【助産師監修】頻回授乳はいつまで?頻回授乳の乗り越え方、出ない時の対処法
2018.11.06
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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赤ちゃんが生まれると、いよいよ授乳育児の始まりですね。生まれてすぐは、「泣いたら吸わせる」の頻回授乳が基本です。
頻回授乳をすることは、赤ちゃんの成長や安定した母乳の出方のためにもとても大切なことです。
とはいっても、1日に何度も授乳をするのは大変な労力です。今回は、頻回授乳はいつまで続けたらいいのか、つらい時の乗り越え方、母乳が出ない時の対処法を紹介します。
頻回授乳はいつまで?
ちょこちょこ飲みの頻回授乳
一般的に、産後1ヶ月間のママの母乳の分泌量は少なめです。また、生まれて間もない赤ちゃんは、ちょこちょこ飲みの頻回授乳になります。
これは、吸う力が弱く、胃袋も小さいので、一回の授乳で母乳をたくさん飲むことはできないためです。産後2〜3ヶ月経つと、一回にまとめて飲める量が増えてきます。
赤ちゃんが続けて寝るようになる
赤ちゃんの成長につれ、まとめて寝てくれる時間が増えてくるので、授乳回数は減ってきます。これらのことから、頻回授乳が続くのは、最初の3ヶ月間が目安と言っていいでしょう。
ママと赤ちゃんが授乳に慣れて、お互いのリズムが整ってくると授乳が楽になってきます。授乳回数を減らす際に大切な目安は、赤ちゃんの体重が増えているかどうかです。
順調に増えていっているのなら、少しずつ回数を減らしていってもいいでしょう。
頻回授乳がつらい時の乗り越え方
頻回授乳が大切なのは分かっていても、授乳は毎日のことです。睡眠不足や疲労で悩んでいるママも多いのではないでしょうか?
家事ができない時はあきらめる
赤ちゃんが泣いたり、授乳のために家事ができない時は、思い切ってあきらめましょう。頻回授乳が続くのは、生後3ヶ月くらいまでです。
「今は赤ちゃんを育てることが一番大切!」と割り切ってしまうと、やりたいことができないイライラも解消できるかもしれませんね。
また、家族にも大変な時期であることを理解してもらって、家事・育児に参加してもらい、ママは休めるときに体を休めるようにしましょう。
ミルクや冷凍母乳を使う
頻回授乳でクタクタになってしまい体力が持たない場合は、家族に授乳を代わってもらいましょう。ミルクや搾乳した母乳をフリーザーパックに入れて冷凍した母乳を活用しましょう。
パパにお願いすれば、パパと赤ちゃんの距離が縮まりますよ。ママはその間に体を休めてくださいね。
正しい授乳の仕方を覚える
いつも同じ姿勢で授乳していると、飲み残しができ、古くなった母乳がつまって乳腺炎になってしまうこともあります。
また、赤ちゃんの乳頭のくわえ方が浅かったり、長時間くわえたままだと乳頭トラブルの原因にもなります。
正しい授乳の方法は、赤ちゃんに大きく口を開けてもらい、乳頭を深くくわえさせます。この時に、赤ちゃんのあごが乳房に触れるようにしてください。
また、毎回同じ授乳姿勢を続けるのではなく、縦抱きやフットボール抱きなど抱き方を変えてみましょう。いろいろな角度から母乳を吸わせることで、母乳の出が良くなりますよ。
赤ちゃんが泣く理由をさぐる
赤ちゃんが泣いているのは空腹だけが理由ではありません。生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは空腹でなくてもおっぱいを与えられると反射的に飲んでしまいます。
おっぱいを飲んでもすぐに泣く場合は、違う理由をさぐってみましょう。
空腹以外で泣く理由は、飲み過ぎてお腹がいっぱい、おむつが汚れている、暑かったり寒かったりする、抱っこして欲しい、ただ泣きたいから、などがあります。
泣いている時はこれらのこともチェックしてみてくださいね。
体重が順調に増えているかチェック
母乳が足りているかどうかが気になる場合は、体重が順調に増えているかをチェックしてみてください。3ヶ月頃までの平均的な1日の増加量は30g前後です。
他にも、おしっこが1日6回以上出ているか、赤ちゃんの元気があるか、発育曲線に沿って体重が増えているかなども様子をみてください。
ショッピングモールの授乳室にベビースケールが置いてあることもありますので利用してみてもいいですね。
心配であれば自治体がやっている赤ちゃん訪問や健診、育児相談や病院の母乳外来などで相談に乗ってもらいましょう。
母乳が出ない時の対処法
赤ちゃんに頻繁に授乳をしても、30分〜1時間もしないうちにおっぱいをほしがったり、体重が増えていない場合は母乳不足の可能性があります。
休息をとる
出産後から続く慣れない育児で、疲労やストレスが溜まってきてはいませんか?疲労やストレスが溜まると体の血流が悪くなります。母乳は血液からできているので母乳の出にも影響します。
赤ちゃんが寝ている間に仮眠をとったり、家族に家事や育児を手伝ってもらって休息をとるようにしましょう。ストレスを軽減・発散するためには、自分なりのリラックスタイムを持つといいですよ。
食事内容を見直す
授乳期のママは、普段の食事よりも450キロカロリー多く摂取することが勧められています。献立は、野菜中心の和食を基本にしたものを心掛けましょう。
特に、質の良い母乳を作るために、根菜類や青菜はオススメです。水分も多く摂るようにしましょう。目安は1日3リットル、夏場は5リットルです。
スープや汁物などの食事からも多く摂ると体も温まります。
普段の飲み物も糖分の多い飲み物は避け、ノンカフェインのものにしましょう。母乳育児のママ専用のハーブティーもおすすめです。
赤ちゃんに吸ってもらう
赤ちゃんが乳首を吸えば吸うほど、乳腺が刺激されて乳管が開き、母乳が出やすくなります。
母乳は、消費した分に応じて作られる量も増加するので、授乳間隔を短くして授乳回数を増やしてみましょう。
特に、夜間は母乳の作られる量が増えるので、無理のない程度に夜間授乳を増やしてみてください。
頻回授乳は大変ですが、もうひと頑張り!母乳が出ないことを深く考えすぎずに、母乳不足を回数で補おうというおおらかな気持ちでいきましょう。
いかがでしたか。頻回授乳につらさを感じることもあるかと思いますが、子育てをしていくなかで、授乳ができる時期は、長い目で見るとごくわずかな期間です。
赤ちゃんとママの肌が多く触れ合うことで絆も深まっていきますよ。赤ちゃんに母乳を与える幸せを感じて、リラックスしながら授乳タイムを過ごしてくださいね。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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