母乳不足

【助産師監修】赤ちゃんと犬や猫は一緒に暮らせる?メリットや気をつけるべき事について

2019.05.29

ことまま

Mama writer

2017年1月生まれの女の子を育てている新米母です。夫は単身赴任なため、フルタイムで働きながら、ワンオペ育児に奮闘しています。育児疲れは仕事で癒し、仕事の疲れは娘の笑顔で癒しながら、毎日を乗り切っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

赤ちゃんが産まれると、飼い犬や飼い猫を手放さなければならないのかと悩む方は多いようです。

この記事では、赤ちゃんと犬や猫が一緒に暮らしていけるのか、どんなことに気を付ければいいのかを見ていきましょう。

赤ちゃんと犬や猫、一緒に暮らせる?


愛犬家・愛猫家にとって、赤ちゃんが共存できるかは大きな関心事ですよね。

様々な意見がありますが、ペットの専門家である獣医さんも、犬や猫と赤ちゃんの共存に対して肯定的な意見を持っている方が多いようです。

赤ちゃんが犬や猫と一緒に暮らすメリット

感受性が豊かに

ペットのお世話をしたり、一緒に遊んだりすることで、感受性が豊かになるといわれています。

動物は言葉を話せませんが、子どもはその仕草を見て「○○したいのかな」「○○と思っているのかな」と推測したり、世話を焼いてあげたりします。

また、動物の老いや生死を間近で見て共存することで、愛情や共感する心、責任感がはぐくまれます。

免疫力が上がる

免疫系が未熟な赤ちゃんにとって不衛生な環境は大敵ですが、無菌状態であれば良いというわけでもありません。

動物と接触し、様々な病原菌やアレルゲンに適度に触れることで、赤ちゃんの免疫系が、より発達することが知られています。

「犬が飼われている家庭で育つ赤ちゃんは、感染症や呼吸器疾患にかかるリスクが減る」、「ぜんそくや花粉症の予防にペットが有効」といった研究結果も知られています。

孤独や不安を解消してくれる

アニマルセラピーという治療法もあるほど、動物が人間の心に与えてくれる癒しの効果は絶大です。「ペットのいる家庭の方が、家族間の交流が良好」という研究結果もあるそう。

子どもの心だけでなく、日々の育児や仕事に疲れたパパやママの気持ちも癒してくれそうです。

赤ちゃんと犬や猫の生活で気を付けること

飼い主のマナーが重要

赤ちゃんと犬や猫が同居するためには、もともと躾(しつけ)ができていて、きちんとした飼い方をしていることがとても重要です。

下記のような状況でペットと赤ちゃんを一緒にしておくことは不衛生なだけでなく、赤ちゃんに危険を及ぼす場合もあります。

<よくない状況の一例>
・トイレトレーニングができていない
・飼い主さんをベロベロなめることを許している
・外と家の中の行き来を自由にさせていて、入室時に足を洗っていない
・トリミング(シャンプー、ブラッシング、爪切りなど)を適度に行っていない
・ペットの健康管理や予防注射を行っていない
・室内のペットの毛などがきちんと掃除できていない
・ペットの情緒が安定しておらず、飼い主と信頼関係がない

犬や猫のメンタルケアを


これまで、家の中で自分が一番にかわいがられてきたペットにとって、赤ちゃんという新しいアイドルの誕生は複雑なものです。

赤ちゃん返りのようになり、赤ちゃんへの嫉妬から、イタズラ、無駄吠えや、粗相、無駄噛みといった問題行動がでることもあります。

赤ちゃんと同じようにお世話をする余裕はないかもしれませんが、ペットのストレスを理解しましょう。

時間があるときはたっぷり散歩したり、おもちゃで遊んであげたりと、愛情を示す時間を取るようにしましょう。

接触は段階を踏んで

赤ちゃんがペットの食事や排せつ物に触れないよう間取りを工夫しながら、少しずつ触れ合う時間を増やしていきましょう。

赤ちゃんが飼い主にとって大切な存在であるとペットに伝えていくとともに、赤ちゃんに対しても、成長に応じてペットとの接し方を教えていく必要があります。

犬のように群れで生活する生き物の場合は、家族のメンバーに優劣をつけています。

赤ちゃんがリーダー(=飼い主)にとって大切な家族であること、また、犬より上位の存在であることを教えていきましょう。

赤ちゃんと犬や猫を二人きりにしない


どんなにやさしい性格のペットでも、小さな子供と2人きりにしないこと、目を離さないことは非常に重要です。実際に、乳児とペットの間で痛ましい事故も起きています。

どんなにかわいい家族でも、野生の本能を持っていることを忘れないことはとても大切で、それがペットと赤ちゃんの両方を守ることにつながっていきます。

犬や猫を飼い始める時期は?


妊娠が分かった段階で「新しくペットを飼う」のはあまりお勧めできません。

最低でも数年飼っていて信頼関係ができていれば良いのですが、まだ関係が深まっていないペットに対してさらに赤ちゃんとの関係構築を望むのは負担が大きいようです。

こういった場合は、もう少しお子さんが大きくなってから、新たにペットを迎えたいですね。


いかがでしたか。赤ちゃんが産まれると家の中は赤ちゃん中心の新しい生活スタイルになります。

ママは赤ちゃんの授乳やおむつ替えなどのお世話に追われ、今までみたいに犬や猫のお世話をすることが難しくなり、犬や猫がストレスを感じることも。

ですが、犬や猫も家族の一員。犬や猫のメンタルケアもとても大切なことです。

赤ちゃんと犬や猫が一緒に生活することには大きなメリットがあるため、家族で協力しあい、きちんとした環境を整えて、赤ちゃんと犬や猫が仲良く暮らしていけるといいですね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
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