【助産師監修】赤ちゃんが食べてはいけないもの8選
2019.05.15
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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赤ちゃんの離乳食がスタートすると、赤ちゃんが食べてはいけないものはあるの?ということが気になってくるのではないでしょうか。
大切な赤ちゃんのためにも、離乳食時期の食べ物について詳しく知っておきたいですよね。今回は、赤ちゃんが食べてはいけないものについてご紹介します。
食べてはいけないものがある理由は?
誤嚥(ごえん)の可能性がある
赤ちゃんは「咀しゃく」と「消化吸収」の二つの機能が発達途中のため、発達の段階によって食べていいものと食べてはいけないものがあります。
咀しゃくとは、食べ物を歯で噛み切り、飲み込むことです。赤ちゃんは成長にともなって、離乳食で練習しながら咀しゃく力を身に付けていきます。
咀しゃくをすることで、唾液や消化液が多く出るので消化吸収を助けることにもなります。
この咀しゃくが未熟な赤ちゃんに、固く噛み切れないものや大きなものを与えると、食べ物が誤って喉頭と気管に入る誤嚥を引き起こす可能性があります。
消化器官に負担がかかる
赤ちゃんの消化吸収の能力は未熟な状態です。
赤ちゃんの胃の形や働きは大人と違い、消化酵素の分泌も不十分なため、脂肪分、塩分の高いものを食べると消化しにくく消化器官に負担がかかってしまいます。
食物アレルギーを起こす可能性がある
免疫機能も未発達なので、細菌などに対する抵抗力が弱いため、食中毒を起こす可能性のある食べ物にも気をつけなければいけません。
食物アレルギーは乳幼児期に発症することが多いといわれていますので、食物アレルギーを起こしやすい食べ物にも注意が必要です。
これらの理由から、発達途中にある赤ちゃんには食べてはいけないものや食べる時に気をつけないといけないものがあるのです。
赤ちゃんが食べてはいけないもの
はちみつ
はちみつにはボツリヌス菌が混入していることがあり、1歳未満の赤ちゃんが食べると乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
赤ちゃんは腸内環境が整っていないため、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すことで、様々な症状を引き起こすことがあります。
初期の症状として、便秘、ほ乳力の低下、元気がなくなる、泣き声が変わる、首のすわりが悪くなるなどの症状などが出てきます。
きちんと治療すれば完治することが多いですが、重症化すると亡くなることもあります。
ボツリヌス菌は熱に強いので、加熱調理しても死滅しません。1歳未満の赤ちゃんには、はちみつ入りの飲料やお菓子も与えないようにしましょう。なお、ボツリヌス菌は黒糖にも含まれています。
1歳以降は腸内環境が整うので、はちみつを食べても大丈夫になります。
生の魚、肉
離乳食の基本は野菜の一部や果物、加工品を除き、新鮮なものを十分に加熱して与えることです。
赤ちゃんは消化器官の発達が未熟で細菌などに対する抵抗力が弱いため、生の魚や肉を食べると食中毒を引き起こす心配があります。魚や肉はどんなに新鮮でも、必ず加熱してから与えましょう。
生の魚、肉を扱った調理器具が離乳食や容器に触れないようにも気をつけましょう。
生魚の刺身を食べさせるのは、3歳以降から。体調の良い時に新鮮なものを少量ずつ与えましょう。いくらやたらこは塩分が多いので塩分の過剰摂取になりやすいため、ごく少量にしましょう。
お餅
お餅は弾力があってつぶしても崩れにくく、冷めると固くなるので咀しゃく力が未熟で気管の狭い赤ちゃんが食べると、のどに張り付いたり、詰まったりして誤嚥を招くおそれがあります。
小さく切っても粘り気は変わりません。もち米を使った赤飯やおこわも同様なので注意しましょう。
食べさせるのは、乳歯が生えそろい噛む力が整う3歳前後に。小さく切って少量ずつを、様子を見ながら与えるようにしましょう。
豆、ナッツ類
節分の大豆やピーナッツ、アーモンドなどの小さく固い豆、ナッツ類は赤ちゃんが誤嚥しやすい食べ物です。
小さく砕いた状態であっても、赤ちゃんの気管に詰まりやすく危険なので、パンやクッキーを与える時もナッツが含まれていないか注意してあげてください。
大人が食べる場合は、赤ちゃんが手の届くところには置かないよう気をつけましょう。食べさせるのは乳歯が生えそろい、噛む力が整う3歳以降にしましょう。
ぎんなん
ぎんなんは食べ過ぎると、大人でも食中毒を起こすことがあります。乳幼児は少量でも中毒を起こす心配があり、誤嚥する可能性もあります。
茶碗蒸しに入っているのをよく見かけますが、赤ちゃんに取り分ける際は注意しましょう。食べさせるのは3歳以降にして、食べ過ぎないよう注意しましょう。
たこ、いか
たこやいかは加熱しても強い弾力があるため、赤ちゃんには嚙み切りにくく誤嚥の心配があります。消化も良くありません。たこやいかなどの軟体類はアレルギーが出やすい食べ物でもあります。
食べさせるのなら、奥歯が生えて噛む力が整ってからの2歳以降に、加熱したものを細かく切って食べやすくして与えましょう。
生のいかやたこは寄生虫や細菌の感染が心配なので、3歳以降にしましょう。
そば
そばは少量でも強いアレルギー症状の出る食べ物です。食物繊維が多いので、消化に時間がかかり、消化吸収の力が未熟な赤ちゃんには向いていません。
そばを茹でた後の茹で汁にもアレルゲンがありますので、離乳食に使わないようにしましょう。
食べさせるのは、2歳以降に少量からにして、アレルギーの症状がないか様子を見ながらあげてください。
こんにゃく
こんにゃくは弾力があり嚙みつぶしにくいため、飲み込んで喉に詰まらせる心配があります。食物繊維が豊富なため消化に時間がかかり、離乳食には向いていません。
食べさせるのは2歳以降にしましょう。奥歯が生えそろう3歳頃まで、アク抜きをしてから小さく刻んだものを与えるようにしましょう。
便秘気味のお子さんには細かく切った「しらたき」など煮物と一緒に与えるとよいでしょう。
また、こんにゃくを使ったゼリーは、噛む力の整った3歳以降に与えるようにしましょう。
一口サイズの容器に入ったものは、そのまま飲み込むと誤嚥の心配があるので、食べやすい大きさに小さく切って器に移して食べさせましょう。
赤ちゃんに初めての食べ物を与える時は
赤ちゃんに初めての食べ物を与える時は、食物アレルギーを考慮して以下のことに気をつけましょう。
・新鮮なものを1さじから与える
・1食につき1種類を単品で与える
(アレルギー反応が出た時に原因の特定ができるように)
・平日の午前中にする
(異常がでた場合、病院にいけるように)
食物アレルギーは心配になりますが、ママが怖がりすぎて与える食べ物を自己判断で制限してしまうのはよくありません。
特定の食べ物を除去すると、栄養面や噛む力など赤ちゃんの成長を妨げるおそれがあるからです。アレルギー反応が出た場合は、医師の指示に従って離乳食を進めましょう。
今回は赤ちゃんが食べてはいけないものを紹介しました。赤ちゃんは離乳食を通して、咀しゃく力や消化吸収の能力を向上させていきます。
また、いろいろな食べ物にふれることで、食べる意欲や好奇心などの情緒面も育っていきます。
発達の段階に合わせてどんな食べ物をどのくらい与えればいいのか、食べさせてはいけないものは何か、正しい情報を把握して、赤ちゃんに楽しい食事体験をさせてあげてくださいね。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
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