【助産師監修】夏の授乳対策!暑い夏の授乳はどうやって乗り切る?
2019.07.10
監修 浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。
Yoneco Oda
Mama writer
2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。
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日本の夏の最高気温は年々上昇してきています。
この暑さの中で授乳をすると、ママと赤ちゃんの肌と肌が密着するので暑さで汗びっしょりということもあるのではないでしょうか。
暑い夏の授乳は、どうすれば快適に乗り切れるのでしょうか?今回は、夏の授乳の暑さ対策をご紹介します。
暑い夏、赤ちゃんの授乳は大変!「乳腺炎」にも注意!
乳腺炎の原因として、夏バテなどの「疲れ」、「水分不足」、冷房による「血行の悪さ」などがあります。
母乳での授乳はママと赤ちゃんの肌と肌が触れ合うため、普段よりも汗をかきやすくなります。
汗を大量にかくとからだの中の水分や塩分を失い、夏は乳腺炎のみならず、同時に熱中症まで引き起こしてしまうことがあります。
そのためにもいつもより水分を多めにとりましょう。
もともと体温の高い赤ちゃんは、おっぱいを飲むとますます体温が上がるため、ぴったり密着しているとお互い汗だくになりながらの授乳になってしまいます。
汗をかくと、衣類が湿って不快になるだけではなく、そのまま放置しておくと雑菌が繁殖してあせもができやすくなります。
赤ちゃんはあせもになりやすいので、授乳時の汗には気をつけてあげるのも大切ですね。
夏の授乳対策〜衣類を工夫して涼しく〜
吸湿性、通気性の良いものを
ママも赤ちゃんもあせもになることを防ぐために、衣類は吸湿性の良いものを着用しましょう。
衣類に汗を吸わせて、汗をかいたらこまめに着替えることで、肌を清潔に保つことができますよ。特に、汗の溜まりやすい乳房はあせもや湿疹ができやすくなります。
化繊のものは蒸れやすいので、授乳用ブラジャーやキャミソールは綿100%のものを選びましょう。
肌着の上に着るものは、肌に密着しやすいTシャツよりもゆったりとしたブラウスなどの方が通気性がよくおすすめです。
夏の授乳対策〜授乳グッズを工夫して快適に〜
腕カバーやタオル
赤ちゃんをママの腕で支え、抱っこして授乳をすると、ママの腕と赤ちゃんの頭部、背部が密着して赤ちゃんは大量の汗をかきがちです。
ママの腕に汗取り用のタオルや腕カバーをつけて、授乳しながら汗を吸い取ってあげましょう。
綿100%の生地なら吸湿性がいいので、ママも赤ちゃんも快適に授乳ができますよ。
腕カバーは、手持ちのタオルを筒状に縫い合わせれば簡単に手作りできますし、販売もされています。
汗取り用のガーゼ
赤ちゃんの背中にガーゼを1枚入れておくと、授乳後に汗を吸ったガーゼを引き抜くだけであせも対策になり、着替えをする手間も省けますよ。
そのまま寝てしまった時も、着替えのために起こさなくていいのでママにとっては助かりますね。
保冷剤
外出先での授乳になると、屋外で授乳ケープを使う機会もあるかと思います。夏の授乳ケープの中は、かなりの高温になり赤ちゃんにとっては辛い状況です。
そういう時は、保冷剤をガーゼやハンドタオルなどで包んで赤ちゃんの背中や首もとに当ててあげましょう。
汗を拭き取ってあげることもできるので、赤ちゃんもスッキリとして母乳が飲めますね。
添い乳
夏の授乳は暑さで体力を消耗しがちです。時には、ママと赤ちゃんが寝ながら授乳をする添い乳もいいかもしれません。
添い乳は肌と肌が触れ合う面積が小さくなるので、抱っこをしての授乳よりも暑さを感じにくく汗をかく量も減らせます。
ママの体への負担も減らせますので、授乳に疲れやストレスを感じた時は助かります。
ただし、添い乳のままでママが眠ってしまうと、赤ちゃんの窒息の危険性や吐き戻してしまう可能性もあるので、十分に注意しましょう。
夏の授乳対策〜冷房器具を上手に活用〜
室内で暑さをしのぐために有効なのが、扇風機・エアコンなどの冷房器具ですが、赤ちゃんが冷えすぎないように気をつけて活用しましょう。
扇風機やエアコンの風が直接赤ちゃんに当たらないように気をつけましょう。赤ちゃんの肌は外気の影響を受けやすく、大人と比べるとすぐに体温が低下してしまいます。
赤ちゃんにとって快適な室温は、夏場は26~28℃です。
ママやパパにとっては快適な温度と感じても、赤ちゃんのいる部屋でのエアコンの設定は26℃よりも低くならないように気をつけましょう。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下へと流れるので、エアコンの使用時は、扇風機やサーキュレーターを使って室内の空気を循環させるといいでしょう。
赤ちゃんの近くに温度計を置いて、室温をチェックするようにするといいですよ。
赤ちゃんが汗をかいている場合、そのままにしておくと冷房で体が冷えて風邪をひいてしまう可能性があります。
汗をかいている場合は、汗をしっかり拭き、こまめに着替えさせてあげましょう。
いかがでしたか。今回は夏の授乳の暑さ対策をご紹介しました。夏は暑さで授乳も体力勝負になりますね。
食欲も落ちる時期なので、ママがダウンしてしまわないように、温かい野菜スープやお味噌汁などの栄養価の高いものを食べて体調管理を行いましょう。
今回紹介した授乳対策を参考にしていただいて、ママも赤ちゃんも暑さに負けず快適に授乳ができるといいですね。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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