【助産師監修】産後の体型を戻す方法や自宅でできる骨盤矯正ストレッチ
2017.09.02
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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出産後、気になるのがママの体型。妊娠期間で変化した体型を元に戻したい!と思う方は多いのでは?
赤ちゃんとの生活の中で無理なく行える方法をまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
産後の体型戻しとは?
・妊娠・出産での体の変化
妊娠すると、赤ちゃんの成長に伴ってママの身体は大きく変化します。卵ほどの大きさだった子宮は臨月には10倍にまで大きくなります。ママの身体は、出産・産後に備えてエネルギーを蓄えようとする為、脂肪もつきやすくなります。
また、出産時に骨盤が大きく開くことにより骨盤の歪みを生じやすくなり、下半身太りなどプロポーションが崩れるだけでなく、さまざまな身体の不調を引き起こすことが考えられます。
・産後の体の戻り方
産後の身体は約3ヶ月で急速に戻ろうとしますが、自然に元の体型に戻るというわけではありません。戻ろうとする力が働く産後6ヶ月頃までの間に意識的に体型戻しを行うことが効果的と言われています。けれど、あくまで優先すべきはママの体力回復ですので、無理のない範囲で正しいやり方で行なうようにしてください。
ゆがんだ骨盤を整える
・出産に伴う骨盤の開き
妊娠すると女性ホルモンが多く分泌されるようになり、出産に備えて骨盤を広げ、骨盤底筋を柔らかくする作用が働きます。そして赤ちゃんが産まれてくるときに骨盤が最大限に開き、産後は骨盤底筋がダメージを受けていることが多いです。
ゆがんだ骨盤をそのままにしておくと、下半身にぜい肉がつきやすくなるなどの外見的な問題だけでなく、尿漏れなどのトラブルを引き起こす元になりやすいと言われています。
また、骨盤がゆるんだままだと内臓が下がり血行が悪くなり、母乳の出が悪くなってしまうことも。そのため、骨盤を整えることは今後のママと赤ちゃんにとってとても大切なことです。
・骨盤の引き締め
悪露が落ち着き、一ヶ月健診を過ぎたあたりから骨盤を引き締めるための骨盤ベルトなどのグッズを取り入れてみましょう。正しく継続して使用することで体型戻しに役立てることができます。
腰骨の出ている位置で引き締めることがポイントです。また、早く体型を戻したいからといってきつく締め過ぎると骨盤を裾広がりに変形させてしまったり、骨盤底筋に負担をかけてしまうなど逆効果なので注意してください。
赤ちゃんと一緒にできる骨盤矯正ストレッチ
体型戻しに効果的なストレッチはたくさんありますが、そのための時間がなかなか確保できないから…と諦めてしまいがちです。けれど、赤ちゃんとの生活の中でほんの少し意識をするだけで、育児がそのまま体型戻しのストレッチになります。
・椅子に座りながら行う骨盤底筋ストレッチ(アダクション)
1.椅子に浅めに座り、息を吐く時にお腹を縮めるように意識し、背筋を伸ばして座ります。
2.内ももにタオルを丸めてはさみます。(丸いゴムボールでもOK)
3.息を吐きながらタオルを両内腿ではさみます。内ももの筋肉は骨盤底筋と
連動しているので内もも全体も細くなります。産後の尿漏れ、膣の緩みにも効果的です。
*いつでもどこでもできる骨盤底筋を鍛えるストレッチです。毎回の授乳時に行なうなど習慣化すると良いでしょう。
・抱っこをしながら姿勢を整えるストレッチ
1.赤ちゃんを横抱きしたまま、頭に向かって少し伸びをする。
2.この状態で腰が動かないようにゆっくりと身体を左右に倒す。これを10回行なう。
*赤ちゃんの顔がママの肩の位置にくるように抱っこをする。
*生後間もない頃は椅子に座って行なってもよい。
母乳育児と体型戻し
・母乳育児のメリット
赤ちゃんにとってもママにとってもメリットがたくさんあることは、あらゆる面で知られていますが、体型戻しにも関係しています。
まず、赤ちゃんに母乳をあげることでママの子宮復古を促進させ、産後の回復が早くなると言われています。
・母乳育児と体重の変化
体脂肪が母乳の分泌に使われるため、減量も期待できます。特に意識はしていなかったけど、増えてしまった体重が知らず知らず減っていた、という方もいるのではないでしょうか?(その場合は卒乳後の体重増加に注意です…!)
授乳中は栄養面からも無理なダイエットはよくありませんが、母乳育児は自然にダイエットできる絶好の機会です。赤ちゃんとママのために、ぜひ母乳育児を活用してみてください。
【助産師監修】母乳が足りない?母乳不足のサイン・見分け方は?
食事に気をつける
・無理なダイエットは禁物
体重を減らすことと食事は切り離すことはできません。しかし、産後のママの身体は何よりも体力回復が大切。また、母乳育児の場合は良い母乳を赤ちゃんに与えるためにも、しっかりと栄養を摂り、食事に気をつける必要があります。食事制限など無理なダイエットは禁物です。
・和食中心の食事
母乳がつまる原因となる脂肪や糖分の多いものは避け、野菜・大豆・海藻類などミネラルやビタミンをたっぷりとることを心がけましょう。カロリー控えめな和食中心の食事を摂るとよいでしょう。
「やせる作りおきおかず」のように「五目豆」「切り干し大根」「ひじき」「大根の煮物」などを常備菜として冷蔵庫にストックしておくとよいでしょう。
しかし、たまには脂っこいものや甘いものを食べたくなりますよね。食事を気にし過ぎてストレスになるのもよくありません。
母乳のスムーズな流れをサポートするハーブティーを取り入れながら、無理なく食事に気をつけてみてはいかがでしょうか。
いかがでしたか。
産後の生活は赤ちゃん中心となって忙しく毎日が過ぎていきます。
赤ちゃんの笑顔はママの元気があってこそ。これから続く育児期間を健やかに過ごすためにも、ぜひ体型戻しを無理なく生活に取り入れてみてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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