【助産師監修】赤ちゃんに母乳はいつまであげる?
2019.07.30
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養であり、授乳の時間はママと赤ちゃんにとって幸せなひとときです。
しかし、「母乳はいつまであげたらいいの?」と悩んでいるママは多いようです。
「来月から仕事復帰で…」「そろそろ二人目がほしい」「自然に飲まなくなるまで飲ませたいけど…」など、人によって事情はさまざま。
果たして、母乳はいつまであげるのがベストなのでしょうか?
母乳はいつまで?
卒乳と断乳
母乳のやめ方には、大きく分けて二通りの方法があります。卒乳とは赤ちゃんが必要としなくなるまで母乳をあげ続け、自然と飲まなくなるまで待つ方法です。
断乳とは授乳をいつやめるかをママ自身が決定する方法です。どちらを選ぶかはママ次第。平均的には、1歳~1歳3ヶ月の間に母乳をやめる方が多いようです。
しかし、就労状況や体調、離乳食の進み具合を考えながら、親子のスタイルに合った方法を選択するのがベストです。
仕事を復職すると保育園に預けている間はミルクになりますが、お迎えに行ってから翌日の朝までや土日などは母乳をあげられます。
続けたい人は継続する方法を考えていきましょう。
母乳をやめるタイミング
生まれてから今まで母乳をあげてきたのに、やめてしまって本当に大丈夫?栄養は足りているの?と不安になるのは当然のことです。
母乳をいつまであげるか、という目安のひとつとして「離乳食を1日3回しっかり食べている」ということがあります。
また、コップやストローを使って水分を十分に補給できていれば安心です。
不思議なことに、赤ちゃんがおっぱい以外から栄養を摂取できるようになってくるとママのおっぱいの量も自然と減ってきます。
2回食や3回食になると食後はお茶を飲んでおしまいという事もあります。
母乳をやめることのメリットは?
授乳は赤ちゃんにとってもママにとっても心を安定させる効果があります。
しかし、母乳をあげているうちに負担を感じ始める方は少なくありません。母乳をやめるメリットとして以下のようなことが挙げられます。
乳房の痛みが和らぐ
やめたばかりの頃はおっぱいが張って痛いと感じる方が大多数ですが、次第に痛みも和らぎます。また、乳頭が切れることもなくなります。
ママ以外に預けることができる
母乳をあげている間は、母親に代わることができる人はいません。
しかし、ミルクを使ったり離乳食に移行することで美容院や買い物など、ママが1人で行動できる時間を作ることができます。
食べ物や飲み物に気を付ける必要がなくなる
授乳中はお酒を飲むことを我慢し、ストレスになってしまった…なんて話をよく聞きます。
また、薬が飲めないため体調を崩した時に辛い思いをする方もいるでしょう。
夜中の授乳がなくなる
夜泣きをしては添い寝しながら母乳をあげる日々…この寝不足はいつまで続くの!?と悲観するママたちも、母乳をやめることで夜中のおっぱいタイムをなくすことができます。
負担のない母乳のやめ方は?
4時間おきに与えあげていた母乳を6時間間隔にし、離乳食と併行しながら1日2回に減らし、1回に減らし…と。
少しずつ授乳の回数を少なくすることで、母乳の量も減ってきます。無理に減らす必要はなく、子どもとママのペースで進めていくのが良いでしょう。
体重と身長は増えているか、良いうんちが出ているか等も確認しながら「いつおっぱいとさよならできるかな?」と二人で話し合ってみてはいかがでしょう。
子どもは、言葉が話せなくても、ママの言っていることは理解することができます。根気強く言い聞かせをしていたらすんなりやめることができたという話も聞きます。
一方的にやめるのではなく、きちんと子どもと向き合ってスムーズにやめていくことがお互いにとって負担のないやめ方なのではないでしょうか。
母乳をやめた後の悩みは?
母乳をやめた後にも実は、たくさんのトラブルが起きる場合があります。 特に母乳過多のママや、母乳の分泌量が減っていない状態で断乳したママは要注意です。
トラブルと対処法を事前に知っておくことで、いざというとき困らないようにしましょう。
おっぱいが痛い
昼夜問わず乳房が張って痛い…。卒乳・断乳したママたちの多くが経験することです。この痛みを放っておくと、乳腺炎になってしまう可能性もあります。
母乳をやめてもしばらく母乳は出続けるものです。その場合、乳房の張りをやわらげるために自分自身で搾乳するのが良いといわれています。
上手な搾乳の仕方は、両手でおにぎりを握るようにおっぱいを包み、母乳を絞ることです。ボールの空気を抜くようなイメージを持ちましょう。
詳しくは、助産師が教える!卒乳・断乳時のケアをご覧ください。
母乳が出続ける
職場復帰したのに母乳が出続けて困ってしまう…という声もよく聞きます。
しばらくすると自然に止まりますが、母乳の量をセーブするハーブティーなどを使って負担を軽くする方法もあります。
子どもの心のケア
ママ自身の都合で断乳した場合は断乳後、情緒が不安定になったり食事を食べなくなってしまったりと子どもの心に大きな負担になる場合もあります。
おっぱいは赤ちゃんに栄養を与えるだけでなく心のよりどころという部分がかなり大きいといわれています。
断乳したての時はいつも以上に抱っこを沢山してあげたり、低刺激のオイルを使ってマッサージをしてあげるなどスキンシップを多くとるように心がけましょう。
負担のない卒乳・断乳を
「いつまで母乳あげてるの?」という周囲からのプレッシャーはなるべく聞き流すようにしましょう。
赤ちゃんとお母さんにとっていつまで母乳をあげるのがベストかを十分に検討しましょう。
1歳前で母乳をやめた親子もいれば、幼稚園に入る3歳になるまでスキンシップの1つとして母乳をあげ続けたお母さんもいます。
卒乳・断乳は子どもだけでなくお母さんにとっても一歩成長する大切なセレモニー。ベストなタイミングでスムーズに卒乳・断乳できるといいですね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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