【助産師監修】産後の生理不順の原因は?妊娠の可能性や再開時期など解説
2023.01.16
AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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出産後の生理は約8ヶ月ほどで再開しますが、人によってかなりバラつきがあります。完全ミルクだと1ヶ月健診の時に生理が来ている人もいたり、完全母乳でも産後3ヶ月で生理が来た人もいたりと様々です。
生理が始まったとしても間隔が安定せず、生理不順が長く続くこともあります。
生理不順の場合、「無排卵月経による生理不順」「ストレスによる生理不順」の2つの原因が考えられます。
無排卵月経による生理不順の可能性
「生理が再開したのに、次の周期になったら来なくなった。」
「出産してから、月に2回生理が来るようになった。」
このような場合の生理は、無排卵月経かもしれません。
無排卵月経
無排卵月経とは、生理はあるものの、それに排卵が伴っていない状態のことを指します。
妊娠中や出産直後には、排卵を促すホルモンの分泌が止まっています。これは、ママの体内で妊娠が重複しないようにするためです。
しかし、出産して時間が経ち、新たに妊娠できるという準備が整った時には、このホルモンが徐々に分泌し始めます。
ただし、ホルモンが排卵をコントロールできるようになるまでは、時間がかかる場合があります。この期間が無排卵月経を引き起こし、生理不順の原因となるのです。
無排卵月経の見きわめ方
自分が無排卵月経かどうかは、基礎体温をチェックすることで判断できます。妊娠前の時のように、生理周期の中で低温期と高温期がはっきり分かれ、グラフが二層になっていれば、排卵していると言えます。
生理中もその前後も、体温がバラバラなようであれば、無排卵月経の可能性が高いです。無排卵月経は産後のママのほとんどが経験することなので、心配はいりません。
ただし、生理不順の状態が3周期以上続いた場合は、一度病院で相談してみましょう。
関連記事:「体温計を使った基礎体温の正しい測り方とその見方」
ストレスによる生理不順の可能性
妊娠や出産が関係ない時期にでも、仕事や生活のストレスが原因で、生理不順になったことがある人は多いと思います。
女性の体にとってストレスは、ホルモンバランスを乱す大敵です。
育児ストレス
育児をしていると、昼は赤ちゃんにつきっきりで一人の時間をゆっくり過ごせない、夜は赤ちゃんの夜泣きがひどくて眠れない…など、ストレスを抱えやすくなってしまいます。
ちょっとでもストレスを抱えると、ホルモンの分泌は変化します。産後の育児ストレスで、疲労や不眠の状態が続くと、脳が、このままでは危険だと感じ、生理を促すホルモンを抑えてしまいます。
それが、生理不順の原因になるのです。
産後ママのためのおすすめのストレス対策
ホルモンバランスを整えるためには、ストレスを抱えない事が大切です。しかし、産後のママにとって、それは到底無理な話。毎日、赤ちゃんのお世話で必死になるばかりで、ストレスは溜まる一方です。
ただ、目まぐるしい日々を過ごしているからこそ、リラックスできる時間をとると、それがたった10分だとしても絶大な効果をもたらすことがあります。
誰にも邪魔されずに大好きなオヤツを食べたり、普段はできないけれど、今日は自分のためだけにお湯を張って、入浴剤を入れてゆっくりお風呂に入ったり、アロマやハーブティーでリラックスタイムを持つ等、パパやご両親に協力してもらって自分だけの時間を過ごすだけで、ストレスを減らすことができます。
産後のメンタルケア専用アロマ
鼻から吸った香りは、脳の感情を司る部分にダイレクトに作用します。そのため、良い香りを嗅ぐと気持ちが穏やかになったり、優しい気持ちになれるので気分転換にアロマは特におすすめです。
産後ヒーリングは、自信をもって毎日を笑顔で過ごせるように、産後の乱れやすい心にそっと寄り添いながら支えてくれる精油をブレンドされています。
プロのアロマセラピストも使用する本格的なレシピです。
産後バランスブレンド
「妊娠前と比べて、気持ちが落ち込みやすい、イライラを感じやすくなった」というのは、妊娠・出産を経験した多くの女性が抱える共通の悩みです。
その原因の1つは、出産を機に起こる大きなバランスの変化。
産後バランスブレンドは、そんな悩みを抱える女性のために妊産婦ケアの専門家と共に開発したノンカフェインのハーブティーです。
生理がこない時は妊娠している可能性も
産後、特に授乳中には生理が来ない、または妊娠しない、と思っている方もいるようですが、排卵がある方もいます。
だるくなったり吐き気があるなど妊娠初期症状があって生理がこない場合は、妊娠の可能性があります。妊娠検査薬で調べてみるとよいでしょう。
ただ、授乳で赤ちゃんがおっぱいを吸うと、プロラクチンというホルモンが分泌され、排卵を抑制することは事実です。
つまり、授乳期間中は、排卵しづらい状況になりやすく、生理不順になりやすいということです。
妊娠を希望する場合は
もし現在、完全母乳で赤ちゃんを育てている中で、次の妊娠を早めたいと考えているならば、夜間の授乳はミルクに変えるなど、母乳の回数を減らし混合授乳にすることをオススメします。
個人差はありますが、ママによってはプロラクチンが分泌されやすく、母乳を吸わせることで、強く排卵が抑制される場合があるためです。このプロラクチンの分泌量は、病院で調べることができます。
産後の生理不順は、母乳育児が原因なのではないかと心配な場合は、お医者さんに相談して、授乳スケジュールを工夫してみると良いでしょう。
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ホルモンバランスを整えて、笑顔の毎日を送れますように
上記のことを見てもわかるように、産後のママにとって最も重要なのはホルモンバランスです。生理不順を引き起こす原因となるホルモンの乱れを整えることが大切。
授乳に育児にハードな日々が続くと思いますが、あまり頑張りすぎず、ストレスを抱えないようにしましょう。
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AMOMAのパートナー
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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