自分がリラックスできる方法を見つけておくことがおすすめです。

陣痛室でもその方法を実践して、できるだけ落ち着いた気分で乗り切れるようにするといいでしょう。

出産にかかる時間には個人差がありますので、今回紹介した時間は、あくまでも目安ととらえて下さいね。

平均の分娩時間より長いか短いかよりも、大切なのは赤ちゃんとママが元気で無事であることです。

妊娠中に、自分の出産はどんなふうに進むのかをイメージして心構えを持ったり、長時間のお産にも耐えられるよう体力をつけましょう。

無理のない程度に体を動かしたり食事に気を付けるなどして健康的な生活を心掛けて、出産の時を迎えられるといいですね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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