【助産師監修】水中分娩の方法とは?~メリットやデメリットについて~
2018.02.26
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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出産は必ずしも分娩台の上だけでとは限りません。自由なスタイルでの出産を選ぶ産婦さんも増えており、その中の一つに水中分娩という選択肢があります。
その方法やメリット・デメリット等をご紹介します。
水中分娩とは?
専用の温水プールに浸かり、リラックスした状態で水の中で出産する方法です。
水中分娩はフランスやイギリスなど欧州諸国ではじまった出産方法で、日本で知られるようになったのは1980年代に入ってからと比較的新しい出産方法です。
近年では医療的な介入を最小限に抑え、自分で産みやすい体勢を自由に選択することができるアクティブバースという方法を選ぶ産婦さんが増えてきています。
水中分娩もアクティブバースの一種として考えられています。
水中分娩の方法は?
水中分娩の場所
一般的には、水中分娩用のプールや浴槽を用いることが多く、家庭出産の場合は家庭風呂を消毒して使用します。
水温は体温と同じ36.5~37℃程度で、季節や個人によって変動させているようです。水中で産婦さん自身が楽な姿勢でリラックスしながら過ごし、出産にのぞみます。
水中分娩の方法
次の3種類の方法があります。
①分娩第1期を水中で過ごし、出産は浴槽から出て行う方法
②水中で出産する方法
③胎盤娩出まで水中で行う方法
(分娩第1期:10分おきの規則的な陣痛が始まってから、子宮口が全開になるまで)
水中分娩のメリット・デメリットは?
水中分娩のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
・陣痛を緩和する効果がある
・自由な体制に動けてリラックスできる
・母子ともにかかる負担が少ない
デメリット
・母子ともに感染のリスクが高まる
・緊急時の対応が遅れるリスクがある
・対応できる施設が限られている
水中分娩はどこでできる?費用は?
水中分娩ができる施設
前述の通り、国内では水中分娩専用のプールを設置している施設は少なく、水中分娩ができる施設は限られています。
施設一例)
・日本赤十字社 日本赤十字社医療センター(東京)
・医療法人社団晴晃会 育良クリニック(東京)
水中分娩の費用
費用については基準がないため施設により差がありますが、通常の分娩費用に加算されることがほとんどのようです。(自然分娩と同額であったり、数万円〜数十万円加算されるケースなど)
衛生面の観点からも設備が整っているかどうか、かかる費用とともに事前にしっかり調べることが大切です。
いかがでしたでしょうか。水中分娩だけにかかわらず、どのようなスタイルで出産したいのか事前にバースプランを考え、医師や助産師の説明を受けて十分に納得した上で出産にのぞむようにしましょう。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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