【助産師監修】子どもの腹痛、原因は?病院に行く目安、家でできる対処法は?
2018.05.30
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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子どもの腹痛は病気だけでなく、便秘や精神的なものなどその原因はさまざまです。
急なトラブルに慌ててパニックになってしまわないよう、子どもの腹痛の原因、病院に行く目安、家でできる対処法をおさえておきましょう。
子どもの腹痛の主な原因
便秘
子どもの腹痛の原因としてもっとも多いものとして便秘があげられます。便秘は赤ちゃんから小学生までよく見られる症状で、その割合は全体の30〜40%ともいわれています。
便秘の定義は2日以上排便がない状態とされていますが、排便のリズムには個人差があります。
排便の回数が多少少なくてもスムーズに排便ができていて、機嫌がよく食欲があれば問題ありません。逆に毎日排便があっても、便が固く出しづらそうな状態が続いていれば便秘と考えましょう。
うんちが固い場合は、水分や繊維質が足りていないことが多いようですので食生活を見直してみましょう。何日も便が出ず苦しそうな時は病院へ。浣腸や赤ちゃんが使用できる下剤を処方してくれます。
毎回浣腸しないと便が出ない場合などは生まれつきの腸の病気が考えられることもあるので、医師に相談してみましょう。
急性胃腸炎
便秘に次いで腹痛の原因となることが多い病気で、感染性胃腸炎とも呼ばれます。ウイルス性のものと細菌性のものがあり、どちらも食欲の低下、激しい嘔吐、下痢などの症状が伴うのが特徴です。
ウイルス性のものは、俗に「おなかにくるかぜ」とも呼ばれています。冬のはじめに流行するノロウイルス、冬の終わりに流行するロタウイルスなどが原因です。
細菌性のものは、サルモネラ菌、病原性大腸菌などの食中毒が主な原因となります。
食中毒は生の食材だけでなく、火を通した食べ物でも加熱が不十分であれば、食中毒を引き起こしてしまうことがあります。
嘔吐を繰り返すため、心配なのが脱水症状です。吐き気がおさまったら少量ずつこまめに水分を与えましょう。
水分がとれない、顔色が悪く眠れない、下痢、嘔吐が止まらない場合は早めに病院へ。脱水症状を起こしていたら、点滴による水分補給が必要です。
反復性腹痛
反復性腹痛とは、生活に支障がでるほどの痛みが月に1回以上、3ヶ月以上にわたって続く腹痛をいいます。
うまれつきの内臓疾患や腹性てんかんなど器質的疾患が原因な場合と、調べても原因が特定されない(非器質的疾患)場合があります。
後者が原因であることが多く、心理的なストレスが加わると症状が悪化しやすいようです。
心因的なものだとしても、本当にお腹が痛いということを理解してあげてください。持続する場合は、医師の診察を受けましょう。
腸重積
まだ腹痛を訴えることができない生後3ヶ月〜2歳ごろに見られることが多く、突然激しく泣き出したあとケロっと泣き止み、また10〜30分ほどたったら再び泣き出す、を繰り返します。
嘔吐を伴うこともあり、症状が続くとぐったりして血便が出るようになります。小腸の一部が大腸に入り込むために生じる病気で、発症12時間以内の診断、処置が重要です。
病院に行く目安
ひとつでも当てはまれば時間外でも早急に受診を
◽︎血便が出た
◽︎コーヒーの残りカスのようなものを吐いた
◽︎お腹を打った後、痛がり続けている
◽︎股の付け根を痛がる
◽︎身体を折り曲げてお腹を痛がり、まっすぐに歩くことができない
◽︎寝ている時に腹痛で目を覚まして痛がり続けている
◽︎お腹を痛がり泣き止まない
◽︎嘔吐、発熱を伴う
◽︎ウトウトして元気が無く、ものを食べようとしない
ひとつでも当てはまれば様子を見ながら診療時間内に受診を
◽︎数日便が出ず、お腹を痛がる
◽︎おへその周りを痛がり、お腹をさすると痛みが和らぐ
◽︎1日数回以内の下痢を伴うお腹の痛み
◽︎お腹を痛がるが、平気で歩いたり走ったりしている
◽︎お腹を痛がるが機嫌は悪くない
◽︎繰り返しお腹を痛がるが、痛くない時は元気
家でできる対処法
マッサージ
仰向けに寝かせて、おへその周りを手のひらでやさしく「の」の字を書くようにマッサージしてあげると、腸が刺激され、便が出やすくなるのを助けます。
赤ちゃんから使えるマッサージオイルもあるので、マッサージするとリラックスする事でしょう。
おへそ周りにはお腹の痛みに有効なツボがあるともいわれていますので、便秘による腹痛以外でもこのマッサージはおすすめです。
抱っこしたり抱きしめてあげる
お腹が痛い、というわりに元気に遊べている場合は、精神的なことが原因になっていることがあります。その他にも、お腹が痛いと訴えることで、もっと構って欲しいというサインを発信していることも。
そんな時はやさしく抱っこしてあげたり、抱きしめて安心させてあげましょう。それでも痛がる場合は、他に原因があるかもしれないので受診をしましょう。
食事療法(便秘の場合)
うんちをやわらかくするために、水分をこまめに取らせ、繊維質が多く含まれる果物や野菜を毎食の献立に取り入れるようにしましょう。
赤ちゃんの場合は、母乳量が足りていないことが考えられます。授乳時間が長くても、実は母乳があまり出ておらず赤ちゃんが飲めていないこともあります。
足りていない場合はミルクで補うなど、母乳不足にならないよう気をつけましょう。母乳の分泌を促すハーブティーもおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
腹痛は子どもによくありがちな症状ですが、その原因は様々です。小さなうちは痛みをうまく表せないため、できるだけ早めに見きわめてあげることが大切ですね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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