赤ちゃんの心と体

【助産師監修】乳児のインフルエンザ!症状や対処法

2018.12.14

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

毎年冬になると流行するインフルエンザ。赤ちゃんはママの免疫があるからかからない、ということはありません。

抵抗力の少ない乳幼児や高齢者ほど重症化すると命の危険に関わることもあります。乳児のインフルエンザの症状、原因、対処法をご紹介します。

乳児がインフルエンザにかかったときの症状は?

インフルエンザとは、毎年冬頃になると流行する「インフルエンザウイルス」が原因の急性感染症のこと。

季節性インフルエンザとも呼ばれます。毎年11月〜4月頃に流行し、1月〜2月にピークを迎えます。

インフルエンザは1〜4日の潜伏期間を経た後突然、高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛など全身的な症状が現れますが、乳幼児の場合は症状がはっきりしない傾向があります。

下記のような症状が現れたら、インフルエンザを疑いましょう。

<こんな症状があったらインフルエンザを疑って!>
◻︎急に38℃以上の熱が出た
◻︎全身がだるいのか、元気がない
◻︎食べさせたり飲ませたりするとすぐに吐く
◻︎出ている熱以上にぐったりしている
◻︎けいれんが起きた
◻︎地域でインフルエンザが流行っている
◻︎家族にインフルエンザ患者がいる

一般的には一週間ほどで回復しますが、乳幼児がインフルエンザにかかると重症化しやすく、気管支炎や肺炎、中耳炎、インフルエンザ脳症などの合併症を引き起こすことがあります。

特にインフルエンザ脳症は、後遺症が出ることがあったり、命の危険がある重い症状です。重症化を防ぐためにも、少しでも気になる症状がある場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

乳児がインフルエンザにかかる原因は?

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、飛沫感染や接触感染になります。くしゃみや咳などで空気中に漂うインフルエンザウイルスが、鼻や口から空気と一緒に体の中に入ってきます。

ウイルスが体の中で増殖すると、前述のような全身症状が現れます。新生児~6ヶ月までの赤ちゃんは、ママからの免疫があり、病気にかかりにくいといわれています。

しかし、病気にかからないわけではないので、インフルエンザにかからないとは限りません。

同居する家族からの感染

赤ちゃんがインフルエンザにかかる場合の多くが、同居する家族からの感染であるともいわれています。インフルエンザの予防接種は6ヶ月未満の赤ちゃんは接種することができません。

また、6ヶ月以上であっても乳児の効果は成人より弱いとされているので、いずれにしても家族がかからないようにしっかり予防しておくことが大切です。

乳児がインフルエンザにかかってしまったときの対処法は?

赤ちゃんの様子をしっかりみる

赤ちゃんがインフルエンザにかかってしまった場合は、平熱に戻るまでは、症状の悪化やけいれんの発生にすぐに気づけるように赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。

一度熱が下がったと思って安心しても、また熱が上がることもあります。こまめに体温を測って様子を見ましょう。

いつもどおり授乳を

赤ちゃんがインフルエンザにかかってしまっても、母乳はいつも通りあげてください。

母乳の中には多種類の感染防御因子(赤ちゃんを感染から守る細胞や物質)が含まれており、そのおかげで、赤ちゃんがインフルエンザに感染しても軽症ですむともいわれています。

熱があったりぐったりすると、いつもよりも頻回授乳になりますが飲める時に飲めるだけ飲ませてください。経口補液飲料も飲めるようならこまめに与えましょう。

赤ちゃんが楽になるようにケアを

赤ちゃんが寝苦しそうだったら鼻水を吸引したり、汗をかいたらこまめに着替えさせてください。厚着のさせすぎにもご注意を。

室内の温度(20〜23℃)や湿度(50〜60%)の調整、換気など、赤ちゃんが楽になるように環境も整えてあげましょう。

家庭内での感染を予防する

お世話をする家族が感染してしまわないように、手洗いやうがいを徹底し、マスクを着用します。

手についた微生物を取り除くために、すみずみまで20秒以上手を洗いましょう。うがいはまず口の中をクチュクチュとゆすいでからガラガラとうがいを繰り返しましょう。

鼻水などの中にはウイルスが多数含まれているので、お世話のあとは必ず手洗いを。手指の消毒用ジェルなどがあるとベストです。

上の子がいる場合は、しっかり治るまで実家に預けるなどして感染を予防するのがおすすめです(我が家はこれで乗り切りました)。

難しければ、なるべく別の空間で過ごすようにし、一緒の部屋で過ごさせるときはできるだけ離れて過ごさせましょう。

アロマオイルが使える加湿器の中にティーツリーやペパーミントなどの殺菌作用のある精油を垂らすのも効果的です。


いかがでしたでしょうか。赤ちゃんがインフルエンザにかかってしまってぐったりしている様子を見ると、かわいそうで不安になってしまいますよね。

お世話をするママも大変ですが、少しでも赤ちゃんが楽になるようにケアをしてあげてください。

インフルエンザが流行る時期は、家族みんなでウイルスを持ち込まないよう、日頃からの予防がなによりも大切ですね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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