授乳

助産師が教える!卒乳・断乳時のケア

2019.07.26

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。

卒乳・断乳時にきちんとおっぱいのケアをしないと、乳腺炎になってしまったり、次に赤ちゃんが生まれる時の初乳にも影響があると言われています。

”近くに母乳外来がない・おっぱいのケアの方法が分からない”そんな卒乳・断乳期のママに、助産師浅井貴子先生が正しいケアの方法をアドバイスします。上手にケアをして、スムーズな卒乳・断乳を目指しましょう。

■卒乳と断乳の違いは?

「卒乳」
卒乳とは、赤ちゃんの方からおっぱいを卒業する場合や、自然と母乳が出なくなる場合を言います。

「断乳」
断乳とは、ママの方から赤ちゃんにおっぱいをあげるのをやめた方が良いという判断で、ママの意思で授乳をやめることを言います。

授乳をやめるママ側の理由としては、継続的に薬を飲む場合や授乳による身体への疲労度が強い時などがあげられます。また、赤ちゃんが1歳を過ぎても食事が進まない時や、夜泣きがひどい時も断乳することがあります。

■搾乳する際に注意すること

卒乳・断乳の時期は自然と夜間の授乳も少なくなってきて、日中に十分授乳をしないと母乳の分泌が減っていきます。

それでも分泌がある人は、初めは1日1回のペースでお風呂上りに搾乳し、それを2~3日おきへと徐々に延ばしていきましょう。

おっぱいが張るから・溜まるからといって搾乳しすぎることは刺激になり、母乳を作る要因となってしまいます。

また、搾乳の際に乳頭やおっぱいの付け根を刺激することも母乳の分泌を促すことにつながるので、そうならないように両手絞りでゆっくりと搾乳しましょう。

■「おにぎり搾り」がオススメです

最終的に搾乳する間隔が1週間おき程度になると、母乳の分泌は減少します。

民間の母乳相談室や、病院の助産師外来などで断乳マッサージのケアをしてくれる所もありますが、近くにそういった施設がない場合もあると思います。

そのような場合は、シャワーを浴びながら「おにぎり搾り」をして自分で搾乳をしてケアをすることが出来ます。

おにぎり搾りとは
乳房全体を手のひらで包むようにして、外側から内側に向けて母乳を搾りだす方法です。大きめにおにぎりを握る要領で搾りましょう。

母乳をきちんと出し切って、卒乳・断乳時のケアをしないと乳腺炎になってしまうことも…。きちんとケアしたほうが次の出産時に初乳が出やすくなるので、なるべく母乳をだしきりましょう。

■ペパーミント冷湿布で外側からケア

母乳の分泌が多く、辛い場合は、ペパーミントの冷湿布を作ります。

冷水を入れた洗面器にペパーミントの精油を6滴ほど垂らして、その中におしぼりをひたして軽く絞って下さい。これを、おっぱいが張っている時・お風呂上り・搾乳後などに乳房全体にかぶせてケアをします。

この「ペパーミント冷湿布」こそ、卒乳・断乳時のケアの強い味方!

まとめてこのおしぼりをジップロックなどの保存袋に入れて、冷蔵庫で保管しておき、適宜交換するとおっぱいの張りが楽になります。

乳腺炎になってしまった時の対処法と予防の仕方は「乳腺炎・しこり・白斑の予防ーとるべき食事や熱が出た時の対処法ー」をご参照下さい。

■ハーブティーで内側からケア

また、卒乳・断乳時は赤ちゃんに母乳をあまり飲んでもらえず、おっぱいに残った母乳が詰まるなどのトラブルが起こりやすいものです。

ペパーミントティーやセージ茶を飲んでおくと、母乳の分泌が抑えられるため、スムーズに卒乳・断乳ができます。内側からしっかりケアをして、卒乳・断乳後の母乳トラブルを避けましょう。


卒乳・断乳時のケアをきちんとすることで、辛い思いをせずスムーズにおっぱいを卒業することができ、次の子が生まれる時の初乳も出やすくなります。

ペパーミント冷湿布やハーブティーを活用し、上手に卒乳・断乳時のケアをしましょう。

関連記事:「断乳の仕方ー上手な方法・時期・進め方についてー」

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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