【助産師監修】妊娠36週目(妊娠10ヶ月)のママと赤ちゃんの様子
2019.02.25
Keiko Sakai
Mama writer
2016年7月生まれの男の子のママです。息子の笑顔がパワーの源!!色んな日があるけれど『毎日笑顔で』をモットーに、大好きなヨガを楽しみながら日々の育児も楽しんでいます。息子の成長を見守りながら、私自身も日々成長していきたいと思います♪
浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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妊娠36週目は妊娠10ヶ月となり、いよいよ臨月へと突入する時期を迎えます。臨月に入るとお産を意識し始めたりすることで、気持ちがそわそわして落ち着かないママも多いかもしれませんね。
お腹の中に赤ちゃんを感じていられる時間も残りわずかとなりました。
今回はそんな妊娠36週目(妊娠10ヶ月)のママと赤ちゃんの様子、そしてこの時期の過ごし方や気を付けることもまとめてお伝えします。
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)はどんな時期?
妊娠10ヶ月目に突入する妊娠36週目。出産に向けてのラストスパートがかかる妊娠36週目とはどんな時期なのでしょうか?
「臨月」と呼ばれる時期
36週0日から39週6日までの時期を「臨月」と呼びます。出産予定日までいよいよ残り1ヶ月となり、お産に向けてのラストスパートとなります。
臨月であっても妊娠36週目での出産は、まだ正産期ではなく後期早産となってしまいます。
生存率としては正産期の出産と同じくらいの割合ですが、発育遅延や新生児期の合併症を起こす可能性が高くなります。
臨月といっても妊娠36週目(妊娠10ヶ月)での出産にはリスクを伴う危険性があります。
胎動を感じる回数が減る
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になると以前より胎動を感じる回数が減ります。お産に向けて赤ちゃんの頭が骨盤に入って固定されるためで、着々と赤ちゃんも外の世界に出る準備をしている証です。
胎動を感じづらくはなりますが全く感じなくなることはありません。生まれる直前まで胎動が激しかったというママがいるように、個人差があることは覚えておきましょう。
また、胎動カウントを行うこともおすすめです。胎動カウントとは、お腹の赤ちゃんが10回動くまでに何分かかるかを測定し、赤ちゃんが元気かどうかをチェックする方法です。
毎日続けて胎動カウントを行うことで赤ちゃんの異変にも気付きやすくなります。もし胎動を半日以上感じられない場合はすぐに病院に行きましょう。
妊婦健診が1週間に1回のペースになる
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になると妊婦検診が1週間に1回のペースとなります。
妊娠10ヶ月の臨月に入るといつお産となってもおかしくないため、ママと赤ちゃんの健康状態、赤ちゃんの成長具合、お産の準備がどの程度進んでいるかを週に1回確認する必要があります。
また、検査の一つとしてNST(ノンストレステスト)が行われます。
NSTとは、ママが横になった状態でお腹に器具を付けておよそ20~40分程度の間行われるもので、ストレスのない状態で赤ちゃんの心拍数と子宮収縮を計る検査となります。
赤ちゃんの様子を確認しながら母子共に状態が良好であるかを調べます。
NSTの検査を行う時期は病院によって異なる場合があります。また内診も始まる病院もあり、出血しやすいのでナプキンを持ち歩くようにしましょう。
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)のママの様子
臨月を迎える妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になると体が重くてママは何をするにも大変となります。でも大きなお腹で過ごす時間もあと少しです。
そんな妊娠36週目(妊娠10ヶ月)のママの体にはどのような変化が起こるのかご紹介します。
体重がさらに増えやすくなる
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になると子宮がだんだんと下がってくるため胃の圧迫感も解消されて食事がしやすくなります。
食欲が戻るママが多いですが、赤ちゃんの成長もまた急速に進む時期でもあります。
ママの体重が増えると共に赤ちゃんの体重もぐっと増えてしまうと難産になる可能性が高くなりますので注意が必要です。
さらに、この時期は出産に備えて血液の量も増えるため体重が増えやすくなります。
前駆陣痛が始まるママもいる
妊娠10ヶ月の臨月に入ってから起こる不規則な子宮の収縮のことを前駆陣痛といいます。お腹の張るタイミングや間隔が不規則で痛みも下腹部や腰など様々な症状が現れるのが特徴となります。
前駆陣痛は気付かないママもいるほど個人差が大きいものです。前駆陣痛の場合はしばらく安静にしていれば治まるため急いで病院にいく必要はありません。
しかし、安静にしていてもお腹の張りや痛みが治まらない場合は病院に連絡してみましょう。
むくみやすくなる
妊娠するとママの体の水分量が増えることと子宮が大きくなることで、下半身の血行が悪くなるため妊娠前よりもむくみやすくなります。
妊娠10ヶ月になり出産が近づいてくるとさらに体内の水分量が増えて今まで以上にむくみやすくなります。
ママは大変ですがあと少しの辛抱ですので、マッサージをしたり、寝る時には足を少し高くするなどの対策をして乗り切りましょう。
また、手がむくむことで指輪が抜けなくなることもありますので、指輪はこの時期くらいから早めに取っておくことをおすすめします。
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)の赤ちゃんの様子
ママのお腹の中で赤ちゃんが過ごす時間も残りわずかとなってきました。赤ちゃん自身も生まれる準備を始めています。そんな妊娠36週目(妊娠10ヶ月)の赤ちゃんの様子をみてみましょう。
妊娠36週目の赤ちゃんの大きさ
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)の赤ちゃんは身長が43cm~49cm、体重は2000g~2900g程にまで成長しています。
個人差もだいぶ大きくなりますので、特に医師から未熟児や巨大児などの可能性が告げられていなければ、赤ちゃんが平均よりも小さくても心配する必要はありません。
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)にして赤ちゃんの体重が4000gを超えるような場合は、難産になる可能性が高くなるため、医師の判断により早めの出産となるケースもあります。
内臓機能がしっかりと整う
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)の赤ちゃんは心臓や肝臓や消化器など内臓機能がしっかりと整うようになります。
もう外の世界に出ても赤ちゃんは呼吸することもできて、生きていくためのあらゆる機能が成熟しています。
皮膚や筋肉もしっかりと形成されて皮下脂肪も蓄えられていくため、見た目は既に新生児のような外見となっています。
また、腎臓の機能もしっかりと働くようになりこれまで赤ちゃんの体内に溜まっていた水分が排泄され、赤ちゃんもむくみが取れてすっきりとしてきます。
反射行動をするようになる
赤ちゃんの様子をエコーで確認すると歩くような仕草をみせることがあります。また、お腹に光を当てるとその光に反応するような仕草をみることができる場合もあります。
これは赤ちゃんの反射行動であり、赤ちゃんがしっかりと成長してくれている証です。赤ちゃん特有のこの反射行動をお腹の中にいる胎児の頃からみることができます。
胎毛が抜ける・胎脂が取れる
妊娠10ヶ月になると、お腹の中にいる赤ちゃんの全身を覆っていた胎毛がほぼ抜けてしまい胎脂(たいし)も取れてきます。
寒さから身を守る役割もしていた胎毛と胎脂も、赤ちゃん自身で体温調節ができるようになるとその役割を終えることとなります。
しかし、胎脂はお産時の潤滑油の役割があるため完全に取れることはありません。
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)の過ごし方・気を付けること
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)を迎えるママはいよいよ出産に向けて体も心も準備が整ってきます。今まで色々なことにママも気を付けてきたことでしょう。
出産まであと少しとなる妊娠36週目(妊娠10ヶ月)の過ごし方や気を付けることをまとめてみました。
おしるしかも?おりものの変化に注意する
出産が近づくにつれておりものの量が増えて、おりものにも変化が現れます。妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になるとおしるしがみられることも。
おしるしとは、赤ちゃんを包んでいた卵膜がはがれ落ちて排出されたもので、粘り気のあるおりものに血液が混じったもののことをいいます。
出血がごく少量の場合は気付かず見逃してしまうかもしれませんが、おしるしは確実に出産が近づいているサインです。
しかし、おしるしがあったからといってすぐにお産が始まるわけではありませんので慌てて病院に行く必要はありません。病院の指示に従って必要があれば病院に連絡してみましょう。
おしるしがなく陣痛が始まってお産を迎えるママもいますので、絶対におしるしがあるわけではないことも覚えておきましょう。
食べ過ぎはNG!栄養バランスの良い食事を摂る
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になるママは出産に向けてしっかりと食事を摂る必要があります。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などで医師からの注意や指示がなければ、食事量や回数なども工夫してきちんと食事をするようにしましょう。
また、子宮が下がることで胃の圧迫感が解消されて食欲が出てくる時期となるので食べ過ぎには注意しましょう。妊娠10ヶ月目の食事は量よりも質が大切です。
暴飲暴食はしないよう、栄養バランスの良い食事を摂るよう心がけましょう。そして水分を十分に摂取することも大切です。
しっかり休息&適度な運動は続ける
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)になるとこれまで以上に体が疲れやすくなります。また、頻尿や便秘や痔、腰痛や足の付け根が痛むなどのマイナートラブルもさらに多くなってきます。
マイナートラブルのせいで不眠症になるママもいます。この時期のママはとにかく体力を消耗しやすいため、休めるときにはしっかりと休息を取ることが大切です。
出産に体力がいることはもちろん、産後も育児に追われてゆっくり休めない日々が続きます。今のうちにしっかりと休息するようにしましょう。
また、適度な運動も継続して行うことも大切です。体が疲れている時やお腹が張るときは安静に過ごす必要がありますが、体も心も元気な時は運動するようにしましょう。
股関節を動かす運動は安産に繋がるといわれており昔から雑巾がけをするといいといわれています。軽くウォーキングを行う場合、何かあると危険なためできるだけ誰かと一緒に行うようにしましょう。
出産準備・産後の生活の準備をしておく
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)は正産期まであと1週間となる時期ですので、いつ陣痛や破水など起こってもおかしくはありません。
陣痛タクシーの登録をしたり、ママ自身の入院の準備・赤ちゃん用品の準備などの出産準備を済ませておくことが望ましいです。
また、産後の生活の準備も忘れずにしておかなければなりません。退院時に赤ちゃんを車で連れて帰るならチャイルドシートも必要となります。
家に帰ってからの食事の準備をどうするか、パパに頼みたいことのリストを作っておくなどできる範囲で準備をしておくと安心です。
妊娠36週目(妊娠10ヶ月)は出産に向けてのラストスパート
妊娠10ヶ月へと突入する妊娠36週目のママと赤ちゃんの様子についてご紹介しました。いよいよ出産に向けてママも赤ちゃんも最終準備に入る時期を迎えることとなります。
ママは体も心もしっかりと休息を取るようにして、いつお産となっても大丈夫なように心構えをしておくことが大切です。
お腹の中で赤ちゃんを感じられるのもあと少しの時間となります。残りわずかとなったマタニティライフを楽しみながら、赤ちゃんに会える日を心待ちにして過ごしましょう。
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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