授乳

母乳育児のメリット・ミルクのメリットは?

2019.06.23

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

母乳育児を推進する産院や、母乳育児を頑張りたいというママは多いですね。もちろん母乳育児にこしたことはありません。

しかし、過度な母乳育児推進はママのプレッシャーにつながったり、赤ちゃんを人に預けられなかったりと、ママの負担増につながる面もあります。

改めて、母乳育児のメリット・ミルクのメリットは何でしょうか?

それぞれのメリットを理解し、完母にこだわらずに、ママと赤ちゃん一人ひとりにあった授乳の形を探していくのが一番良いことではないでしょうか。

それでは、母乳育児のメリットから見ていきましょう。

母乳育児のメリット

母乳を飲む赤ちゃんとママ

母乳育児の最大のメリットは、「免疫力UP」

およそ出産10日以内くらいの出始めの母乳を「初乳(しょにゅう)」といいます。

初乳には、免疫物質(免疫グロブリンAやラクトフェリン)が含まれています。

個人差はありますが、病原性大腸菌やロタ、百日咳、腸管や呼吸器の感染症への免疫をもつ抗体が含まれているので、産後ママは少しでもいいから飲ませてあげましょう。

母乳育児は、産後ダイエットになる

出産後、産後ママの体は「産後の肥立ち」とよくいわれるように、身体がどんどん元に戻ろうとする「産褥期(さんじょくき)」に入ります。それを手助けするのが授乳です。

完全母乳の場合は、1日700kcalが消費され、これは水泳だと約1時間分の消費エネルギーに相当します。

ですので、妊娠中に少し体重が増えてしまった人でも、授乳をすることで体重調節が可能です。

母乳育児だと痩せるからといって食べ過ぎてしまうと、そのまま体重が増えていってしまいますので注意しましょう。

また赤ちゃんがおっぱいを吸うと、「オキシトシン」という子宮の収縮を促進するホルモンが脳から出るので、子宮の回復も早まります。

母乳育児は、肌がふれあうのでスキンシップに

授乳は母子の身体が密着し、赤ちゃんが懸命に吸う姿は、生きようとする大きなエネルギーを感じさせてくれます。より一層母子のつながりを強めてくれるでしょう。

授乳中は、できるだけテレビなどのメディアは消して、赤ちゃんに言葉をかけながらお互いの存在を感じてください。

赤ちゃんの吸い付き方で、「いつもより元気がないかな?」など、ちょっとした体調の変化がわかるというメリットもあります。

母乳育児は、経済的にもメリットがある

ミルクを買うと月に10,000円~15,000円の出費になります。

それ以外にも消毒用の備品を買い続ける必要があり、出費がかかります。ですので、母乳育児は家計にもやさしいと言えます。

母乳育児は、手間がかからない

母乳育児なら外出時の荷物も減り、夜間の授乳の時も、哺乳瓶を洗ったり消毒する手間をかけずに授乳できます。

ミルクのメリット

ママじゃなくても授乳できる

ママの体調が悪い時や、赤ちゃんを預ける必要が出てきた時に、ミルクであればパパや周りの人も授乳してあげることができます。

完全母乳だと常に「自分が母乳をあげなければ」と思うとプレッシャーがありますが、ミルクも飲めるようにしておくとママも息抜きができて気持ちが楽になります。

食事に気を使わなくていい

乳腺の細い方や、詰まりやすい方は、どうしても乳腺炎になったり、しこりができやすくなります。

そのため、甘いものや脂っこいものを食べないように、食事に気を使わなければなりません。

また、母乳の場合は飲酒や喫煙を控えることに加え、薬なども控える必要があります。そういった点を気にしなくてよいのがミルクのメリットですね。

授乳間隔が長い

ミルクは母乳と比べて消化に時間がかかるので、母乳ほど頻繁に授乳する必要がありません。

母乳の頻回授乳をしていると乳首が切れて血が出てしまったり、夜間何度も起きて授乳してあげる必要もでてきます。

赤ちゃんが飲んだ量がわかる

母乳だと赤ちゃんがどれくらい飲んでいるかわからず心配ですが、ミルクなら飲んだ量がわかるので安心です。

母乳育児・ミルクの双方にメリット

このように、母乳育児・ミルクそれぞれにメリットがあります。

産後すぐのママはまずは母乳が出ることを信じて、「母乳が出ない!?助産師直伝~母乳量を増やす7つの方法~」を参考に、3ヶ月ほど頑張って母乳育児を続けてみましょう。

しかし、もともと乳腺が発達しておらず、体質的に出にくい方もいます。そうした場合は、母乳にこだわらず、ミルクを活用しましょう。

一番大切なのは、ママが子育てを楽しめること。無理をしすぎず、ママと赤ちゃんにとって一番幸せな授乳の形を探してみてくださいね。

関連記事:
「新生児~離乳食開始後の授乳回数は?頻回授乳のすすめ」
「母乳とミルクの混合授乳-量や方法について-」

あなたの授乳の悩み、話してみませんか

先輩ママのほっとLINE

スタッフは全員ママ
気軽にLINEしてくださいね

先輩ママのほっとLINE先輩ママのほっとLINE

※LINE相談の対応時間は平日10:00~16:00

INSTAGRAM 授乳や子育てに関する情報満載! amoma_naturalcare

フォローする
This error message is only visible to WordPress admins
Error: Access Token is not valid or has expired. Feed will not update.

AMOMAコラムについて

妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。

AMOMAのパートナー

助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士
にしだかなこ
■資格・免許
管理栄養士・幼児食アドバイザー
■専門分野
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
心理カウンセラー
佐々木明子
■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
■専門分野
心理カウンセラー
産婦人科医
牛丸敬祥
■資格・免許
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
■専門分野
産婦人科医

リクエスト募集

AMOMAではエキスパートに聞きたい授乳期の不安やお悩みを募集しています。頂いたリクエストについてラジオ、コラム、動画でお届けします!

リクエストする

その他のお問い合わせはこちらから

MAILメールで問い合わせ
TOP
閉じるボタン
バナー画像