【助産師監修】出産はどこでする?産婦人科の選び方や決めるポイント
2016.08.31
Fumiko shibuya
Mama writer
2015年5月生まれの男の子を育児中の三十路ママです。天然でのんびり屋の父ちゃんと、プクプク泣き虫マンの3人家族。食事もお買い物もゆっくりできないけれど、赤ちゃんに振り回される毎日も悪くないと思っています♪
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠が確定したらまず決めなければいけないのが、出産までお世話になる産婦人科です。産婦人科と一口に言っても、病院によって特徴は様々で設備や費用などチェックしておきたいポイントがたくさんあります。
どのように産婦人科を選べばいいのかをまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
産院の種類と特色
赤ちゃんを出産することができる産婦人科には、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
総合病院/大学病院
高血圧や子宮筋腫など持病がある人、親族の中に妊娠出産のトラブルがあった、高齢出産である、など心配事やリスクがある場合は総合病院もしくは大学病院が安心です。
なにかあった時に、すぐに産科以外の医師と連携をとって対応してくれますので診察や治療までがスピーディーに行われます。
ただ、患者数が多いので妊婦健診や子どもの1ヶ月検診などの待ち時間は覚悟しなければなりません。予約をしていても半日がかりということもあるようです。
また担当医も複数の先生で診る事も多いのですが、助産師外来をやっている病院も多いので助産師外来の有無なども確認しておきましょう。
入院する際にもハイリスクの妊婦さんは個室になる事が多いので普通分娩では大部屋しか選択できないこともあります。
病床数によってはリスクのない妊婦の受け入れは断られる可能性もあります。
産婦人科、産科専門の個人病院
個人病院では担当医や助産師との距離が近く、気軽に相談できる雰囲気がある病院が多いです。病床が少ないので細やかなケアが期待できます。
また、入院する際に個室を選べたり、入院食が豪華だったり、トイレやシャワーが部屋に付属しているか近くにあるなど、産後の妊婦にとっては至れり尽くせりの環境が整っています。
しかし入院費用は少し高めで、病院の方針や特色が強いので自分に合わない病院に決めてしまうと過ごしにくいかもしれません。また母体や新生児に何かあった場合には、大きな病院に救急車で搬送されることになります。
人気の病院は、分娩の予約をしようとしてもすでに満室ということもあるそうです。早めに産婦人科を調べて目星をつけておくと良いかもしれませんね。
助産院
助産院では、助産師が分娩から新生児の保健指導までを行う施設です。産科医がおらず医療行為が行えないため、より自然に近い形での出産を望む妊婦さんに人気です。
希望するバースプランを元に、畳の上での出産や自宅出産等、自由なスタイルで出産をすることが可能です。
さらに、決まった助産師さんが最初から最後まで面倒を見てくれますので安心です。
ただし、妊娠の経過が順調で特に異常がなく、自然分娩が可能な人しか利用できません。妊娠経過が順調でも、何が起きてもおかしくないのが出産というもの。何か異常が見つかった場合は、提携している産婦人科に転院、搬送されることになります。
医療行為である会陰切開や陣痛促進剤の投与ができませんので、医療の助けを借りず自分の力で産んだという達成感は一番あるかもしれませんね。
決め手となるポイントは?
それぞれの産院のメリット・デメリット・特色がわかったところで、自分に合う病院はどう選んだらよいのでしょうか。チェックするポイントをまとめました。
自宅からの距離、通いやすさ
自宅から遠い、交通の便が悪い病院に通うのは、身体が重く疲れやすい妊娠後期は特に大変です。身体に何かあった場合や緊急時にも、病院が近い方が安心です。
また車で送り迎えをしてもらったり、入院時に家族に来てもらう際に駐車場がないと不便ですので、車を利用する予定がある人は、病院の駐車場や近くのコインパーキング等を調べておきましょう。
口コミや先輩ママの評判
実際に利用したことのある人の意見は、何よりも参考になります。外来で訪れただけでは分からないスタッフの雰囲気や、部屋の様子、産後の指導法など、気になることは質問して解決しましょう。
インターネットの口コミの場合、偏った意見や冷やかしの内容も含まれることがありますので注意してくださいね。
分娩(入院)費用
出産にかかわる費用は、およそ30~70万円ほどかかります。出産する地域、病院や部屋のグレードによっても大きく変わります。出産育児一時金として39~42万円給付されますが、それを越えない範囲で収めたい場合は事前に確認する必要があります。
出産育児一時金は直接支払制度を適用している病院としていない病院がありますので病院を決める前に確認してみてください。
個人病院で個室、豪華な食事、様々なサービスがついている人気の病院は、当然かかる費用も高くなります。
育児が始まると休む暇がないので、産後数日はゆっくりと、こうした病院で過ごしたいという考えも1つの決め方ですね。
分娩方法、分娩スタイル
自然分娩、帝王切開、計画分娩、無痛分娩など、分娩にも様々な方法があります。分娩方法は自分一人で決定できるものではありませんが、「できればこうしたいな」という希望があれば、それに対応している病院を探しましょう。
また、分娩台に仰向けになる出産ではなく、座位や四つ這い、横向きや水中など、最近では妊婦の好きなスタイルで赤ちゃんを産ませてくれる病院も増えています。余計な力が入らずリラックスして産めると人気です。
家族の立会いの不可
分娩時に夫(もしくは実親、第一子など)に立ち会ってほしいという希望がある場合は、立ち会いが可能な病院かどうか確認することが大切です。
病院によっては立ち会いを許可していないところもあるほか、立ち会うための条件がある場合もあります。
母乳育児推奨
完全母乳で育てたい人にとっては、母乳育児を推奨している病院を選べば様々な講習や指導、サポート等を受けられる点が良いですね。
母乳育児推奨であっても産後すぐは粉ミルクを足す病院もあります。
自分にとってどこまでが許容範囲なのか考えて病院を選ぶと良いでしょう。
しかし、母乳の出る量や時期については個人差があり、出ない人にとっては「母乳育児推奨」の空気がストレスになるかもしれません。
ママになる全員が母乳がたくさん出るわけではないということを念頭に置いて、気負わずに指導を受けましょう。
出産は人生でそう何度も体験することができない、とても貴重で素晴らしい体験です。
自分らしく、より快適に楽しく出産するために、しっかり調べて病院を決めましょう。
妊娠初期におすすめの記事:
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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