【助産師監修】ママも五月病!五月病の原因や対処法について
2019.04.12
監修 浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
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五月病と聞くと、新社会人や新入生などがなりやすい病気だと思われていますが、実は育児中のママもなることがあるのです。
五月病はストレスや疲労が原因で引き起こされ、症状をそのままにしておくとうつ病に移行する可能性もある病気です。
育児中のママの五月病とはどのようなものか?原因や対処法をご紹介します。
育児中のママも五月病になる?
五月病になる可能性は誰にでもある
五月病は、一般的には新入社員や新入学生など新しい環境で生活をスタートさせた人によくみられます。
4月から始まる新しい環境に適応しようと頑張り、期待と不安を乗り越えてようやく落ち着いた5月頃に、緊張の糸が切れ、それまでに蓄積されていた疲労が一気に出て心身に不調をきたします。
五月病になる可能性は誰にでもあります。学生ではなく、仕事をしていない育児中のママも例外ではありません。
環境の変化が落ちついた頃になりやすい
4月はパパの転勤にともなう引っ越しや子どもの新入園(入学)など、新しい生活をスタートする時期です。
それにともないご近所づきあいやPTA、クラスのママ達とのおつきあいなど人間関係に変化が生まれるため、ママにとっては緊張を感じやすい時期です。
また、新生活を始めた家族をサポートするために頑張って、知らず知らずのうちに疲れやストレスを溜め込んでしまうこともあります。
家族のために働く慌ただしい日々をくぐり抜けて、ようやく新しい環境に慣れ、ひと段落ついた頃に急激に疲労が表れてくるのが、ママの五月病と言えます。
ストレスが原因!?五月病の症状は?
ママはついつい我慢しがち
育児中のママが五月病になると、症状が出ても育児を優先したり、家族に心配をかけたくないために相談しなかったり、ただ疲れているだけと我慢して乗り切ろうとしてしまいがちです。
しかし、五月病をそのままにしておくと症状は深刻になってしまう可能性があります。
精神面の症状では、なんだか気分が落ち込む、やる気が出ない、何事も楽しめないなど、身体面では、身体がだるい、眠れない、食欲がないなどの症状がみられます。
五月病かも!?
普段の生活が以下の状態に当てはまる場合は、一度、五月病を疑ってみてください。
家事が面倒になる
五月病になると、やる気が出ず、毎日の家事をこなすのも疲れてしんどくなります。
些細なことでイライラする
それまではなんとも思わなかったような発言や行動でもイライラしてしまうことがあります。小さなことでも許せないような気持ちになって、周囲の人に八つ当たりしてしまうことも。
人に会いたくなくなり、外出が億劫になる
五月病になると気分が落ち込み、憂鬱な気持ちになりがちです。楽しいと思っていたことが楽しめなくなり、出かけたり、人に会うことが苦痛になってしまいます。
頭痛、腹痛、肩こりがある
頭痛、腹痛、肩こりも五月病の症状の一つです。溜まった疲労が解消されないまま蓄積していくと身体にも影響が出てきます。
うつ症状に注意!五月病の対処法。
症状が続く場合は注意が必要
「五月病」は医学的な病名ではなく、一時的なうつ状態、意識低下状態の呼称で環境の変化についていけないことで起こる「適応障害」と診断されます。
心身に起こる不調は、急激な環境の変化についていけないために、身体も心もSOSを発しているストレス反応からきます。
適応障害は発症のきっかけとなる出来事から3ヶ月以内に症状が現れ、6ヶ月以内に治まるといわれています。
しかし、それ以上の期間、症状が続く場合はうつ病などに移行している可能性がありますので、悪化する前に適切な対処をして症状を改善することが大切になります。
五月病の対処法
気分転換をしてリフレッシュをする
症状が軽いうちは、気分転換をして気持ちをリフレッシュすることをお勧めします。
やる気が出ない、身体がだるいと感じる時は、当日の家事は必要最低限のことだけをして、残りは翌日以降に持ち越すようにしたり、余裕のある時にまとめて済ますようにしましょう。
育児中のママは家族を優先して、自分のことは後回しにしてしまいがちです。たまには育児は家族に協力をお願いして、自分のためだけの時間を作りましょう。
趣味に没頭したり、運動をしたり、親しい友人と会っておしゃべりをすることで気持ちがリフレッシュできますよ。
家事や育児で家で過ごす時間が長いママにはアロマでの芳香浴もおすすめです。アロマの香りがイライラや落ち込み等の不安定な気持ちにそっと寄り添ってくれますよ。
身体を休ませる
気分転換をしようという気分にもならないほど症状が進んでしまっている場合は、家族に五月病について理解をしてもらい、家事、育児をお願いして休養をしましょう。
身体を休めて疲労を回復させることで、症状が和らぐかもしれません。
それでも症状が良くならないと感じる場合は、我慢せずに心療内科や精神科を受診しましょう。五月病に効く漢方などもありますので、一人で辛さを抱え込まないようにしてください。
予防が大切
五月病が悪化してうつ病に移行した場合、症状の回復までに長期化する可能性もありますので、予防することも大切です。
予防のためには、日頃から頑張りすぎない、意識的に自分のための時間を作って息抜きをするなどをしてストレスを溜め込まないようにすると良いでしょう。
また、悩みやストレスなどを文章にして書くことで、自身のことを客観的に眺められるようになるので、問題が明確になり解決することができるかもしれません。
育児中のママの五月病は、頑張りすぎている人に多いようですが、それだけ家事や育児に真剣に向き合っているということです。
身体と心に疲れを感じた時は「もっと頑張らなくては。」とは考えずに、毎日の家事、育児を頑張っている自分をもっと褒めてあげてください。
家族が笑顔でいるためにも、ママ自身が自分を甘えさせてあげることも大切なことですよ。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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