【助産師監修】新生児~離乳食開始後の授乳回数は?頻回授乳のすすめ
2019.07.26
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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赤ちゃんが生まれてすぐは、「泣いたら吸わせる」の頻回授乳が基本です。
しかし、1日にどのくらいの頻度で授乳したらいいのか、わからずに悩んでいるママは多いのではないでしょうか。
ここでは、頻回授乳の必要性と、赤ちゃんの成長に合わせた授乳の回数や間隔についてお伝えします。
母乳育児の基本は頻回授乳
プロラクチンが母乳の分泌を増やす
母乳をよく出るようにするには、色々な方法がありますが、中でも一番大切なのが頻回授乳です。
赤ちゃんが乳頭を吸うと、母乳をつくるプロラクチン(催乳ホルモン)が増加し、母乳の分泌量が増えます。
オキシトシンが母乳を押し出す
同時にオキシトシン(射乳ホルモン)の分泌も増加し、おっぱいで作られた母乳を外に押し出して赤ちゃんが飲みやすくしてくれます。
つまり、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳が出るしくみになっています。授乳間隔を4時間以上あけるとこれらのホルモンは急激に減ってしまうので、気をつけましょう。
どのくらいすれば頻回授乳?
一般的に授乳回数の基本は1日8回程度、授乳間隔は約3時間といわれていますが、それはミルクの場合です。
ミルクの消化時間は3時間程度ですが、おっぱいは消化が良く、その半分程度です。
新生児~生後2,3ヶ月の頃は母乳をあげる回数に上限はないので、授乳間隔や回数にこだわらず欲しがるだけあげましょう。授乳回数は下記をご参考ください。
新生児~離乳食開始後の授乳回数の目安
新生児~2ヶ月
新生児の頃は胃がとても小さく、一度にたくさんの量は飲めません。授乳間隔は30分~1時間おきで、1日10回以上の授乳回数になってもおかしくはありません。
赤ちゃんが吸いたいだけ欲しがるだけあげましょう。ただポイントは両方のお乳を吸わせる事です。
片方だけで寝てしまう時もありますが、足裏をこすったりしてなるべく起こして両方吸わせると、まとまって時間が空いてくるようになりママも楽になります。
特に夜中は母乳が盛んに作られるとき。ママにとっては辛いですが、この時間にしっかりあげることで母乳量を増やせます。
まとまって寝る時間が増えてくれば、起こしてまであげなくても大丈夫です。
生後3~4ヶ月
だんだん授乳リズムができてきます。母乳育児であれば1日6~8回程度、ミルクであれば1日5~6回を目安にあげましょう。
この頃から、お腹は空いているのに途中で飲むのをやめてキョロキョロしたり、おっぱいを真剣に飲まなくなる遊び飲みが始まる子もいます。
遊び飲みが始まると飲む量や回数に個人差が出ますが、体重が増えていれば問題ないでしょう。
授乳時間がのびて困る場合は「赤ちゃんの遊び飲みが始まった?原因と対策まとめ」を参考にしてみてください。
生後5~6ヶ月
授乳間隔は4時間おきで、おっぱいの子も授乳回数は1日5~6回程度です。
支えてあげればおすわりができる・よだれが増える・大人の食事に興味を示すなど、離乳食開始のサインが見られたら、離乳食を始めましょう。
離乳食開始後
まずは授乳時間のうち、1回を離乳食の時間にしましょう。
離乳食後の授乳を含め、1日5~6回程度です。離乳食が3回食に進むまでは母乳やミルクからの栄養がメインなので、離乳食の後は欲しがるだけ授乳しましょう。
3回食に進むと、栄養のほとんどは離乳食からとれるようになります。
この時期に不足しがちな鉄分を取るためにフォローアップミルクをストローやマグ、コップなどで与えるのも良いでしょう。
授乳時間がなかなか短くならない場合は、合わせて「授乳時間の目安は?授乳時間が長い原因と対処法」もご参照ください。
一番はその子に合った授乳リズム
母乳の量や回数に目安はありますが、教科書どおりに1回○ml、1日8回と決められた量や回数を飲む子は少ないです。
例えば、1回量をたくさん飲む子は1日の授乳回数が8回前後だったり、1回量が控えめの子は、1日の授乳回数が12回以上になることもあります。
大切なことは、その子に合わせた授乳スタイルを見つけることです。教科書どおりの授乳スタイルにならなくてもよいのです。
母乳をあげてもすぐ泣く時はどうすればいい?
母乳が足りない?
赤ちゃんが泣いていると母乳不足かと不安になりがちですが、すぐにミルクを足してしまうと、ミルクは腹持ちがいいため授乳間隔があいてしまい、母乳分泌の低下を招きます。
まずは体重が1日20~30g(生後6ヶ月までの赤ちゃんの平均体重増加量)ずつ増えているか、おしっこが1日6回以上出ているか確認しましょう。
体重増加量もおしっこの回数も問題がなければ、おっぱいは足りているでしょう。
低月齢の場合は一度にたくさん飲めないため、授乳後すぐ泣いてしまうこともあります。母乳不足以外の原因を考えてみましょう。
もし当てはまらなければ、母乳にいい食事や頻回授乳で母乳を増やすか、ミルクを足しましょう。
関連記事:
「母乳が足りない?母乳不足のサイン・見分け方は?」
おっぱいを離されて不安・もっと甘えたい
赤ちゃんは何かを吸っていることで安心感を覚えるため、おっぱいを離されると不安になり、泣いてしまう場合があります。
甘えたい時、眠たい時にもおっぱいを吸いたくなりますので、その意思表示かもしれません。気が済むまでおっぱいをふくませてあげるか、抱っこで安心させてあげましょう。
不快感がある
おむつが濡れていたり、おなかがいっぱいでお腹が張っている、暑い、寒い、寝たいのに眠れないなど、何か不快なことがある場合も赤ちゃんは泣いて伝えます。
不快の原因を取り除いてあげましょう。他にも赤ちゃんが泣く理由はさまざまで、ベテランの助産師や産院の先生でも、なぜ泣いているかわからないことがあります。
理由がわからなくても、「泣きたいときは泣いていいのよ」とゆったりとかまえてあげましょう。
授乳回数の目安は参考になりましたか?個人差もあるので、基本は赤ちゃんの体重の増加やおしっこの回数が一定量あれば、回数などは気にしすぎなくて大丈夫です。
母乳を増やしたいママは、大変ですが軌道にのるまでは頻回授乳を心がけてください。乳頭に傷がある場合やママの体調が悪い時はくれぐれも無理をしないでくださいね。
関連記事:
「母乳不足に悩まない!よく出る母乳には秘密があった?」
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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