【助産師監修】PMS(月経前症候群)の症状チェック&5つのPMS対策
2018.09.19
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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女性特有の悩み、PMS(月経前症候群)。
言葉は知らなくても、「なんか最近イライラする…。」と思っていると生理がきて、「生理前だからイライラしてたのか。」・・・という経験をしたことがあると思います。
特に産後、生理が再開するとPMSがひどくなる方もいらっしゃいます。今回はそんなPMSの原因や対策についてご紹介します。
PMS(月経前症候群)とは
PMSとは“Premenstrual Syndrome”の略で、生理が始まる3~10日くらい前から起こります。
イライラしたり、落ち込みやすくなるといった精神的な症状や、頭痛や眠気、乳房の張りなどの肉体的な症状がありますが、症状は人によってさまざまです。
生理が始まると消えたり、軽くなったりするのが特徴です。
PMSの原因は?
PMSの原因ははっきりとはわかっていません。
しかし、妊娠を助ける「黄体ホルモン」(プロゲステロン)と女性らしさをつくる「卵胞ホルモン」(エストロゲン)のバランスが、排卵後急激に変化し、PMSを起こすと考えられています。
産後は特に、出産によってプロゲステロンとエストロゲンが大きく低下するなど、ホルモンバランスが大きく変化します。そのため、妊娠前よりPMSがひどくなったと感じる方も多いようです。
PMSの症状は?
自分がPMSなのかどうか、症状を知ってチェックしましょう。特に精神面が不調なとき、その原因がPMSだとわかるだけで、少し心が楽になります。
精神面の症状
・イライラする ・落ち込む、憂うつになる ・突然泣きたくなる ・集中力がなくなる ・無気力になる ・仕事ができなくなる
肉体面の症状
・身体がだるい ・頭痛 ・腰痛 ・むくみ ・乳房の張り ・吐き気 ・眠気 ・不眠 ・ニキビ
産後PMSの症状
AMOMAで出産経験をお持ちの女性100名に、月経に関してどのような悩みを経験したか聞いてみました。
「イライラし子どもや家族にあたってしまう」や「感情の起伏が激しい」、「身体がだるい」など、PMSの症状の大きな傾向は産前も産後も変わらないようです。
個別回答では、「妊娠前に比べて、イライラ感が強くなった」「被害妄想が激しくなった」というように、メンタル面の不調が悪化したという声も見られました。
(AMOMA WEB調査 2014年2月)
効果的な5つのPMS対策
多くの人が悩むPMSですが、簡単にできる対策があるのでご紹介します。
対策1.低GI食品をとる
排卵後から生理前まで分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は、血糖値を調整するインスリンの効き目を低下させます。その結果、普段より多量のインスリンが必要となり、低血糖を引き起こします。
そうするとイライラしたり、甘いものが無性に食べたくなりますが、砂糖やケーキ、チョコレートなどは血糖値を急激にあげてしまうため、再び低血糖になりやすくなるという悪循環を招きます。
白米や白いパンなど精製された食品も避けましょう。
PMS対策には血糖値の上昇がゆるやかな低GIの食品をとり、血糖値を安定させることが重要です。GIとは、食後の血糖値の上昇スピードを計った数値です。
低GIの食品は、玄米や全粒粉パン、豆類などになります。また、海藻類、緑黄色野菜など、血糖値の上昇を抑える「食物繊維」が多い食品、ドライフルーツやナッツ類をとるのもオススメです。
低GI食品をとるのが難しい場合は、高GIの食事にお酢をかけると、血糖値の上昇が緩和できるようです。
対策2.セロトニンを増やす
排卵後、卵胞ホルモンの分泌が減ることにより、セロトニン (幸せホルモン)が急激に低下し、ネガティブな気持ちを引き起こすといわれてます。
セロトニンを活性化させるには、ウォーキングや階段の昇り降りなど、一定のリズムを刻むリズム運動をしましょう。日光をあびることも大切なので、屋外の運動が望ましいです。
先ほど紹介した豆類や乳製品は、セロトニンの原材料となるトリプトファンが含まれるのでオススメです。
トリプトファンの代謝に必要なビタミンB6も合わせて摂りましょう。カツオ、サンマ、バナナなどに含まれています。
対策3.身体を温める
身体が冷えると、PMSが悪化する原因になります。冷えは、自分で気づきづらいもの。お尻やお腹を触って、冷たくなっていないかチェックしましょう。
身体を温めるときは、首や足首などを温めることがポイントです。特に足首の内側、くるぶしから指4本分のところには「三陰交」という冷えのツボがあるので、ツボを冷やさないよう夏場でも靴下をはきましょう。
対策4.ホルモンバランスを整える
大豆や豆乳などに含まれるイソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た働きをしてくれるので、積極的に摂りましょう。
また、意外と知られていませんが、レッドクローバーというハーブは大豆の10~20倍のイソフラボンが含まれており、他の種類より体への吸収率も高いことがわかっています。
他にも出産準備として有名なラズベリーリーフティーも、子宮に働きかけてくれるためPMSの時にも活躍してくれます。
ホルモンバランスを整えるためにブレンドされたハーブティーがあるので、試してみるのも良いでしょう。前述のとおり身体を温めることが大切なので、ホットでの飲用をおすすめします。
対策5.ストレスをためない
家事や育児を手伝ってくれない旦那さんや、大きくなって反抗心が芽生え始める子どもに、ママもストレスがたまりがち。
そんな時は、1人でゆっくり入浴したり、アロマオイルなどで心を落ち着けましょう。鼻から大脳に直接届くアロマオイルは、ストレスの緩和によく用いられています。
子育てに家事、仕事など、女性は大忙し。少しでもPMSの影響を減らして、快適な毎日を過ごしたいですね。
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AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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